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 各教科等の内容については,その項目ごとに生徒が身に付けることが期待される資質・能力を三つの柱に沿って示すこととしつつも,「学びに向かう力,人間性等」については,教科及び分野目標において全体としてまとめて示し,項目ごとには内容を示さないことを基本とし,記述することとした。

 また,この他にも以下の中央教育審議会答申で示された「教育課程の示し方の改善」を踏まえ,記載の体裁を整えることとした。

(2) @ 教育課程の示し方の改善

@)資質・能力を育成する学びの過程についての考え方

○ 三つの柱に沿った資質・能力を育成するためには,課題を追究したり解決したりする活動の充実が求められる。

 社会科においては従前,小学校で問題解決的な学習の充実,中学校で適切な課題を設けて行う学習の充実が求められており,それらの趣旨を踏襲する。

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○ そうした学習活動を充実させるための学習過程の例としては,大きくは課題把握,課題追究,課題解決の三つが考えられる。

 また,それらを構成する活動の例としては,動機付けや方向付け,情報収集や考察・構想,まとめや振り返りなどの活動が考えられる。(別添3‐6を参照)

A)指導内容の示し方の改善

○ 社会科,地理歴史科,公民科の内容については,三つの柱に沿った資質・能力や学習過程の在り方を踏まえて,それらの趣旨を実現するため,次の二点から教育内容を整理して示すことが求められる。

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○ 視点の第一は,社会科における内容の枠組みや対象に関わる整理である。

 小学校社会科では,中学校社会科の分野別の構成とは異なり,社会的事象を総合的に捉える内容として構成されている。

 そのため教員は,指導している内容が社会科全体においてどのような位置付けにあるか,中学校社会科とどのようにつながるかといったことを意識しづらいという点が課題として指摘されている。

 

 そのことを踏まえ,
小・中学校社会科の内容を,

(ア)地理的環境と人々の生活,
(イ)歴史と人々の生活,
(ウ)現代社会の仕組みや働きと人々の生活

という三つの枠組みに位置付ける。

 また,

(ア),(イ)は空間的な広がりを念頭に
地域,日本,世界と,

(ウ)は社会的事象について
経済・産業,政治及び国際関係と,

対象を区分する。

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○ 視点の第二は,「社会的な見方・考え方」に基づいた示し方の改善である。

 「社会的な見方・考え方」は
社会的事象等を見たり考えたりする際の視点や方法であり,
時間,空間,相互関係などの視点に着目して事実等に関する知識を習得し,
それらを比較,関連付けなどして考察・構想し,
特色や意味,理論などの概念等に関する知識を身に付ける
ために必要となるものである。

 これらのことを踏まえて,学習指導要領の内容について,例えば「社会的な見方・考え方」と概念等に関する知識との関係などを示していくことが重要である。

※原文の表記では、(ア)、(イ)、(ウ)はそれぞれ、○の中にア、イ、ウである。

 このうち,中学校社会科に直接関連することとしては,大項目をA,B,C…の順で示し,それを構成する中項目を(1),(2),(3)…,さらに必要に応じてそれを細分した小項目等を@,A,B…の順で示した。

 また,今回,分野間で共通して内容のまとまりとなる中項目においてア,イを置き,それぞれ原則的に「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」の順に,それぞれの事項におけるねらいを記載した。

 
 
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