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4 学校の道徳教育の全体計画や道徳教育に関する諸活動などの情報を積極的に公表したり,道徳教育の充実のために家庭や地域の人々の積極的な参加や協力を得たりするなど,家庭や地域社会との共通理解を深め,相互の連携を図ること。

 学校で行う道徳教育は,自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を養うことを目標として行われる。

 このような道徳性は学校生活だけに限られたものではなく,家庭や地域社会においても,生徒の具体的な行動を支える内面的な資質である。

 このため,学校で行う道徳教育をより充実するためには,家庭や地域社会との連携,協力が重要になる。

 その際には,学校と家庭や地域社会との間に,生徒の道徳性を養う上での共通理解を図ることが不可欠である。

 道徳教育は学校が主体的に行う教育活動であることから,学校が道徳教育の方針を家庭や地域社会に伝え,理解と協力を得るようにしなければならない。

 具体的には,学校通信などで校長の方針に基づいて作成した道徳教育の全体計画を示したり,道徳教育の成果としての生徒のよさや成長の様子を知らせたりすることなどが考えられる。また,学校のホームページなどインターネットを活用した情報発信も家庭や地域社会に周知する上で効果的である。

 
 
 道徳教育の主体は学校であるが,学校の道徳教育の充実を図るためには,家庭や地域社会との連携,協力が必要である。

 学校の道徳教育に関わる情報発信と併せて,学校の実態に応じて相互交流の場を設定することが望まれる。

 例えば,学校での道徳教育の実情について説明したり,家庭や地域社会における生徒のよさや成長などを知らせてもらったりする情報交換会を定例化し,生徒の道徳性の発達や学校,家庭,地域社会の願いを交流し合う機会をもつことが考えられる。

 また,こうした情報交換で把握した問題点や要望などに着目した講演会の開催なども連携を図る上で有効である。

 これらの会の開催は学校が会場となることが多いと予想されるが,より参加しやすいよう,例えば,会場を地域の公民館等としたり,生徒と保護者で道徳について学ぶ機会を設けたりするなどの工夫も考えられる。

 また,学校運営協議会制度などを活用して,学校での道徳教育の成果について話し合うことや,それらを学校評価に生かし道徳教育の改善を図るとともに,学校が家庭や地域社会と連携する方法を検討することも考えられる。

 さらに,学校,家庭,地域社会が連携した道徳教育が充実することで,保護者や地域住民の道徳教育に関わる意識が高まることも期待できる。

 
 
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