cosnavi.jp
 今回の改訂では,知・徳・体にわたる「生きる力」を子供たちに育むために「何のために学ぶのか」という各教科等を学ぶ意義を共有しながら,授業の創意工夫や教科書等の教材の改善を引き出していくことができるよう,全ての教科等の目標及び内容が,「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」の三つの柱で再整理された。

 上記の整理を受け,教科の目標は,育成を目指す資質・能力を三つの柱により明確にしつつ,学校教育法第30条第2項の規定等を踏まえ,全体に関わる柱書に示された目標に加えて,
(1)として「知識及び技能」を,
(2)として「思考力,判断力,表現力等」を,
(3)として「学びに向かう力,人間性等」を
示し,目標とすることとされた。

 また,(1)から(3)までに示す資質・能力の育成を目指すに当たり,生徒がどのような学びの過程を経験することが求められるか,さらには,そうした学びの過程において,質の高い深い学びを実現する観点から,各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方を働かせることが求められる。

 また,教科の目標では,どのような学びの過程を通して,どのような資質・能力を育成することを目指すのかを一体的に示すこととされ,社会科においても,中央教育審議会答申において次のような目標の在り方が示された。

(1) A 課題を踏まえた社会科,地理歴史科,公民科の目標の在り方

○ これを踏まえ,社会科,地理歴史科,公民科における教育目標は,従前の目標の趣旨を勘案して「公民としての資質・能力」を育成することを目指し,その資質・能力の具体的な内容を「知識・技能」,「思考力・判断力・表現力等」,「学びに向かう力・人間性等」の三つの柱で示し,別添3‐1のとおり整理する。

 その際,高等学校地理歴史科,公民科では,広い視野に立ち,グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の有為な形成者に必要な公民としての資質・能力を,小・中学校社会科ではその基礎をそれぞれ育成することが必要である。

---------------------------------

○ 資質・能力の具体的な内容としては,

「知識・技能」については,
社会的事象等に関する理解などを図るための知識と社会的事象等について調べまとめる技能として,

「思考力・判断力・表現力等」については,
社会的事象等の意味や意義,特色や相互の関連を考察する力,
社会に見られる課題を把握して,
その解決に向けて構想する力や,
考察したことや構想したことを説明する力,

それらを基に議論する力として,また,
「学びに向かう力・人間性等」については,
主体的に学習に取り組む態度と,
多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵(かん)養される自覚や愛情など

として,それぞれ校種の段階や分野・科目ごとの内容に応じて整理することができる。(別添3‐2,別添3‐3を参照)

 
 

 中学校社会科における目標については,小学校社会科との接続はもちろん,高等学校地理歴史科や公民科との接続も踏まえ,学校種の違いによる発達段階や分野の特質に応じて,柱書と三つの資質・能力からなる目標を設定した。

 その際,従前からの学習指導要領における目標の趣旨を引き継ぎつつ,社会の変化に伴い,中学校社会科学習に求められる状況などを踏まえ,改善を図ることとした。

 具体的には,
小・中学校の一貫性の観点から,
社会科が目指す究極のねらいに当たる文言については,
小学校,中学校とも
グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎
という共通の文言にし,

「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」に関わる(1)から(3)までの目標においては,各分野の特質を表す規定となるよう整理した。

 
 
→ 中学校社会編 目次
→ 小学校社会編 目次
→ 中学校学習指導要領(2017)目次
→ 学習指導要領ナビ
トップページ