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(1)書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 目的や意図に応じて,社会生活の中から題材を決め,多様な方法で集めた材料を整理し,伝えたいことを明確にすること。

イ 伝えたいことが分かりやすく伝わるように,段落相互の関係などを明確にし,文章の構成や展開を工夫すること。

ウ 根拠の適切さを考えて説明や具体例を加えたり,表現の効果を考えて描写したりするなど,自分の考えが伝わる文章になるように工夫すること。

エ 読み手の立場に立って,表現の効果などを確かめて,文章を整えること。

オ 表現の工夫とその効果などについて,読み手からの助言などを踏まえ,自分の文章のよい点や改善点を見いだすこと。

(2)(1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。

ア 多様な考えができる事柄について意見を述べるなど,自分の考えを書く活動。

イ 社会生活に必要な手紙や電子メールを書くなど,伝えたいことを相手や媒体を考慮して書く活動。

ウ 短歌や俳句,物語を創作するなど,感じたことや想像したことを書く活動。

 
 

(1)書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 目的や意図に応じて,社会生活の中から題材を決め,多様な方法で集めた材料を整理し,伝えたいことを明確にすること。

[小学校第5学年及び第6学年]

ア 目的や意図に応じて,感じたことや考えたことなどから書くことを選び,集めた材料を分類したり関係付けたりして,伝えたいことを明確にすること。

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[第1学年]

ア 目的や意図に応じて,日常生活の中から題材を決め,集めた材料を整理し,伝えたいことを明確にすること。

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[第2学年]

ア 目的や意図に応じて,社会生活の中から題材を決め,多様な方法で集めた材料を整理し,伝えたいことを明確にすること。

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[第3学年]

ア 目的や意図に応じて,社会生活の中から題材を決め,集めた材料の客観性や信頼性を確認し,伝えたいことを明確にすること。

ア 目的や意図に応じて,社会生活の中から題材を決め,多様な方法で集めた材料を整理し,伝えたいことを明確にすること。

 全学年を通して,目的や意図に応じて,伝えたいことを明確にすることを示している。

 第2学年では,題材を求める範囲を,地域社会の中で見聞きしたことや,テレビや新聞などの様々な媒体を通じて伝えられることなど社会生活全般へと広げている。

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 材料を集める多様な方法としては,

第1学年において示した方法に加え,学校図書館や地域の図書館,公共施設などを利用して幅広く情報を収集したり,インタビューやアンケートで当事者の声を集めたりすることなどが考えられる。

 多様な方法で材料を集める中で,想定していなかった情報に出合うなどした場合には,それまでの考えを改めたり別の角度から検討したりすることが重要である。

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 集めた材料を整理する際には,目的や意図に応じた観点を設け,比較,分類,関係付けなどをしながら考えをまとめ,伝えたいことを明確にしていくことが重要である。

 
 

(1)書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

イ 伝えたいことが分かりやすく伝わるように,段落相互の関係などを明確にし,文章の構成や展開を工夫すること。

[小学校第5学年及び第6学年]

イ 筋道の通った文章となるように,文章全体の構成や展開を考えること。

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[第1学年]

イ 書く内容の中心が明確になるように,段落の役割などを意識して文章の構成や展開を考えること。

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[第2学年]

イ 伝えたいことが分かりやすく伝わるように,段落相互の関係などを明確にし,文章の構成や展開を工夫すること。

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[第3学年]

イ 文章の種類を選択し,多様な読み手を説得できるように論理の展開などを考えて,文章の構成を工夫すること。

イ 伝えたいことが分かりやすく伝わるように,段落相互の関係などを明確にし,文章の構成や展開を工夫すること。

 第1学年のイを受けて,伝えたいことが分かりやすく伝わるように,文章の構成や展開を工夫することを示している。

 第2学年では,段落相互の関係などを明確にすることに重点を置いている。

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 段落相互の関係には,

累加,並立,対比,転換といった関係,具体と抽象,結論と根拠,概説と詳説といった関係などがある。

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 文章の構成や展開には,

例えば,「序論−本論−結論」や「頭括型」,「尾括型」,「双括型」などがある。

 このような基本的な文章の構成や展開,段落相互の関係などに即して,どのように段落を設けるか,設けた段落をどのような順序で展開するかなどについて考えることが重要である。

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 なお,物語を書く場合には,伝えたい事柄がどのように推移し展開したのかが明確になるように,場面や登場人物などの設定や事件の発端,山場,結末などの文章の構成を考えて書くことが重要である。

 指導に当たっては,例えば,〔知識及び技能〕の(1)オの「話や文章の構成や展開について理解を深めること。」などとの関連を図ることが考えられる。

 
 

(1)書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ウ 根拠の適切さを考えて説明や具体例を加えたり,表現の効果を考えて描写したりするなど,自分の考えが伝わる文章になるように工夫すること。

[小学校第5学年及び第6学年]

ウ 目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりするとともに,事実と感想,意見とを区別して書いたりするなど,自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫すること。

エ 引用したり,図表やグラフなどを用いたりして,自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫すること。

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[第1学年]

ウ 根拠を明確にしながら,自分の考えが伝わる文章になるように工夫すること。

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[第2学年]

ウ 根拠の適切さを考えて説明や具体例を加えたり,表現の効果を考えて描写したりするなど,自分の考えが伝わる文章になるように工夫すること。

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[第3学年]

ウ 表現の仕方を考えたり資料を適切に引用したりするなど,自分の考えが分かりやすく伝わる文章になるように工夫すること。

ウ 根拠の適切さを考えて説明や具体例を加えたり,表現の効果を考えて描写したりするなど,自分の考えが伝わる文章になるように工夫すること。

 全学年を通して,自分の考えが伝わる文章になるように工夫することを示している。

 第2学年では,特に,根拠の適切さを考えて説明や具体例を加えたり,表現の効果を考えて描写したりすることなどを求めている。

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 根拠の適切さを考えるとは,

書こうとする根拠が自分の考えを支えるものであるかどうかを検討することであり,その根拠が確かな事実や事柄に基づいたものであること,自分の考えが事実や事柄に対する適当な解釈から導き出されていることなどが,適切さを考える観点となる。

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 説明や具体例を加えるとは,

説得力を増すために,考えや意見の根拠となることを具体的に記述することである。

 描写とは,

物事の様子や場面,行動や心情などを,読み手が言葉を通して具体的に想像できるよう描くことであり,情景描写,人物描写などがある。

 表現の効果を考えて描写するとは,

その語句や表現が,文章の内容を伝えたり印象付けたりする上で,どのように働いているかを考えながら,より効果的な語句や表現を選んで描写することである。

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 こうした工夫を積み重ねて,自分の考えがよりよく伝わるようにすることが重要である。

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 指導に当たっては,例えば,〔知識及び技能〕の(1)オの「文の成分の順序や照応など文の構成について理解する」ことなどとの関連を図ることが考えられる。

 
 

(1)書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

エ 読み手の立場に立って,表現の効果などを確かめて,文章を整えること。

[小学校第5学年及び第6学年]

オ 文章全体の構成や書き表し方などに着目して,文や文章を整えること。

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[第1学年]

エ 読み手の立場に立って,表記や語句の用法,叙述の仕方などを確かめて,文章を整えること。

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[第2学年]

エ 読み手の立場に立って,表現の効果などを確かめて,文章を整えること。

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[第3学年]

エ 目的や意図に応じた表現になっているかなどを確かめて,文章全体を整えること。

エ 読み手の立場に立って,表現の効果などを確かめて,文章を整えること。

 第1学年及び第2学年ともに,読み手の立場に立って文章を整えることについて示している。

 第2学年では,特に,表現の効果などについて確かめることを求めている。

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 表現の効果などを確かめるとは,

自分の考えを伝えたり印象付けたりする上で,書いた文章の表現がどのように働いているかなどを確かめることである。

 特に,説明や具体例,描写などに着目して,これらの表現が,自分の考えを明確に伝えるために機能しているか,どのような効果を生んでいるかなどについて読み手の立場から検討し,その上で誤解のない表現やより効果的な表現にしていくことが重要である。

 
 

(1)書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

オ 表現の工夫とその効果などについて,読み手からの助言などを踏まえ,自分の文章のよい点や改善点を見いだすこと。

[小学校第5学年及び第6学年]

カ 文章全体の構成や展開が明確になっているかなど,文章に対する感想や意見を伝え合い,自分の文章のよいところを見付けること。

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[第1学年]

オ 根拠の明確さなどについて,読み手からの助言などを踏まえ,自分の文章のよい点や改善点を見いだすこと。

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[第2学年]

オ 表現の工夫とその効果などについて,読み手からの助言などを踏まえ,自分の文章のよい点や改善点を見いだすこと。

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[第3学年]

オ 論理の展開などについて,読み手からの助言などを踏まえ,自分の文章のよい点や改善点を見いだすこと。

オ 表現の工夫とその効果などについて,読み手からの助言などを踏まえ,自分の文章のよい点や改善点を見いだすこと。

 全学年を通して,読み手からの助言などを踏まえ,自分の文章のよい点や改善点を見いだすことを示している。

 第2学年では,特に,表現の工夫とその効果などの観点からよい点や改善点を見いだすことを求めている。

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 具体的には,書き手が目的と意図に応じてどのような表現の工夫をし,それはどのような効果があったかなどについて検討することが考えられる。

 また,どのように改善するとよいかなど,次の自分の書く活動へ生かす具体的な視点を得ることも重要である。

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 表現の工夫としては,

説明や具体例,事物の描写の仕方,表現の技法,文末表現や敬語などの語句の用法などに着目することが考えられるが,着目した表現について,どのような理由で効果的なのか,どのように書けばより効果があるのかなどを具体的に考えることが重要である。

 
 

(2)(1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。

ア 多様な考えができる事柄について意見を述べるなど,自分の考えを書く活動。

イ 社会生活に必要な手紙や電子メールを書くなど,伝えたいことを相手や媒体を考慮して書く活動。

ウ 短歌や俳句,物語を創作するなど,感じたことや想像したことを書く活動。

[第1学年]

ア 本や資料から文章や図表などを引用して説明したり記録したりするなど,事実やそれを基に考えたことを書く活動。

イ 行事の案内や報告の文章を書くなど,伝えるべきことを整理して書く活動。

ウ 詩を創作したり随筆を書いたりするなど,感じたことや考えたことを書く活動。

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[第2学年]

ア 多様な考えができる事柄について意見を述べるなど,自分の考えを書く活動。

イ 社会生活に必要な手紙や電子メールを書くなど,伝えたいことを相手や媒体を考慮して書く活動。

ウ 短歌や俳句,物語を創作するなど,感じたことや想像したことを書く活動。

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[第3学年]

ア 関心のある事柄について批評するなど,自分の考えを書く活動。

イ 情報を編集して文章にまとめるなど,伝えたいことを整理して書く活動。

ア 多様な考えができる事柄について意見を述べるなど,自分の考えを書く活動。

 多様な考えができる事柄について自分の意見をもち,自分の考えを書く言語活動を例示している。

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 多様な考えができる事柄とは,

立場によって意見が分かれる問題や,一つの結論に収れんされず,様々な結論を導くことができる話題などのことである。

 そうした事柄について,自分の意見や提案を述べる文章を書くことなどが考えられる。

イ 社会生活に必要な手紙や電子メールを書くなど,伝えたいことを相手や媒体を考慮して書く活動。

 社会生活で求められる,伝えたいことを相手や媒体を考慮して書く言語活動を例示している。

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 例えば,お世話になっている相手に案内や連絡,報告をしたりお礼を伝えたりする文章を書くこと,情報を収集する際に,依頼や質問の手紙や電子メールを送ることなどが考えられる。

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 また,インターネットや携帯電話,スマートフォンによる連絡や交流の特徴である匿名性や即時性,文章量の制限などが,子供たちの人間関係に影響している場合もある。

 相手や媒体を考慮して書くとは,

こうした状況等を踏まえ,自分の発信した情報がどう受け止められるかを想像したり,相手の状況や媒体の特性などを考慮したりして書くことである。

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 手紙の形式については小学校で学習しているが,中学校でも改めて学習することになる。

 はがきや便箋などに手紙を書く際は,書写の指導との関連を図ることも考えられる。

ウ 短歌や俳句,物語を創作するなど,感じたことや想像したことを書く活動。

 感じたことや想像したことを書く言語活動を例示している。

 短歌や俳句,物語を創作する際には,

題材をどう捉えるか,どのような言葉を使って描写するかなどに,書き手のものの見方や感性が表れるものである。

 特に,短歌や俳句の創作では,限られた音数の中でどのように描写するかを考え,様々な言葉や表現を工夫することが必要となる。

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 また,物語を創作する際には,登場人物や場面,状況等を設定し,発端から結末までの展開を考えて書くことのほかに,それまでに読んだことのある物語の構成や展開を参考に書くこと,与えられた設定の中で展開を膨らませて書くこと,自分の経験を基に書くことなどが考えられる。

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 短歌や俳句,物語については,「C 読むこと」で学習した作品などを参考にすることも考えられる。

 また,俳句を創作する際には,歳時記などの活用が考えられる。

 
 
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