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中学校 学習指導要領 【解説】 |
社会編 |
第2章 社会科の目標及び内容 |
第2節 各分野の目標及び内容 |
1 地理的分野の目標,内容及び内容の取扱い |
(2)内容 |
C 日本の様々な地域 |
※(3)日本の諸地域 |
中学校 学習指導要領 【本文】 |
(3)日本の諸地域 次の@からDまでの考察の仕方 @ 自然環境を中核とした考察の仕方 A 人口や都市・村落を中核とした考察の仕方 B 産業を中核とした考察の仕方 C 交通や通信を中核とした考察の仕方 D その他の事象を中核とした考察の仕方 -------------------------------- ア 次のような知識を身に付けること。 (ア) 幾つかに区分した日本のそれぞれの地域について,その地域的特色や地域の課題を理解すること。 (イ) @からDまでの考察の仕方で取り上げた特色ある事象と,それに関連する他の事象や,そこで生ずる課題を理解すること。 -------------------------------- イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。 (ア) 日本の諸地域において,それぞれ@からDまでで扱う中核となる事象の成立条件を,地域の広がりや地域内の結び付き,人々の対応などに着目して,他の事象やそこで生ずる課題と有機的に関連付けて多面的・多角的に考察し,表現すること。 |
(内容の取扱い) ウ (3)については,次のとおり取り扱うものとする。 (ア) 日本の諸地域については,国内を幾つかの地域に区分して取り上げることとし,その地域区分は,指導の観点や学校所在地の事情などを考慮して適切に決めること。 (イ) 学習する地域ごとに@からDまでの考察の仕方を一つ選択することとし,@からCまでの考察の仕方は,少なくとも一度は取り扱うこと。 また,Dの考察の仕方は,様々な事象や事柄の中から,取り上げる地域に応じた適切なものを適宜設定すること。 (ウ) 地域の考察に当たっては,そこに暮らす人々の生活・文化,地域の伝統や歴史的な背景,地域の持続可能な社会づくりを踏まえた視点に留意すること。 |
中学校 学習指導要領 【解説】 |
この中項目の構成,主なねらいや着目する視点などについては次のとおりである。 この中項目は,適切に区分された日本の諸地域を,内容のCの「(2)日本の地域的特色と地域区分」の小項目で扱った事象を主要な考察の仕方として用い,具体的な地域的特色を捉えることから,ここで区分された日本の諸地域の数の項目からなる小項目で構成される。 この中項目は,空間的相互依存作用や地域などに関わる視点に着目して,地域の特色ある地理的な事象を他の事象と関連付けて多面的・多角的に考察し,表現する力を育成することを主なねらいとしている。 そうした学習の全体を通して,日本の諸地域の地域的特色や地域の課題とともに事象間の関係性を理解できるようにすることが求められている。 この中項目の学習は,日本の様々な地域を地誌的に取り上げて我が国の国土に関する地理的認識を深めるものであり,小,中,高等学校の一貫性の観点から見ると,中学校社会科の地理的分野を特色付ける学習といえる。 ただし,それぞれの地域の学習で自然の特色,産業の特色などの項目を羅列的,並列的に取り上げると,学習内容が過剰となり,学習負担が大きくなるとともに地域的特色を理解することも困難となる。 そこで,この中項目の学習に当たっては,「@からDまでの考察の仕方」を基にして,地域の特色を端的に示す地理的な事象を選択し,それを中核として内容を構成すること,その際,中核とした地理的な事象は,他の事象とも関わり合って成り立っていることに着目して,それらを有機的に関連付けることで動態的に取り扱うこと,調べ,追究する学習活動を通して地域的特色や地域の課題を捉えるようにすることなどが大切である。 この中項目における空間的相互依存作用に関わる視点としては,例えば,各地域で中核とした特色ある事象とそれを取り巻く他の諸事象との多様な関係性を捉えることなどが考えられる。 また,地域に関わる視点としては,例えば,地域で異なる中核となる事象の成立条件を,地域の広がりや地域内の結び付き,人々の対応などによって捉えることなどが考えられる。 |
@ 自然環境を中核とした考察の仕方 |
この中項目のうち,「@ 自然環境を中核とした考察の仕方」において身に付けたい事項については次のとおりである。 この考察の仕方で身に付けたい このうち, それをそこに暮らす人々の 自然環境が なお,ここで -------------------------------- また,考察する内容についても,地域の課題となることなどと,などを付けて示したのは,中核とした事象と適宜選択して取り上げた事象との関連で様々な考察が可能であることを意味しており,これらは,以下のAからDまでの考察の仕方においても同様である。 有機的に関連付けについては, |
A 人口や都市・村落を中核とした考察の仕方 |
この中項目のうち,「A 人口や都市・村落を中核とした考察の仕方」において身に付けたい事項については次のとおりである。 この考察の仕方で身に付けたい このうち, それをそこに暮らす人々の 人口や都市・村落が |
B 産業を中核とした考察の仕方 |
この中項目のうち,「B 産業を中核とした考察の仕方」において身に付けたい事項については次のとおりである。 この考察の仕方で身に付けたい このうち, それを 産業が |
C 交通や通信を中核とした考察の仕方 |
この中項目のうち,「C 交通や通信を中核とした考察の仕方」において身に付けたい事項については次のとおりである。 この考察の仕方で身に付けたい このうち, それを 交通・通信が |
D その他の事象を中核とした考察の仕方 |
この中項目のうち,「D その他の事象を中核とした考察の仕方」において身に付けたい事項については次のとおりである。 この考察の仕方で身に付けたい このうち, |
中学校 学習指導要領 【解説】 |
この中項目のうち,中項目を通して身に付けたい事項については,次のとおりである。 この中項目で身に付けたい このうち, -------------------------------- この中項目で身に付けたい このうち, 内容のCの「(2)日本の地域的特色と地域区分」の 位置や分布,場所, グローバル化,都市化,情報化 などを考慮して設定したものである。 |
中学校 学習指導要領 【本文】 |
(内容の取扱い) ウ (3)については,次のとおり取り扱うものとする。 (ア) 日本の諸地域については,国内を幾つかの地域に区分して取り上げることとし,その地域区分は,指導の観点や学校所在地の事情などを考慮して適切に決めること。 (イ) 学習する地域ごとに@からDまでの考察の仕方を一つ選択することとし,@からCまでの考察の仕方は,少なくとも一度は取り扱うこと。 また,Dの考察の仕方は,様々な事象や事柄の中から,取り上げる地域に応じた適切なものを適宜設定すること。 (ウ) 地域の考察に当たっては,そこに暮らす人々の生活・文化,地域の伝統や歴史的な背景,地域の持続可能な社会づくりを踏まえた視点に留意すること。 |
中学校 学習指導要領 【解説】 |
「内容の取扱い」などに示された留意事項については,次のとおりである。 --------------------------------- (ア)における国内を幾つかの地域に区分して取り上げることとし,その地域区分は,指導の観点や学校所在地の事情などを考慮して適切に決める(内容の取扱い)については, その際,地理的分野の目標は国土のすみずみまで細かく学習しなくても達成できるということに配慮し,地域区分を細分化し過ぎないようにすることが大切である。 また,各地域を学習する順序についても,生徒の習熟度や関心,中核となる事象の捉えやすさや地域の課題の見いだしやすさなど,各学校の実態に応じて決定し,この中項目の学習を通して,我が国の国土に関する地理的認識を深めることができるようにすることが大切である。 --------------------------------- (イ)における学習する地域ごとに@からDまでの考察の仕方を一つ選択する(内容の取扱い)については, そして,この学習活動の結果,学習した地域の特色がある程度総合的に捉えられるようにすることが大切である。 (イ)における@からCまでの考察の仕方は,少なくとも一度は取り扱う(内容の取扱い)については,例えば, しかし,同時にこの中項目の学習が特定の「考察の仕方」に偏った学習にならないよう,@からCまでで示した全ての「考察の仕方」を一度は取り扱う必要があることを示しており,@からCまで以外の考察の仕方となるDの考察の仕方については,必ずしも設定する必要がないことも意味している。 (イ)におけるDの考察の仕方は,様々な事象や事柄の中から,取り上げる地域に応じた適切なものを適宜設定すること(内容の取扱い)については,取り上げる地域の地域的特色や地域の課題を追究する上で,適切な「考察の仕方」を適宜設定することができることを意味している。 --------------------------------- (ウ)におけるそこに暮らす人々の生活・文化,地域の伝統や歴史的な背景,地域の持続可能な社会づくりを踏まえた視点(内容の取扱い)については, これらの視点は,適切に区分された日本のいずれの地域においても関連させることができることから,@からDまでのいずれの考察の仕方においても,「関連する他の事象」として用いることが大切であることを意味している。 この中項目で実施が想定される学習展開例は次のとおりである。 なお,これらは,あくまでも例示であり,各学校において例示と異なる学習活動を展開することができるのは,当然である。 |
中学校 学習指導要領 【解説】 |
学習展開例1 (東北地方) |
例えば,区分された地域として東北地方を取り上げた場合,次のような学習展開が考えられる。 |
例えば,日本を七地方に区分して東北地方を取り上げ,「A 人口や都市・村落を中核とした考察の仕方」を基に学習する場合,東北地方の人口分布や動態に着目して市町村別人口増加率を読み取ると,「なぜ仙台市周辺に人口が集中する一方で,全体的には人口が減少しているのか」といった問いを立てることができる。 そこで,都市・村落の立地や機能に関する特色ある事象を中核として,それを,地形や気候,そこで暮らす人々の生活・文化,都市が発展した歴史的背景,産業,交通・通信網などと関連付けて,多面的・多角的に調べ,考察することが考えられる。 これによって,例えば,都市の発展と都市圏の形成,過疎化する地域の居住環境と人々の生活の変容などを,人々の生活や産業の動向などと関連付けて課題を追究し,「仙台市周辺では,人口流入により都市化が進み,商業地域や住宅地域が形成された」,「過疎化の進む地域では,地域社会の維持や伝統的な生活・文化の継承が地域の課題となっている」などといった地域的特色や地域の課題を捉えることが考えられる。 また,東北地方を「C 交通や通信を中核とした考察の仕方」を基に学習する場合,高速道路網や鉄道網,空港,港湾に着目すると,「東北地方では,高速道路や新幹線,空港や港湾の整備により,どのような変化が見られるのか」といった問いを立てることができる。 そこで,交通・通信網の発達や陸運,海運など物流に関する特色ある事象を中核として,それを,物資や人々の移動の特色や変化,産業,人口や都市・村落などと関連付け,多面的・多角的に調べ,考察することが考えられる。 これによって,例えば, 生産地と消費地の間の物資の移動,観光地の成立と観光客の移動といった物資や人々の移動の特色と,産業の動向などとを関連付けて課題を追究し, 交通・通信網といった社会資本の存在と,人口や都市・村落の動向などとを関連付けて課題を追究し, ことが考えられる。 |
中学校 学習指導要領 【解説】 |
学習展開例2 (九州地方と北海道地方) |
また,例えば,区分された地域として九州地方と北海道地方を取り上げ,ともに「@ 自然環境を中核とした考察の仕方」を基にした場合,次のような学習展開が考えられる。 |
例えば,「@ 自然環境を中核とした考察の仕方」を基に九州地方や北海道地方を取り上げる場合,「地域の自然環境と人々の生活や産業の営みには,どのような結び付きがあるのか」といった問いを立てて,それぞれの地域的特色や地域の課題を追究することが考えられる。 その際,九州地方では, また,その九州地方の学習の上に北海道地方の学習を行う場合, それを例えば,寒冷な気候に対応した建物や道路などからうかがえる人々の生活や,土地改良や品種改良などの工夫が重ねられてきた農牧業の様子などと関連付けたり,また, アイヌの人々の言葉に起源をもつ地名を導入に北海道開発の歴史的背景などとも関連付けたりして, 九州地方と比較しつつ多面的・多角的に調べ,考察することで, |
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