cosnavi.jp

2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

(1)〔知識及び技能〕に示す事項については,次のとおり取り扱うこと。

ア 日常の言語活動を振り返ることなどを通して,生徒が,実際に話したり聞いたり書いたり読んだりする場面を意識できるよう指導を工夫すること。

 〔知識及び技能〕に示す事項の取扱いを示している。

---------------------------------

 〔知識及び技能〕に示す事項は,個別の事実的な知識や,一定の手順や段階を追って身に付く技能のみを指すものではないため,実際に話したり聞いたり書いたり読んだりする場面において,生きて働く「知識及び技能」として習得することが求められる。

---------------------------------

 そのため,指導に当たっては,生徒が,日常の言語活動の中にある言葉の特徴やきまりなどに気付くことや,学習したことを日常の話したり聞いたり書いたり読んだりする場面に生かすことを意識しながら学習できるようにすることが重要である。

 
 

イ 漢字の指導については,第2の内容に定めるほか,次のとおり取り扱うこと。

(ア)他教科等の学習において必要となる漢字については,当該教科等と関連付けて指導するなど,その確実な定着が図られるよう工夫すること。

 漢字に関する事項の取扱いを示している。

---------------------------------

 小学校と同様に,他教科等の学習に必要となる漢字については,指導する時期や内容を意図的,計画的に位置付けるなど,当該教科等と関連付けた指導を行い,その確実な定着を図ることが求められる。

 
 

ウ 書写の指導については,第2の内容に定めるほか,次のとおり取り扱うこと。

(ア) 文字を正しく整えて速く書くことができるようにするとともに,書写の能力を学習や生活に役立てる態度を育てるよう配慮すること。

(イ) 硬筆を使用する書写の指導は各学年で行うこと。

(ウ) 毛筆を使用する書写の指導は各学年で行い,硬筆による書写の能力の基礎を養うよう指導すること。

(エ) 書写の指導に配当する授業時数は,第1学年及び第2学年では年間20単位時間程度,第3学年では年間10単位時間程度とすること。

 書写に関する事項の取扱いを示している。

 (ア)は,書写の指導におけるねらいを明確にしたものである。

 中学校では,文字を正確に読みやすく書くことができるという,文字の伝達性を重視した指導が求められる。

 その際,正しく整えてはひとまとまりの言葉であるとして考える必要がある。

 また,速くは,中学校における書写の中心的な学習内容となる漢字の行書及びそれに調和した仮名を書くことのねらいである。

 漢字の楷書及びそれに調和した仮名についても,正しく整えて速く書くことができるようにすることが必要である。

---------------------------------

 その上で,書写の学習で身に付けた資質・能力を,各教科等の学習や生活の様々な場面で積極的に生かす態度を育成することを求めている。

 様々な場面とは,例えば,学習した内容をノートに書いたり調べたことを模造紙にまとめたりすること,親しい人に手紙を書くことなどが考えられる。

 また,我が国の伝統文化である書き初めに取り組むことなどを通して,書写の能力が生活の中の様々な行事に生きていることを実感することも大切である。

 (イ)及び(ウ)は,硬筆及び毛筆を使用する書写の指導は各学年で行うことを示している。

 その上で(ウ)は,毛筆を使用する書写の指導が,硬筆による書写の能力の基礎を養うことをねらいとしていることを明確にしたものである。

 このことは,我が国の豊かな文字文化を理解し,継承,創造していくための基礎ともなる。

 硬筆による書写の能力の基礎を養うために,毛筆による書写の指導が一層効果的に働くことが求められる。

 また,各学年に示した書写の授業時数に応じて,毛筆を使用する書写の指導と硬筆を使用する書写の指導との割合を各学校と生徒の実態に即して,適切に設定することが求められる。

 (エ)では,書写の配当時数について,第1学年及び第2学年では年間20単位時間程度,第3学年では年間10単位時間程度とすることを示している。

 指導計画の作成に当たり,書写の指導を取り上げて計画する場合には,〔知識及び技能〕や〔思考力,判断力,表現力等〕の指導と関連させた指導計画になるよう配慮することが重要である。

 
 

(2)第2の内容の指導に当たっては,生徒がコンピュータや情報通信ネットワークを積極的に活用する機会を設けるなどして,指導の効果を高めるよう工夫すること。

 コンピュータや情報通信ネットワークの活用について示している。情報化社会の進展を見据え,国語科の学習においても,情報収集や情報発信の手段として,インターネットや電子辞書等の活用,コンピュータによる発表資料の作成やプロジェクターによる提示など,コンピュータや情報通信ネットワークを活用する機会を設けることが重要である。
 
 

(3)第2の内容の指導に当たっては,学校図書館などを目的をもって計画的に利用しその機能の活用を図るようにすること。

 学校図書館は,生徒の読書活動や生徒への読書指導の場である「読書センター」,生徒の学習活動を支援したり授業の内容を豊かにしてその理解を深めたりする「学習センター」,生徒や教職員の情報ニーズに対応したり生徒の情報の収集・選択・活用能力を育成したりする「情報センター」としての機能を有している。

---------------------------------

 〔知識及び技能〕及び〔思考力,判断力,表現力等〕に示す事項の指導に当たっては,本などの種類や配置,探し方など,小学校で学習した内容を踏まえながら,学校図書館などを利用する目的を明確にした上で計画的に利用し,これらの機能の活用を図ることが必要である。

 
 
→ 中学校国語編 目次
→ 小学校国語編 目次
→ 中学校学習指導要領(2017)目次
→ 学習指導要領ナビ
トップページ