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 昭和22年の学習指導要領は,戦後の教育改革の急に迫られて極めて短時日の間に作成されたもので,例えば,教科間の関連が十分図られていなかったことなどの問題があった。

 そこで,昭和23年以降学習指導要領の使用状況の調査を行う一方,実験学校における研究,編集委員会による問題点の研究などを行い,その改訂作業を始めた。

 さらに,昭和24年には,小学校,中学校及び高等学校の教育課程に関する事項の調査審議を行うための教育課程審議会を文部省に設け,同審議会から,昭和25年6月には小学校家庭科の存否,毛筆習字の課程の取扱い,自由研究の存否,総授業時数の改正などについて,昭和26年1月には道徳教育の振興について答申を受けた。

 このような経過を経て,学習指導要領は,昭和26年に全面的に改訂され,昭和22年の場合と同様に,一般編と各教科編に分けて試案の形で刊行された。その改訂の主な特色は次のとおりである。

 
 

ア 各教科の配当授業時数については,教科を学習の基礎となる教科(国語,算数),社会や自然についての問題解決を図る教科(社会,理科),主として創造的な表現活動を行う教科(音楽,図画工作,家庭),健康の保持増進を図る教科(体育)の4つの経験領域に分け,これらに充てる授業時数を教科の総授業時数に対する比率で示すこととし,教科と教科以外の総授業時数の基準を2個学年ごとにまとめて示したこと。

イ 家庭科(第5,第6学年)は他の教科と著しく重複する目標や指導内容を整理して存置することとしたこと。

ウ 毛筆習字は,国語学習の一部として第4学年から課すことができるようにしたこと。

 
 

エ 自由研究を発展的に解消し,教科の学習では達成されない目標に対する諸活動を包括して教科以外の活動とし,それらの活動を例示したこと。

 また,道徳教育については,昭和26年の教育課程審議会の答申に基づいて,「道徳教育のための手引書要綱」を作成するとともに,学習指導要領一般編において,道徳教育は学校教育のあらゆる機会に指導すべきであるとし,社会科をはじめ各教科の道徳教育についての役割を明確にした。

 さらに,健康教育についても同様に一般編において,教科,教科以外の活動を含めてあらゆる機会を通じて行われることが望ましいとした。

 なお,この学習指導要領においては,昭和22年の学習指導要領の「教科課程」という用語に代えて「教育課程」という用語が用いられた。

 その後,昭和28年に教育課程審議会から社会科の改善に関する答申を受け,「社会科の改善についての方策」を発表するとともに,この方策に沿って学習指導要領社会科編の改訂を行い,昭和30年12月に刊行した。

 この改訂においては,社会科における道徳教育の在り方を一層明確にするとともに,地理,歴史教育の系統性,指導内容の学年別配当を明らかにし,また,政治,経済,社会等については,小学校段階としての範囲を明確にするとともに世界的な視野に立った国民的自覚を促すことなどを強調した。

 
 
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