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(ア) コミュニケーションを円滑にする

・ 挨拶をする   ・ 呼び掛ける

・ 相づちを打つ  ・ 聞き直す

・ 繰り返す など

 「コミュニケーションを円滑にする」働きとは,相手との関係を築きながらコミュニケーションを開始したり維持したりする働きである。

 以下にそれぞれの働きについての表現例を示す。

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・ 挨拶をする

例1 Good morning.

例2 Good afternoon.

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・ 呼び掛ける

例1 Hello, Ken.

例2 Excuse me.

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・ 相づちを打つ

例1
 A: I want to be a vet.
 B: Oh, I see.

例2
 A: He is a good baseball player.
 B: Right.

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・ 聞き直す

例1 Sorry?

例2
 A: I always wash the dishes.
 B: Always?

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・ 繰り返す

例1
 A: I have a dog.
 B: Oh, a dog.

例2
 A: I went to Osaka.
 B: Osaka. I see.

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 この事項の指導の際には,表現を教えるだけではなく,挨拶をしたり,話し掛けたり,相づちを打ったりすることなどによって,他者とのコミュニケーションが円滑になることに気付かせることが重要である。

 また,他者との円滑なコミュニケーションのためには,身振りや表情,ジェスチャーなどの非言語的要素の活用も重要であることを指導する。

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 中学校の外国語科においては,「話し掛ける」,「相づちを打つ」,「聞き直す」,「繰り返す」などが挙げられている。

 「挨拶をする」働きは,小学校段階において指導する内容となっていることに留意する必要がある。

 そのほかの項目は,小学校と中学校において共通しているが,中学校段階では複雑な表現を用いたり,同じ表現でも異なる場面において活用したりするように指導することとなっている。

 
 

(イ) 気持ちを伝える

・ 礼を言う  ・ 褒める  ・ 謝る など

 「気持ちを伝える」働きとは,相手との信頼関係を築いたり,良好な関係でコミュニケーションを行ったりするために,自分の気持ちを伝えることを示している。

 小学校の外国語科においては,他者に配慮しながら,自分の気持ちや感情を伝えられるよう指導する。

 以下にそれぞれの働きについての表現例を示す。

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・ 礼を言う

例1 Thank you very much.

例2 Thanks.

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・ 褒める

例1 Great.

例2 Good job.

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・ 謝る

例1 Sorry.

例2 I'm sorry.

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 この事項の指導の際には,表現を教えるだけではなく,礼を言ったり,褒めたりすることなどによって,自分の気持ちを他者に伝えることができることに気付かせることが重要である。

 また,気持ちを伝える際には,身振りや表情,ジェスチャーなどの非言語的要素の活用も重要であることを指導する。

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 中学校の外国語科においては,「気持ちを伝える」という言語の働きの例として,「礼を言う」,「苦情を言う」,「褒める」,「謝る」,「歓迎する」などが挙げられている。

 小学校では,まとまった表現として扱えるものを中心とする。

 例えば,
  “Thank you very much.”や
  “I'm sorry.”
 という表現を扱うが,

 中学校段階では,
  “Thank you for your help.”や
  “I'm sorry to be late.”
 というように
 具体的に礼を言ったり,謝ったりする。

 
 

(ウ) 事実・情報を伝える

・ 説明する  ・ 報告する

・ 発表する など

 「事実・情報を伝える」働きとは,コミュニケーションを行う相手に事実や情報を伝達する働きである。

 以下にそれぞれの働きについての表現例を示す。

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・ 説明する

例1 This is my favorite place.

例2 She is a good tennis player.

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・ 報告する

例1 She can play volleyball well.

例2 We went to Kyoto.

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・ 発表する

例1 This is my hero.
    He is my brother.

例2 My best memory is
          our school trip.
    We went to Nara.

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 この事項の指導の際には,事実や情報を伝えるために,身振りや表情,ジェスチャーなどの非言語的要素の活用も重要であることを指導する。

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 中学校の外国語科においては,ここで示す「説明する」,「報告する」,「発表する」の例のほかに,「描写する」が加えられている。事実や情報を正しく伝えるためには,正確な表現,客観的な構成,論理的な展開などが重要である。

 中学校においては,適切な表現を選択し,客観性や論理性を意識して事実や情報を有効に伝えることができるよう指導することとされている。

 
 

(エ) 考えや意図を伝える

・ 申し出る  ・ 意見を言う  ・ 賛成する

・ 承諾する  ・ 断る など

 「考えや意図を伝える」働きとは,コミュニケーションを行う相手に自分の考えや意図を伝達する働きである。

 以下にそれぞれの働きについての表現例を示す。

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・ 申し出る

例1 May I help you?

例2 It's my turn.

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・ 意見を言う

例1 I want to watch
   wheelchair basketball on TV.

例2 It is exciting.

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・ 賛成する

例1 Yes, let's.

例2 That's a good idea.

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・承諾する

例1
 A: Let's play baseball.
 B: O.K.

例2
 A: I want to play basketball.
 B: Me, too.

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・ 断る

例1
 A: May I help you?
 B: No, thank you.

例2
 A: Let's play basketball.
 B: Sorry.
    I can't play basketball.

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 この事項の指導の際には,考えや意図を伝えるために,身振りや表情,ジェスチャーなどの非言語的要素の活用も重要であることを指導する。

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 中学校の外国語科においては,ここで示す例に加えて,「約束する」,「反対する」,「仮定する」の例が加えられている。

 
 

(オ) 相手の行動を促す

・ 質問する  ・ 依頼する

・ 命令する など

 「相手の行動を促す」働きとは,相手に働き掛け,相手の言語的・非言語的行動を引き出す働きを示している。

 以下にそれぞれの働きについての表現例を示す。

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・ 質問する

例1
 A: What sport do you like?
 B: I like soccer.

例2
 A: Can you sing well?
 B: Yes, I can.

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・ 依頼する

例1 Come here, please.

例2 I'd like spaghetti.

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・ 命令する

例1 Go straight.

例2 Turn right at the third corner.

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 この事項の指導の際には,表現を教えるだけではなく,質問したり,依頼したりすることなどによって,他者に働きかけて相手の行動を促すことができることに気付かせることが重要である。

 また,相手の行動を促す際には,身振りや表情,ジェスチャーなどの非言語的要素の活用も重要であることを指導する。

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 中学校の外国語科においては,ここで示す例に加えて,「招待する」の例が加えられている。

 
 
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