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3 教材については,次の事項に留意するものとする。

(1)教材は,第2の各学年の目標及び内容に示す資質・能力を偏りなく養うことや読書に親しむ態度を育成することをねらいとし,生徒の発達の段階に即して適切な話題や題材を精選して調和的に取り上げること。

 また,第2の各学年の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「A 話すこと・聞くこと」,「B 書くこと」及び「C 読むこと」のそれぞれの(2)に掲げる言語活動が十分行われるよう教材を選定すること。

 教科及び各学年の目標,〔知識及び技能〕及び〔思考力,判断力,表現力等〕に示す資質・能力を偏りなく養うことや読書に親しむ態度の育成をねらいとして,教材を選定することを示している。

 生徒の発達の段階に即して適切な話題や題材,話や文章の種類などを調和的に選定し,特に,〔思考力,判断力,表現力等〕においては,各領域の指導が適切に行われるよう,年間を通してバランスよく教材を配当することが重要である。

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 また,〔思考力,判断力,表現力等〕の各領域の指導の充実を図るため,各領域の(2)に例示している言語活動が十分に行われるよう,教材を偏りなく取り上げるように配慮することを示している。

 
 

(2)教材は,次のような観点に配慮して取り上げること。

ア 国語に対する認識を深め,国語を尊重する態度を育てるのに役立つこと。

イ 伝え合う力,思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにするのに役立つこと。

ウ 公正かつ適切に判断する能力や創造的精神を養うのに役立つこと。

エ 科学的,論理的に物事を捉え考察し,視野を広げるのに役立つこと。

オ 人生について考えを深め,豊かな人間性を養い,たくましく生きる意志を育てるのに役立つこと。

カ 人間,社会,自然などについての考えを深めるのに役立つこと。

キ 我が国の伝統と文化に対する関心や理解を深め,それらを尊重する態度を育てるのに役立つこと。

ク 広い視野から国際理解を深め,日本人としての自覚をもち,国際協調の精神を養うのに役立つこと。

 教材選定に当たっては,内容の面でも教材の話題,題材を偏りなく選定するよう,8項目の観点を示している。

 国語を尊重する態度に関わるもの,国語科の目標や内容に関わるもの,生徒の内面的な生き方や豊かな人間性に関わるもの,我が国の伝統と文化に関わるもの,日本人としての自覚をもつことや国際理解や協調に関わるものなどである。

 
 

(3)第2の各学年の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「C 読むこと」の教材については,各学年で説明的な文章や文学的な文章などの文章の種類を調和的に取り扱うこと。

 また,説明的な文章については,適宜,図表や写真などを含むものを取り上げること。

 〔思考力,判断力,表現力等〕の「C 読むこと」の教材について,生徒の発達や学習の状況に応じて,説明的な文章や文学的な文章などの文章の種類を調和的に取り扱うことを示している。

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 また,実生活においては,図表や写真などを伴う文章が多いことから,指導のねらいに応じて,適宜,取り上げることを示している。

 図表や写真などを含むものとは,異なる形式で書かれた文章が組み合わされているもの,概念図や模式図,地図,表,グラフなどの様々な種類の図表や写真を伴う文章が挙げられる。

 これらの関係には,断片的な情報が互いに内容を補完し合っている場合,文章が図表などの解説になっている場合などがある。

 なお,取り上げる場合には,表やグラフの読み取りが学習の中心となるなど,他教科等において行うべき指導とならないよう留意する必要がある。

 
 

(4)我が国の言語文化に親しむことができるよう,近代以降の代表的な作家の作品を,いずれかの学年で取り上げること。

 いずれかの学年で近代以降の代表的な作家の作品を教材として取り上げることについて示している。

 各学年の〔知識及び技能〕の(3)の指導では,古典を教材として取り扱う。

 これにつながる,近代以降の代表的な作家の作品に触れることで,我が国の言語文化について一層理解し,これを継承・発展させる態度を育成することをねらいとしている。

 
 

(5)古典に関する教材については,古典の原文に加え,古典の現代語訳,古典について解説した文章などを取り上げること。

 古典の指導に当たっては,古典の原文に加え,古典の現代語訳や古典について解説した文章などを教材として取り上げることを示している。

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 中学校における古典の指導は,生徒が古典に親しみをもてるようにすることをねらいとしている。

 古典の原文は,古文や漢文特有のリズムを味わったり文語のきまりを知ったりする上で有効であるが,古典の指導は原文でなければ行えないというものではない。

 古典の文章の内容を概括したり古典の文章に関する様々な事柄に触れたりするためには,分かりやすい現代語訳や古典について解説した文章などを教材として適切に取り上げることが必要である。

 
 
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