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(3)我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 歴史的背景などに注意して古典を読むことを通して,その世界に親しむこと。

イ 長く親しまれている言葉や古典の一節を引用するなどして使うこと。

ウ 時間の経過による言葉の変化や世代による言葉の違いについて理解すること。

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア)身の回りの多様な表現を通して文字文化の豊かさに触れ,効果的に文字を書くこと。

オ 自分の生き方や社会との関わり方を支える読書の意義と効用について理解すること。

 
 

(3)我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 歴史的背景などに注意して古典を読むことを通して,その世界に親しむこと。

イ 長く親しまれている言葉や古典の一節を引用するなどして使うこと。

[小学校第5学年及び第6学年]

ア 親しみやすい古文や漢文,近代以降の文語調の文章を音読するなどして,言葉の響きやリズムに親しむこと。

イ 古典について解説した文章を読んだり作品の内容の大体を知ったりすることを通して,昔の人のものの見方や感じ方を知ること。

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[第1学年]

ア 音読に必要な文語のきまりや訓読の仕方を知り,古文や漢文を音読し,古典特有のリズムを通して,古典の世界に親しむこと。

イ 古典には様々な種類の作品があることを知ること。

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[第2学年]

ア 作品の特徴を生かして朗読するなどして,古典の世界に親しむこと。

イ 現代語訳や語注などを手掛かりに作品を読むことを通して,古典に表れたものの見方や考え方を知ること。

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[第3学年]

ア 歴史的背景などに注意して古典を読むことを通して,その世界に親しむこと。

イ 長く親しまれている言葉や古典の一節を引用するなどして使うこと。

ア 歴史的背景などに注意して古典を読むことを通して,その世界に親しむこと。

 古典作品には,その背景となる歴史的な状況が存在する。

 それを踏まえた上で古典を読むことで,作品の世界をより深く,広く理解することが可能になる。

 また,舞台となっている時代の様子や作者が置かれていた状況などを知ることで,作品の世界をより実感的,具体的に捉えることもできる。

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 歴史的背景については,

作品の理解に役立つ事柄を精選して取り上げるようにすることが必要である。

 例えば,作品を解説した文章や映像メディアなどを活用することなどが考えられる。

 なお,作品の歴史的背景などを扱うのは,教材として取り上げた古典の世界への興味・関心を高めたり,内容の理解を助けたりするためであることに留意する必要がある。

イ 長く親しまれている言葉や古典の一節を引用するなどして使うこと。

 長く親しまれている言葉とは,

ことわざや慣用句,故事成語を含め,世に広く知られている文学的な文章や韻文等にある言葉や一節のことである。

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 小学校第1学年及び第2学年の
「イ 長く親しまれている言葉遊びを通して,言葉の豊かさに気付くこと。」,

第3学年及び第4学年の
「イ 長い間使われてきたことわざや慣用句,故事成語などの意味を知り,使うこと。」

を受けて,このような言葉の意味を理解することで生徒が一層言葉に興味をもち積極的に使うことができるようにすることが大切である。

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 引用するなどして使うこととしては,

例えば,その言葉や一節を基に感想文や作品を紹介する文章を書くこと,スピーチをすること,手紙を書くこと,座右の銘を書くことなどが考えられる。

 このような活動を通して,長く親しまれている言葉や古典の一節を話や文章に取り入れていくことが重要である。

 そのことが,我が国の言語文化であることわざや慣用句,古典などに一層親しむ態度を育てるとともに,我が国の伝統や文化についての関心を深め,これを継承・発展させようとする態度の育成にもつながる。

 
 

(3)我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ウ 時間の経過による言葉の変化や世代による言葉の違いについて理解すること。

[小学校第5学年及び第6学年]

ウ 語句の由来などに関心をもつとともに,時間の経過による言葉の変化や世代による言葉の違いに気付き,共通語と方言との違いを理解すること。

 また,仮名及び漢字の由来,特質などについて理解すること。

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[第1学年]

ウ 共通語と方言の果たす役割について理解すること。

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[第2学年]

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[第3学年]

ウ 時間の経過による言葉の変化や世代による言葉の違いについて理解すること。

ウ 時間の経過による言葉の変化や世代による言葉の違いについて理解すること。

 小学校第5学年及び第6学年のウの「時間の経過による言葉の変化や世代による言葉の違いに気付」くことを受けて,時間の経過や世代による言葉の変化や違いについて理解することを示している。

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 言葉は,時間の経過により語形や語意などが変化していくという側面をもっている。

 この変化の側面は,古典だけでなく,最近の言葉においても認めることができる。

 ここでは,言葉のもつこのような性質に気付かせることで,日頃,自分たちが使っている言葉に対する興味・関心を喚起するとともに,理解や認識を深めて通時的な言葉の変化に対する意識をもたせるようにすることが重要である。

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 また,言葉は使用する世代によっても,語形や語意が異なったり使用する語彙などに差異があったりする場合がある。

 例えば,若者又は年配者など,特定の年代に限って使われる言葉が存在したり,一人の人間でも,年代が変わることによって使用する言葉が通時的に変化したりする場合もある。

 また,最初は限られた範囲で使用されていた言葉が,広く一般に用いられるようになる例も見られる。

 このような点に着目することを通して,言葉というものが生活と密接に関連していることを実感することが重要である。

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 指導に当たっては,例えば,

〔知識及び技能〕の(1)
「イ 理解したり表現したりするために必要な語句の量を増し,慣用句や四字熟語などについて理解を深め,話や文章の中で使うとともに,和語,漢語,外来語などを使い分けることを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。」,

〔知識及び技能〕の(3)
「ア 歴史的背景などに注意して古典を読むことを通して,その世界に親しむこと。」

などとの関連を図ることが考えられる。

 
 

(3)我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア)身の回りの多様な表現を通して文字文化の豊かさに触れ,効果的に文字を書くこと。

[小学校第5学年及び第6学年]

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 用紙全体との関係に注意して,文字の大きさや配列などを決めるとともに,書く速さを意識して書くこと。

(イ) 毛筆を使用して,穂先の動きと点画のつながりを意識して書くこと。

(ウ) 目的に応じて使用する筆記具を選び,その特徴を生かして書くこと。

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[第1学年]

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 字形を整え,文字の大きさ,配列などについて理解して,楷書で書くこと。

(イ) 漢字の行書の基礎的な書き方を理解して,身近な文字を行書で書くこと。

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[第2学年]

ウ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 漢字の行書とそれに調和した仮名の書き方を理解して,読みやすく速く書くこと。

(イ) 目的や必要に応じて,楷書又は行書を選んで書くこと。

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[第3学年]

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 身の回りの多様な表現を通して文字文化の豊かさに触れ,効果的に文字を書くこと。

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

 小学校の各学年における書写に関する事項及び中学校第1学年のエ,第2学年のウを受けて,書写に関する(ア)の事項を理解し使うことを示している。

(ア) 身の回りの多様な表現を通して文字文化の豊かさに触れ,効果的に文字を書くこと。

 自分の身の回りにある多様な表現を通して文字文化の豊かさに触れ,その理解を基に表現の効果を考えながら文字を書くことを示している。

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 文字文化とは,

上代から近現代まで継承され,現代において実社会・実生活の中で使われている文字の文化であり,我が国の伝統や文化の中で育まれてきたものである。

 文字文化には,文字の成り立ちや歴史的背景といった文字そのものの文化と,社会や文化における文字の役割や意義,表現と効果,用具・用材と書き方との関係といった文字を書くことについての文化の両面がある。

 身の回りの多様な表現とは,

身の回りの生活の中にある言葉に関する多様な表現のことである。

 文字の表現について言えば,手書き文字をはじめ,活字やイラスト文字,デザイン文字などの社会生活で使用されている多様な書体や字形の文字全般のことである。

 そうした身の回りの多様な表現を通して文字文化の豊かさに触れさせることで,
文字を手書きすることの意義に気付かせ,併せて,文字文化に関する認識を改めて形成させるとともに,主体的な文字の使い手になるきっかけをもたせることを求めている。

 また,多様な文字やその表現の在り方に関心をもたせることで,文字の芸術性に関心を向ける素地を養い,高等学校芸術科書道への接続も見通している。

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 効果的に文字を書くとは,

文字の伝達性や表現性などを考えながら目的や必要に応じて書くことである。

 身の回りの多様な表現に関心をもちながら,字形を正しく整える能力,配列などを整える能力,速く書く能力,楷書や行書を使い分ける能力,筆記具などを選択する能力など,小学校からこれまでに身に付けてきた書写の能力を総合的に発揮させ,実社会・実生活の中で文字を書くことを工夫し,様々に書き分けることができるように指導する。

 
 

(3)我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

オ 自分の生き方や社会との関わり方を支える読書の意義と効用について理解すること。

[小学校第5学年及び第6学年]

オ 日常的に読書に親しみ,読書が,自分の考えを広げることに役立つことに気付くこと。

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[第1学年]

オ 読書が,知識や情報を得たり,自分の考えを広げたりすることに役立つことを理解すること。

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[第2学年]

エ 本や文章などには,様々な立場や考え方が書かれていることを知り,自分の考えを広げたり深めたりする読書に生かすこと。

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[第3学年]

オ 自分の生き方や社会との関わり方を支える読書の意義と効用について理解すること。

オ 自分の生き方や社会との関わり方を支える読書の意義と効用について理解すること。

 第1学年のオ,第2学年のエを受けて,自分の生き方や社会との関わり方を支える読書の意義と効用について理解することを示している。

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 読書は,今後どのように社会と関わっていくのか,どのような人生を送ろうとするのかを考え,判断していく参考となるだけでなく,自分の生き方や社会と自分との関わり方を支えるものにもなる。

 義務教育修了段階である第3学年においては,新しい知識を得たり,自分の考えを広げたり深めたりすることを通して,読書をすることの意味を実感させることが重要である。

 読書が自分の生き方や社会との関わり方を支えてくれることを実感することが,生涯にわたる読書活動の基盤となる。

 
 
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