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(1) 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 音声の働きや仕組みについて,理解を深めること。

イ 小学校学習指導要領第2章第1節国語の学年別漢字配当表(以下「学年別漢字配当表」という。)に示されている漢字に加え,その他の常用漢字のうち300字程度から400字程度までの漢字を読むこと。

 また,学年別漢字配当表の漢字のうち900字程度の漢字を書き,文や文章の中で使うこと。

ウ 事象や行為,心情を表す語句の量を増すとともに,語句の辞書的な意味と文脈上の意味との関係に注意して話や文章の中で使うことを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。

エ 単語の類別について理解するとともに,指示する語句と接続する語句の役割について理解を深めること。

オ 比喩,反復,倒置,体言止めなどの表現の技法を理解し使うこと。

 
 

(1) 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 音声の働きや仕組みについて,理解を深めること。

[小学校第5学年及び第6学年]

イ 話し言葉と書き言葉との違いに気付くこと。

ウ 文や文章の中で漢字と仮名を適切に使い分けるとともに,送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書くこと。

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[第1学年]

ア 音声の働きや仕組みについて,理解を深めること。

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[第2学年]

イ 話し言葉と書き言葉の特徴について理解すること。

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[第3学年]

ア 音声の働きや仕組みについて,理解を深めること。

 生徒が話し言葉として使用してきた音声について,その働きや仕組みを整理し,理解を深めることを示している。

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 伝達機能を中心とした音声の働き,音節の基本的な構造などへの理解を促すようにすることを求めている。

 また,アクセント,イントネーション,プロミネンス(文中のある語を強調して発音すること)などの音声的特質が多様な声を作り出し,話したり聞いたりする活動に影響していることを理解し,日常の言語活動を振り返る契機にすることが重要である。

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 小学校第1学年及び第2学年の
〔知識及び技能〕の(1)
「イ 音節と文字との関係,アクセントによる語の意味の違いなどに気付くとともに,姿勢や口形,発声や発音に注意して話すこと。」,

第3学年及び第4学年の
〔知識及び技能〕の(1)
「イ 相手を見て話したり聞いたりするとともに,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などに注意して話すこと。」

の学習を踏まえ,生徒が話す際に音声がどのような働きをしているかを捉え直すことが求められる。

 
 

(1) 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

イ 小学校学習指導要領第2章第1節国語の学年別漢字配当表(以下「学年別漢字配当表」という。)に示されている漢字に加え,その他の常用漢字のうち300字程度から400字程度までの漢字を読むこと。

 また,学年別漢字配当表の漢字のうち900字程度の漢字を書き,文や文章の中で使うこと。

[小学校第5学年及び第6学年]

エ 第5学年及び第6学年の各学年においては,学年別漢字配当表の当該学年までに配当されている漢字を読むこと。

 また,当該学年の前の学年までに配当されている漢字を書き,文や文章の中で使うとともに,当該学年に配当されている漢字を漸次書き,文や文章の中で使うこと。

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[第1学年]

イ 小学校学習指導要領第2章第1節国語の学年別漢字配当表(以下「学年別漢字配当表」という。)に示されている漢字に加え,その他の常用漢字のうち300字程度から400字程度までの漢字を読むこと。

 また,学年別漢字配当表の漢字のうち900字程度の漢字を書き,文や文章の中で使うこと。

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[第2学年]

ウ 第1学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字のうち350字程度から450字程度までの漢字を読むこと。

 また,学年別漢字配当表に示されている漢字を書き,文や文章の中で使うこと。

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[第3学年]

ア 第2学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字の大体を読むこと。

 また,学年別漢字配当表に示されている漢字について,文や文章の中で使い慣れること。

イ 小学校学習指導要領第2章第1節国語の学年別漢字配当表(以下「学年別漢字配当表」という。)に示されている漢字に加え,その他の常用漢字のうち300字程度から400字程度までの漢字を読むこと。

 また,学年別漢字配当表の漢字のうち900字程度の漢字を書き,文や文章の中で使うこと。

 漢字の読みについては,小学校で学習した1,026字に加えてその他の常用漢字1,110字のうち300字程度から400字程度までの漢字の読みを指導する。

 漢字一字一字の音訓を理解し,語句として,話や文章の中において文脈に即して意味や用法を理解しながら読むことが求められる。

 そのため,教科書を読むことや読書を通して,漢字の読みの習熟と応用を図ることが大切である。

 また,字形と音訓,意味と用法,語の成り立ち,熟語の構成などについて必要に応じて指導し,例えば,漢字の構成要素である「へん」や「つくり」などに注目して,読みを類推することができるようにすることも考えられる。

 さらに,〔思考力,判断力,表現力等〕の「B 書くこと」,「C 読むこと」の指導においてだけではなく,「A 話すこと・聞くこと」の指導においても,
例えば,同音の語句の意味に誤って理解されそうなときには,漢字を例示することでこれを避けるといったような活動を取り入れるなど,機会があるごとに漢字を意識するようにすることが考えられる。

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 漢字の書きについては,学年別漢字配当表に示している漢字のうち,900字程度の漢字について文や文章の中で使えるように指導する。

 この場合,どの字種の漢字を指導するかについては明示していない。したがって,生徒の発達や学習の状況に応じて,日常生活や各教科等の学習の中で多く使われる漢字などに配慮して指導すべき字種を決めることが考えられる。

 指導に当たっては,字体,字形,音訓,意味や用法などの知識を習得し,文脈に即して漢字を書くように常に注意するようにすること,文章の中ばかりではなく,「A 話すこと・聞くこと」の学習の中や,他教科等の学習や日常の会話の中でも漢字の書きについて意識するようにすることが大切である。

 また,実際に書く活動を通して,漢字を正しく用いる態度と習慣とを養うことも大切である。そのためには,必要に応じて辞書を引くことを習慣付けることが有効である。

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 また,書写との関連を図ることが重要である。その際,字体,点画,筆順等に注意し,楷書で正しく整った文字を書くようにすることなどが求められる。

 
 

(1) 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ウ 事象や行為,心情を表す語句の量を増すとともに,語句の辞書的な意味と文脈上の意味との関係に注意して話や文章の中で使うことを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。

[小学校第5学年及び第6学年]

オ 思考に関わる語句の量を増し,話や文章の中で使うとともに,語句と語句との関係,語句の構成や変化について理解し,語彙を豊かにすること。

 また,語感や言葉の使い方に対する感覚を意識して,語や語句を使うこと。

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[第1学年]

ウ 事象や行為,心情を表す語句の量を増すとともに,語句の辞書的な意味と文脈上の意味との関係に注意して話や文章の中で使うことを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。

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[第2学年]

エ 抽象的な概念を表す語句の量を増すとともに,類義語と対義語,同音異義語や多義的な意味を表す語句などについて理解し,話や文章の中で使うことを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。

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[第3学年]

イ 理解したり表現したりするために必要な語句の量を増し,慣用句や四字熟語などについて理解を深め,話や文章の中で使うとともに,和語,漢語,外来語などを使い分けることを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。

ウ 事象や行為,心情を表す語句の量を増すとともに,語句の辞書的な意味と文脈上の意味との関係に注意して話や文章の中で使うことを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。

 事象や行為,心情を表す語句の量を増すことについては,

小学校第3学年及び第4学年の〔知識及び技能〕の(1)オの「様子や行動,気持ちや性格を表す語句」の学習を踏まえ,動詞や形容詞,形容動詞,名詞,副詞など様々な語句について取り上げ,語句の量を増すことを求めている。

 その際,話や文章の中でどのように使用されているか,自分が理解したり表現したりするときにどのように用いればよいかについて考えることが重要である。

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 語句の辞書的な意味と文脈上の意味との関係に注意して話や文章の中で使うとは,

語句の辞書的な意味を踏まえ,文脈における意味を具体的かつ個別的に捉え,その語句が文章の中で果たしている役割を考えることである。

 そのためには,本などを読んで新しく出合った言葉を取り上げ,辞書にある様々な意味から文脈上の意味を考える習慣を付けることなどが考えられる。

 例えば,語句の意味について調べたことを記録したり,その語句を使った短文を作ったりすることなどを通して,話や文章の中で使うことが有効である。

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 語感を磨き語彙を豊かにするとは,

自分の語彙を量と質の両面から充実させることである。

 具体的には,意味を理解している語句の数を増やすだけでなく,話や文章の中で使いこなせる語句を増やすとともに,語句の意味や使い方に対する認識を深め,語感を磨き,語彙の質を高めることである。

 なお,語感には,言葉の正しさや美しさだけではなく,その言葉が使われる際に適切であるかどうかを感じ取る感覚も含まれている。

 
 

(1) 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

エ 単語の類別について理解するとともに,指示する語句と接続する語句の役割について理解を深めること。

[小学校第5学年及び第6学年]

カ 文の中での語句の係り方や語順,文と文との接続の関係,話や文章の構成や展開,話や文章の種類とその特徴について理解すること。

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[第1学年]

エ 単語の類別について理解するとともに,指示する語句と接続する語句の役割について理解を深めること。

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[第2学年]

オ 単語の活用,助詞や助動詞などの働き,文の成分の順序や照応など文の構成について理解するとともに,話や文章の構成や展開について理解を深めること。

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[第3学年]

ウ 話や文章の種類とその特徴について理解を深めること。

エ 単語の類別について理解するとともに,指示する語句と接続する語句の役割について理解を深めること。

 単語の類別について理解するとは,

単語がその性質から自立語と付属語とに大別されること,更に幾つかの品詞に分類されることなどについて理解することである。

 それぞれの単語のもつ文法的な役割とともに,それぞれの品詞が文のどのような成分になるかなどを理解することを求めている。

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 指示する語句や接続する語句は,話や文章を構成する上で大切な役割を果たす。

 指示する語句と接続する語句の役割について理解を深めることについては,

小学校第3学年及び第4学年で扱っていることを踏まえ,それぞれの役割についての理解を深めることが求められる。

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 指示する語句とは,

物事を指し示す働きをもつ語句のことをいう。

 具体的には,いわゆる「こ・そ・あ・ど言葉」と言われるものに加え,「以上(は)」,「前者(は)」,「右(の)」なども含まれる。

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 接続する語句とは,

前後の語句や文などをつなぐ働きをもつ語句のことをいう。

 具体的には,いわゆる「つなぎ言葉」と言われるものや,「まして」,「一方」,「他方」,「そのため」などが含まれる。

 つなぎ言葉は,つなぎ方によって,順接,逆接,並立,累加,対比,選択,転換などの働きで分類されることがある。

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 指導に当たっては,例えば,

〔思考力,判断力,表現力等〕の
「A 話すこと・聞くこと」の「構成の検討」,
「B 書くこと」の「構成の検討」や「推敲」,
「C 読むこと」の「構造と内容の把握」

の学習過程における指導などとの関連を図り,指示する語句や接続する語句が,話や文章の中でどのような役割を果たしているのかを考えることにより,指導の効果を高めることが考えられる。

 
 

(1) 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

オ 比喩,反復,倒置,体言止めなどの表現の技法を理解し使うこと。

[小学校第5学年及び第6学年]

ク 比喩や反復などの表現の工夫に気付くこと。

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[第1学年]

オ 比喩,反復,倒置,体言止めなどの表現の技法を理解し使うこと。

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[第2学年]

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[第3学年]

オ 比喩,反復,倒置,体言止めなどの表現の技法を理解し使うこと。

比喩とは,
あるものを別のものでたとえて表現すること,

反復とは,
同一又は類似した表現を繰り返すこと,

倒置とは,
語順を逆にすること,

体言止めとは,
文末を体言で終えることである。

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 小学校での学習を踏まえ,中学校では,それぞれの表現の技法が「比喩」や「反復」などの名称で呼ばれていることと結び付けて,その意味や用法とともに理解し,話や文章の中で使うことを求めている。

 また,直喩や隠喩,擬人法など,比喩の種類について整理することも考えられる。

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 なお,表現の技法としては,これらのほか,省略対句などが挙げられる。

 
 
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