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(5)生徒が生命の有限性や自然の大切さ,主体的に挑戦してみることや多様な他者と協働することの重要性などを実感しながら理解することができるよう,各教科等の特質に応じた体験活動を重視し,家庭や地域社会と連携しつつ体系的・継続的に実施できるよう工夫すること。
 社会構造等の急速な変化による予測困難な時代にあって,また,少子高齢化等が進み成熟社会を迎えている我が国において,これからの学校教育には,生徒に知・徳・体のバランスのとれた資質・能力を育成することが一層重要となっている。

 資質・能力を偏りなく育成していくに当たり,「学びに向かう力,人間性等」を育む観点からは,体験活動の充実が重要である。

 「学びに向かう力,人間性等」は「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」をどのような方向性で働かせていくのかを決定付ける重要な要素であることから,本項において,各教科等の特質に応じた体験活動を重視し,家庭や地域社会と連携しつつ体系的・継続的に実施できるよう工夫することを示している。

 生徒を取り巻く地域や家庭の環境,情報環境等が劇的に変化し,生徒が自然の中で豊かな体験をしたり,文化芸術を体験して感性を高めたりする機会が限られているとの指摘がされている。

それにより,例えば生命の有限性を実感することや異年齢の幼児児童生徒が協働する経験が少なくなり,現実的には学校教育は生徒がそうした経験をすることができる数少ない場となっている。

 前回の改訂において,
体験活動は言語活動とともに重要なものとして位置付けられたが,
今回の改訂においては,
前述の生徒を取り巻く環境等を踏まえ,
生徒が生命の有限性や自然の大切さ,主体的に挑戦してみることや多様な他者と協働することの重要性などを実感しながら理解することができるようにすることを重視し,
集団の中で体系的・継続的な活動を行うことのできる学校の場を生かして,地域・家庭と連携・協働して,体験活動の機会を確保していくことを示している。

 学校において体系的・継続的に体験活動を実施していくためには,各教科等の特質に応じて教育課程を編成していくことが必要である。

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 このため,総合的な学習の時間や特別活動はもとより,例えば,

社会科では「調査や諸資料から,社会的事象に関する様々な情報を効果的に収集し,読み取り,まとめる技能を身に付ける学習活動を重視するとともに,作業的で具体的な体験を伴う学習の充実を図るようにすること」,

理科では「観察,実験,野外観察などの体験的な学習活動の充実に配慮すること」,

技術・家庭科では「仕事の楽しさや完成の喜びを体得させるよう実践的・体験的な活動を充実すること」

等の教科等の特質に応じた体験を伴う学習活動の充実を図ることとしている。

 
 

 また,体験活動を継続的に実施していくためには,その時間の確保も課題となる。

 この点では,各教科等の指導に当たり教科等の特質に応じた体験を伴う学習の時間を確保するだけでなく,時間割の弾力的な編成(第1章総則第2の3(2)ウ(エ))の規定等を踏まえ,
例えば,自然体験や社会体験を行う長期集団宿泊活動において,各教科等の内容に関わる体験を伴う学習や探究的な活動が効果的に展開できると期待される場合,
教科等の学習を含む計画を立て,授業時数に含めて扱う柔軟な年間指導計画を作成するなど,
学校の教育活動の全体を通して体験活動の機会の充実を図る工夫をすることも考えられる。

 このように,各教科等の特質やその関連を踏まえ,生徒の様々な学習機会がより効果的なものとなるようにしていくことは,カリキュラム・マネジメントの重要な視点である。

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 なお,このような体験活動を効果的に実施していくためには,その意義や効果について家庭や地域と共有し,連携・協働することが重要である。

 また,これらの学習を展開するに当たっては,学習の内容と生徒の発達の段階に応じて安全への配慮を十分に行わなければならない。

 
 
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