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(7)学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に生かすとともに,生徒の自主的,自発的な学習活動や読書活動を充実すること。

 また,地域の図書館や博物館,美術館,劇場,音楽堂等の施設の活用を積極的に図り,資料を活用した情報の収集や鑑賞等の学習活動を充実すること。

 学校図書館については,学校教育において欠くことのできない基礎的な設備であり,

@生徒の想像力を培い,学習に対する興味・関心等を呼び起こし,豊かな心や人間性,教養,創造力等を育む自由な読書活動や読書指導の場である「読書センター」としての機能,

A生徒の自主的・自発的かつ協働的な学習活動を支援したり,授業の内容を豊かにしてその理解を深めたりする「学習センター」としての機能,

B生徒や教職員の情報ニーズに対応したり,生徒の情報の収集・選択・活用能力を育成したりする「情報センター」としての機能

を有している。

 
 

 また,これからの学校図書館には,読書活動の推進のために利活用されることに加え,調べ学習や新聞を活用した学習など,各教科等の様々な授業で活用されることにより,学校における言語活動や探究活動の場となり,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に資する役割が一層期待されている。

 学校においては,このような学校図書館に期待されている役割が最大限に発揮できるようにすることが重要であり,学校図書館が生徒が落ち着いて読書を行うことができる,安らぎのある環境や知的好奇心を醸成する開かれた学びの場としての環境として整えられるよう努めることが大切である。

 また,各教科等において,学校図書館の機能を計画的に利活用し,生徒の自主的・自発的な学習活動や読書活動を充実するよう努めることが大切である。

 その際,各教科等を横断的に捉え,学校図書館の利活用を基にした情報活用能力を学校全体として計画的かつ体系的に指導するよう努めることが望まれる。

 さらに,教育課程との関連を踏まえた学校図書館の利用指導・読書指導・情報活用に関する各種指導計画等に基づき,計画的・継続的に学校図書館の利活用が図られるよう努めることが大切である。

 こういった学校図書館の利活用を進めるに当たって,学校図書館における図書館資料の充実と,学校図書館の運営等に当たる司書教諭及び学校司書の配置の充実やその資質・能力の向上の双方を図ることが大切である。

 図書館資料については,図書資料のほか,雑誌,新聞,視聴覚資料,電子資料(各種記録媒体に記録・保存された資料,ネットワーク情報資源(ネットワークを介して得られる情報コンテンツ)等)等の図書以外の資料が含まれており,これらの資料について,生徒の発達の段階等を踏まえ,教育課程の展開に寄与するとともに,生徒の健全な教養の育成に資する資料構成と十分な資料規模を備えるよう努めることが大切である。

 また,司書教諭及び学校司書については,学校図書館がその機能を十分に発揮できるよう,学校図書館の館長としての役割も担う校長のリーダーシップの下,各者がそれぞれの立場で求められている役割を果たした上で,互いに連携・協力し,組織的に取り組むよう努めることが大切である。

 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進めるに当たっては,学校図書館の活用に加えて,資料調査や本物の芸術に触れる鑑賞の活動等を充実させるため,地域の図書館,博物館,美術館,劇場,音楽堂等の施設を積極的に活用することも重要である。

 なお,本項においては「劇場,音楽堂等の活性化に関する法律」(平成24年法律第49号)を踏まえ「劇場,音楽堂等」としているが,こうした公共の施設の名称や施設が有する機能は地域によって多様であるため,ここに規定する施設に限らず生徒の学習の充実に資する観点から幅広く活用を図ることが期待される。

 
 
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