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(1)言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 言葉には,相手の行動を促す働きがあることに気付くこと。

イ 話し言葉と書き言葉の特徴について理解すること。

ウ 第1学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字のうち350字程度から450字程度までの漢字を読むこと。

 また,学年別漢字配当表に示されている漢字を書き,文や文章の中で使うこと。

エ 抽象的な概念を表す語句の量を増すとともに,類義語と対義語,同音異義語や多義的な意味を表す語句などについて理解し,話や文章の中で使うことを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。

オ 単語の活用,助詞や助動詞などの働き,文の成分の順序や照応など文の構成について理解するとともに,話や文章の構成や展開について理解を深めること。

カ 敬語の働きについて理解し,話や文章の中で使うこと。

 
 

(1)言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 言葉には,相手の行動を促す働きがあることに気付くこと。

[小学校第5学年及び第6学年]

ア 言葉には,相手とのつながりをつくる働きがあることに気付くこと。

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[第1学年]

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[第2学年]

ア 言葉には,相手の行動を促す働きがあることに気付くこと。

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[第3学年]

ア 言葉には,相手の行動を促す働きがあることに気付くこと。

小学校第1学年及び第2学年のアの
「事物の内容を表す働きや,経験したことを伝える働き」,

第3学年及び第4学年のアの
「考えたことや思ったことを表す働き」,

第5学年及び第6学年のアの
「相手とのつながりをつくる働き」

を受けて,「言葉の働き」のうち,相手の行動を促す働きについて気付くことを示している。

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 相手の行動を促す働きとは,

聞き手(言葉の受け手)に働き掛け,行動するように促す働きのことである。

 「読め」,「読もう」などの命令や呼び掛けの表現,「本を読んでいただけませんか」といった敬語など,様々な表現で表される。

 日頃使用している言葉を見つめ直すことが,言語能力の向上につながることを実感することが重要である。

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 指導に当たっては,例えば,

〔知識及び技能〕の(1)
「カ 敬語の働きについて理解し,
 話や文章の中で使うこと。」や,

〔思考力,判断力,表現力等〕の
「B 書くこと」の(2)
「イ 社会生活に必要な
 手紙や電子メールを書くなど,
 伝えたいことを
 相手や媒体を考慮して書く活動。」

などとの関連を図ることが考えられる。

 
 

(1)言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

イ 話し言葉と書き言葉の特徴について理解すること。

[小学校第5学年及び第6学年]

イ 話し言葉と書き言葉との違いに気付くこと。

ウ 文や文章の中で漢字と仮名を適切に使い分けるとともに,送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書くこと。

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[第1学年]

ア 音声の働きや仕組みについて,理解を深めること。

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[第2学年]

イ 話し言葉と書き言葉の特徴について理解すること。

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[第3学年]

イ 話し言葉と書き言葉の特徴について理解すること。

 小学校第5学年及び第6学年のイ及び第1学年のアを受けて,音声言語としての話し言葉と文字言語としての書き言葉の特徴について理解することを示している。

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 話し言葉は,

相手(聞き手)の反応やその場の状況などの影響を強く受けながら理解されたり表現されたりするものである。

 また,音声として,即時的に消えていくことも話し言葉の特徴である。

 書き言葉は,

話し言葉のように相手(読み手)の反応を得ながら表現を変えることはできないが,書き手が十分に考え推敲を重ねて文章を作成したり,読み手が必要なときに読み返したりすることができるなどの特徴がある。

 このようなことに留意して,話し言葉と書き言葉とを適切に使えるようにすることが重要である。

 
 

(1)言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ウ 第1学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字のうち350字程度から450字程度までの漢字を読むこと。

 また,学年別漢字配当表に示されている漢字を書き,文や文章の中で使うこと。

[小学校第5学年及び第6学年]

エ 第5学年及び第6学年の各学年においては,学年別漢字配当表の当該学年までに配当されている漢字を読むこと。

 また,当該学年の前の学年までに配当されている漢字を書き,文や文章の中で使うとともに,当該学年に配当されている漢字を漸次書き,文や文章の中で使うこと。

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[第1学年]

イ 小学校学習指導要領第2章第1節国語の学年別漢字配当表(以下「学年別漢字配当表」という。)に示されている漢字に加え,その他の常用漢字のうち300字程度から400字程度までの漢字を読むこと。

 また,学年別漢字配当表の漢字のうち900字程度の漢字を書き,文や文章の中で使うこと。

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[第2学年]

ウ 第1学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字のうち350字程度から450字程度までの漢字を読むこと。

 また,学年別漢字配当表に示されている漢字を書き,文や文章の中で使うこと。

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[第3学年]

ア 第2学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字の大体を読むこと。

 また,学年別漢字配当表に示されている漢字について,文や文章の中で使い慣れること。

ウ 第1学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字のうち350字程度から450字程度までの漢字を読むこと。

 また,学年別漢字配当表に示されている漢字を書き,文や文章の中で使うこと。

 漢字の読みについては,第1学年までに学習した常用漢字に加え,更に350字程度から450字程度までの漢字を読むこととしている。

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 漢字の書きについては,第1学年で学習した900字程度の漢字を含め,学年別漢字配当表に示している1,026字の漢字を文や文章の中で使うことを求めている。

 
 

(1)言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

エ 抽象的な概念を表す語句の量を増すとともに,類義語と対義語,同音異義語や多義的な意味を表す語句などについて理解し,話や文章の中で使うことを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。

[小学校第5学年及び第6学年]

オ 思考に関わる語句の量を増し,話や文章の中で使うとともに,語句と語句との関係,語句の構成や変化について理解し,語彙を豊かにすること。

 また,語感や言葉の使い方に対する感覚を意識して,語や語句を使うこと。

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[第1学年]

ウ 事象や行為,心情を表す語句の量を増すとともに,語句の辞書的な意味と文脈上の意味との関係に注意して話や文章の中で使うことを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。

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[第2学年]

エ 抽象的な概念を表す語句の量を増すとともに,類義語と対義語,同音異義語や多義的な意味を表す語句などについて理解し,話や文章の中で使うことを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。

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[第3学年]

イ 理解したり表現したりするために必要な語句の量を増し,慣用句や四字熟語などについて理解を深め,話や文章の中で使うとともに,和語,漢語,外来語などを使い分けることを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。

エ 抽象的な概念を表す語句の量を増すとともに,類義語と対義語,同音異義語や多義的な意味を表す語句などについて理解し,話や文章の中で使うことを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。

 抽象的な概念を表す語句とは,

第1学年で学習した「事象や行為」を表す語句よりも,一般的で抽象性の高い語句である。

 ここでは,小学校第5学年及び第6学年のオの「思考に関わる語句」の学習も踏まえ,抽象的な概念を表す語句の量を増すことを求めている。

 その際,話や文章の中でどのように使用されているか,自分が理解したり表現したりするときにどのように用いればよいかについて考えることが重要である。

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 類義語とは,

別の語でありながら,その表す意味が似ていたり,ほとんど同一であったりする語をいう。

 語が異なれば,その意味や用法には違いがある。

 その違いが微妙であればあるほど,それに気付くためには磨かれた語感が必要である。

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 対義語とは,

意味の上で互いに反対の関係にある語をいう。

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 同音異義語とは,

音が同一であって意味の異なる語であり,漢語に多い。

 書き言葉ではそれぞれの識別も難しくはないが,話し言葉の場合は意味内容の伝達に混乱が生じやすいので,常に注意する必要がある。

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 多義的な意味を表す語句とは,

一つの語句が多くの意味をもつものを指し,文脈に沿って,その語句の意味を吟味することが重要である。

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 第2学年においては,特に,これらの語句に注目し,話や文章の中で使うことが求められる。

 類義語や対義語などについては,小学校第5学年及び第6学年のオの「語句と語句との関係」においても扱われている。

 そのことを踏まえ,学習してきた語句について,それぞれの意味を類義関係や対義関係から改めて理解することも大切である。

 その他,ある語が他の語と含み含まれる関係にある語として上位語・下位語があるが,これは具体的な内容を抽象的な概念でまとめる際などに用いられるものである。

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 語感を磨き語彙を豊かにするためには,こうした語句を話や文章の中で使うことを通して,語句の量を増すとともに,語句についての理解を深めることが重要である。

 
 

(1)言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

オ 単語の活用,助詞や助動詞などの働き,文の成分の順序や照応など文の構成について理解するとともに,話や文章の構成や展開について理解を深めること。

[小学校第5学年及び第6学年]

カ 文の中での語句の係り方や語順,文と文との接続の関係,話や文章の構成や展開,話や文章の種類とその特徴について理解すること。

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[第1学年]

エ 単語の類別について理解するとともに,指示する語句と接続する語句の役割について理解を深めること。

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[第2学年]

オ 単語の活用,助詞や助動詞などの働き,文の成分の順序や照応など文の構成について理解するとともに,話や文章の構成や展開について理解を深めること。

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[第3学年]

ウ 話や文章の種類とその特徴について理解を深めること。

オ 単語の活用,助詞や助動詞などの働き,文の成分の順序や照応など文の構成について理解するとともに,話や文章の構成や展開について理解を深めること。

 単語の活用を理解することについては,

小学校第3学年及び第4学年のウの「送り仮名の付け方」,第1学年のエの「単語の類別」に関する学習を踏まえることが必要である。

 単語の類別と関連付けながら,自立語で活用があり単独で述語になる単語,自立語で活用がなく主語になる単語,自立語で活用がなく主語にならない単語,付属語で活用がある単語,付属語で活用がない単語などについて理解することが求められる。

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 助詞や助動詞などの働きについて理解するとは,

文における付属語の働きなどについて理解することである。

助詞は,
単語と単語との関係を示したり,
意味を添えたりする働きをもつ品詞
である。

助動詞は,
意味を付け加え叙述を助けたり,
判断を示したりする品詞
である。

 このような助詞や助動詞を使うことによって,互いの伝え合いたい微妙なニュアンスを,相手によりよく伝えることができることに気付かせることが重要である。

 また,「について」,「に関して」などの助詞と同じ働きをもつ語句や,「かもしれない」,「に違いない」などの助動詞と同じ働きをもつ語句について,文脈の中でどのような働きをしているかに注意して,話や文章の中で使うことができるようにすることが重要である。

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 文の成分の順序とは,

文を組み立てている主語,述語,修飾語,接続語,独立語などの並ぶ順序,つまり語順のことをいう。

 照応には,

主語と述語との照応や修飾語と被修飾語との照応などがある。

 つまり,

文の成分の順序や照応など文の構成について理解するとは,

語順や語の照応によって表現がどのように変わってくるかを,様々な文型について考え,理解することであり,これを通して文の成分の順序や照応などの文の構成について着目させることが重要である。

 また,日本語と外国語とを比較し,それぞれを相対的に捉えることによって,日本語の文の構成についての気付きを促すことも考えられる。

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 話や文章の構成や展開とは,

「序論−本論−結論」や「頭括型」,「尾括型」,「双括型」などを指す。頭括型は,統括する内容を冒頭部に位置付ける形式,尾括型は終結部に位置付ける形式,双括型は冒頭部・終結部の双方に位置付ける形式を指す。

 小学校での学習を踏まえ,〔思考力,判断力,表現力等〕の「A 話すこと・聞くこと」,「B 書くこと」,「C 読むこと」の指導事項などとの関連を図り,相手や目的に応じて話や文章の構成や展開を考えられるようにすることが重要である。

 
 

(1)言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

カ 敬語の働きについて理解し,話や文章の中で使うこと。

[小学校第5学年及び第6学年]

キ 日常よく使われる敬語を理解し使い慣れること。

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[第1学年]

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[第2学年]

カ 敬語の働きについて理解し,話や文章の中で使うこと。

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[第3学年]

エ 敬語などの相手や場に応じた言葉遣いを理解し,適切に使うこと。

カ 敬語の働きについて理解し,話や文章の中で使うこと。

 小学校第5学年及び第6学年のキを受けて,敬語とその働きについて理解し使うことを示している。

 中学校においては,敬語に関する個々の体験的な知識を整理して体系付けるとともに,人間関係の形成や維持における敬語のもつ働きを理解する必要がある。

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 具体的には,基本となる尊敬語,謙譲語,丁寧語について理解することが求められる。

 なお,文化審議会答申「敬語の指針」(平成19年)に示されている尊敬語,謙譲語T,謙譲語U(丁重語),丁寧語,美化語の5種類については,生徒の発達や学習の状況に応じて取り上げることも考えられる。

 相手や場面に応じて適切に使い分けることができるようにすることが重要である。

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 指導に当たっては,例えば,〔思考力,判断力,表現力等〕の「B 書くこと」の(2)「イ 社会生活に必要な手紙や電子メールを書くなど,伝えたいことを相手や媒体を考慮して書く活動。」などとの関連を図り,指導の効果を高めることが考えられる。

 
 
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