cosnavi.jp

(3) 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 音読に必要な文語のきまりや訓読の仕方を知り,古文や漢文を音読し,古典特有のリズムを通して,古典の世界に親しむこと。

イ 古典には様々な種類の作品があることを知ること。

ウ 共通語と方言の果たす役割について理解すること。

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 字形を整え,文字の大きさ,配列などについて理解して,楷書で書くこと。

(イ) 漢字の行書の基礎的な書き方を理解して,身近な文字を行書で書くこと。

オ 読書が,知識や情報を得たり,自分の考えを広げたりすることに役立つことを理解すること。

 
 

(3) 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 音読に必要な文語のきまりや訓読の仕方を知り,古文や漢文を音読し,古典特有のリズムを通して,古典の世界に親しむこと。

イ 古典には様々な種類の作品があることを知ること。

[小学校第5学年及び第6学年]

ア 親しみやすい古文や漢文,近代以降の文語調の文章を音読するなどして,言葉の響きやリズムに親しむこと。

イ 古典について解説した文章を読んだり作品の内容の大体を知ったりすることを通して,昔の人のものの見方や感じ方を知ること。

---------------------------------

[第1学年]

ア 音読に必要な文語のきまりや訓読の仕方を知り,古文や漢文を音読し,古典特有のリズムを通して,古典の世界に親しむこと。

イ 古典には様々な種類の作品があることを知ること。

---------------------------------

[第2学年]

ア 作品の特徴を生かして朗読するなどして,古典の世界に親しむこと。

イ 現代語訳や語注などを手掛かりに作品を読むことを通して,古典に表れたものの見方や考え方を知ること。

---------------------------------

[第3学年]

ア 歴史的背景などに注意して古典を読むことを通して,その世界に親しむこと。

イ 長く親しまれている言葉や古典の一節を引用するなどして使うこと。

ア 音読に必要な文語のきまりや訓読の仕方を知り,古文や漢文を音読し,古典特有のリズムを通して,古典の世界に親しむこと。

 小学校における読み聞かせや音読,暗唱などによる伝統的な言語文化に関する学習を踏まえ,古文や漢文を音読し,古典の世界に親しむことを示している。

--------------------------------

文語のきまりとは,

歴史的仮名遣いなど
現代の口語とは異なる
古文特有のきまりをいい,

訓読の仕方とは,

返り点や送り仮名など
漢文の訓読に必要な基礎的な事項
をいう。

音読に必要な文語のきまりや訓読の仕方とは,基本的には,

教材を音読する際に,
教材に即して
文語のきまりや訓読の仕方
を学習すること

を示している。

--------------------------------

 古典の世界に親しむためには,

古典の文章を繰り返し音読して,その独特のリズムに気付かせることが重要である。

 音読することによって,独特のリズムに生徒自らが気付くことを重視し,五音,七音のリズムの特徴などについて理解することを通して古典の世界に親しむようにすることが求められる。

イ 古典には様々な種類の作品があることを知ること。

 小学校から親しんできた様々な古典の作品は,一般的に幾つかの種類に分類される。

 様々な種類としては,和歌,俳諧,物語,随筆,漢詩,漢文などを挙げることができる。また,能,狂言,歌舞伎,古典落語などの古典芸能も含まれる。

 これらと,小学校から親しんできた様々な古典の作品とを結び付けることで,古典の世界についての新たな興味・関心を喚起し,古典に親しませることが大切である。

 
 

(3) 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ウ 共通語と方言の果たす役割について理解すること。

[小学校第5学年及び第6学年]

ウ 語句の由来などに関心をもつとともに,時間の経過による言葉の変化や世代による言葉の違いに気付き,共通語と方言との違いを理解すること。

 また,仮名及び漢字の由来,特質などについて理解すること。

---------------------------------

[第1学年]

ウ 共通語と方言の果たす役割について理解すること。

---------------------------------

[第2学年]

---------------------------------

[第3学年]

ウ 時間の経過による言葉の変化や世代による言葉の違いについて理解すること。

ウ 共通語と方言の果たす役割について理解すること。

 小学校第5学年及び第6学年の〔知識及び技能〕の(3)ウの「共通語と方言との違いを理解すること。」を受けて,共通語と方言のそれぞれが果たす役割について理解することを示している。

--------------------------------

共通語
地域を越えて通じる言葉であり,

方言
ある地域に限って使用される言葉である。

 共通語を適切に使うことで,異なる地域の人々が互いの伝えたいことを理解することができる。

 一方,方言は,生まれ育った地域の風土や文化とともに歴史的,社会的な伝統に根ざした言葉であり,その価値を見直し,保存・継承に取り組んでいる地域もある。

--------------------------------

 例えば,東日本大震災による被災地域においても,方言を使うことで被災者の心が癒やされるなどした事例が報告されるとともに,方言の保存・継承の取組そのものが地域コミュニティーの再生に寄与するなど,地域の復興に方言の力を活用する取組も進められている。

--------------------------------

 こうした方言が担っている役割を,その表現の豊かさなど地域による言葉の多様性の面から十分理解し,方言を尊重する気持ちをもちながら,共通語と方言とを時と場合などに応じて適切に使い分けられるようにすることが大切である。

 
 

(3) 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 字形を整え,文字の大きさ,配列などについて理解して,楷書で書くこと。

(イ) 漢字の行書の基礎的な書き方を理解して,身近な文字を行書で書くこと。

[小学校第5学年及び第6学年]

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 用紙全体との関係に注意して,文字の大きさや配列などを決めるとともに,書く速さを意識して書くこと。

(イ) 毛筆を使用して,穂先の動きと点画のつながりを意識して書くこと。

(ウ) 目的に応じて使用する筆記具を選び,その特徴を生かして書くこと。

---------------------------------

[第1学年]

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 字形を整え,文字の大きさ,配列などについて理解して,楷書で書くこと。

(イ) 漢字の行書の基礎的な書き方を理解して,身近な文字を行書で書くこと。

---------------------------------

[第2学年]

ウ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 漢字の行書とそれに調和した仮名の書き方を理解して,読みやすく速く書くこと。

(イ) 目的や必要に応じて,楷書又は行書を選んで書くこと。

---------------------------------

[第3学年]

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 身の回りの多様な表現を通して文字文化の豊かさに触れ,効果的に文字を書くこと。

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

 小学校の各学年における書写に関する事項を受けて,書写に関する(ア),(イ)の事項を理解し使うことを示している。

(ア) 字形を整え,文字の大きさ,配列などについて理解して,楷書で書くこと。

 様々な場面に応じて楷書で書くことを示している。

--------------------------------

 字形を整え,文字の大きさ,配列などについて理解するとは,

書こうとする文字の字形を整えること,紙面全体に対してそれぞれの文字の大きさや書くべき位置を考えて調和的に割り当てること,文字と文字との間の空け方や行の中心の取り方,行と行の間の空け方などについての具体的な方法や効果を理解することであり,実際に文字を書く場面で使えるようにすることが重要である。

--------------------------------

 小学校で段階的に学習してきた字の形や大きさ,配列などに関する指導事項を踏まえ,〔思考力,判断力,表現力等〕の指導との関連を図り,国語科をはじめとする各教科等の学習や生活における活用場面を見通して,学習活動や教材を工夫することなども大切である。

 また,筆記具についても,硬筆や毛筆などを適切に選択したり組み合わせたりすることが求められる。

(イ) 漢字の行書の基礎的な書き方を理解して,身近な文字を行書で書くこと。

 行書は,中学校で初めて指導する内容である。小学校における書く速さや点画のつながりについての学習を踏まえ,中学校では,社会生活における言語活動に必要な書写の能力を養うため,速く書くことが求められる。

 そこで,第1学年では,楷書よりも速く書くことのできる行書の基礎的な書き方を指導する。

--------------------------------

 漢字の行書の基礎的な書き方とは,

直線的な点画で構成されている漢字を,点や画の形が丸みを帯びる場合があること,点や画の方向及び止め・はね・払いの形が変わる場合があること,点や画が連続したり省略されたりする場合があること,筆順が変わる場合があることなどといった行書の特徴を伝統的な文字文化とも関連させながら理解して書くことを意味している。

 身近な文字を行書で書くとは,

そうした行書の基礎的な書き方を理解し,学習や生活の中で使用頻度の高い語句などについて書くことである。

--------------------------------

 字形の整え方,運筆の際の筆圧のかけ方,筆脈を意識した点画のつながりなどを身に付けさせるために,毛筆の活用に配慮する必要がある。

 また,生徒自らが行書の特徴に気付き,どのようにすればこれらの特徴を生かした書き方ができるのかを考え,身近な文字を書く活動に積極的に役立てるような,主体的な学習がなされるように配慮することも重要である。

 
 

(3) 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

オ 読書が,知識や情報を得たり,自分の考えを広げたりすることに役立つことを理解すること。

[小学校第5学年及び第6学年]

オ 日常的に読書に親しみ,読書が,自分の考えを広げることに役立つことに気付くこと。

---------------------------------

[第1学年]

オ 読書が,知識や情報を得たり,自分の考えを広げたりすることに役立つことを理解すること。

---------------------------------

[第2学年]

エ 本や文章などには,様々な立場や考え方が書かれていることを知り,自分の考えを広げたり深めたりする読書に生かすこと。

---------------------------------

[第3学年]

オ 自分の生き方や社会との関わり方を支える読書の意義と効用について理解すること。

オ 読書が,知識や情報を得たり,自分の考えを広げたりすることに役立つことを理解すること。

 読書は,人生をより豊かなものにするだけでなく,特に,生徒にとっては,言葉を学び,感性を磨き,表現力を高め,創造力を豊かにするなど,国語科で育成を目指す資質・能力をより高める重要な活動の一つである。

--------------------------------

 読書をすることによって,知識や情報を得たり,新しいものの見方や考え方を知ったり,自分の考えが広がったりすることを実感できるようにすることが大切である。

 そのためには,例えば,学校図書館や地域の図書館などを活用するなどして,様々な種類の本や資料などを手に取り,読書の範囲を広げるようにすることも大切である。

 
 
→ 中学校国語編 目次
→ 小学校国語編 目次
→ 中学校学習指導要領(2017)目次
→ 学習指導要領ナビ
トップページ