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中学校 学習指導要領 【解説】 |
数学編 |
第2章 数学科の目標及び内容 |
第2節 数学科の内容 |
1 内容構成の考え方 |
(2) 領域の構成 |
四つの領域について |
中学校数学科の内容は,「A数と式」,「B図形」,「C関数」,「Dデータの活用」の四つの領域と〔数学的活動〕で示している。 目標においても示されているように,数量や図形については学習の対象として明確に位置付けられている。 したがって,普遍的かつ基礎的な内容の領域として「A数と式」及び「B図形」を挙げるのは当然であり,現行でも多くの時間がこの二つの領域の指導に充てられている。 「C関数」及び「Dデータの活用」は,数学を活用する力の伸長を目指すための領域として設定し,数学的な見方・考え方を十分に働かせた数学的活動を充実するとともに,いろいろな関係や特徴を積極的に考察の対象とすることが必要である。 -------------------------------- このように見ると,「A数と式」,「B図形」,「C関数」及び「Dデータの活用」の領域の相互の関係は次のように説明できる。 考察の対象を視点として,それが主に確定した事象であるか不確定な事象であるかにより,「A数と式」,「B図形」及び「C関数」の三つの領域と「Dデータの活用」の領域に分けられる。 さらに,「A数と式」,「B図形」及び「C関数」の領域は考察の方法を視点として,それが主に静的であるか動的であるかにより,「A数と式」と「B図形」の二つの領域と「C関数」の領域に分けられる。 「C関数」の領域の学習において働かせた数学的な見方・考え方は「A数と式」や「B図形」の領域の内容の理解を深化させてくれる。 また,「C関数」の領域の内容を理解するためには「A数と式」や「B図形」の領域の内容の理解が不可欠である。 本章第1節の2の(1)で既に述べたように,四つの領域の間には密接な関連があり,このことに配慮した指導が必要である。 -------------------------------- なお,今回の改訂では,従前の「資料の活用」の領域の名称を「データの活用」に改めた。 これは,平成21年3月改訂の高等学校学習指導要領数学Tにおいて,生活の中で活用することや統計学とのつながりを重視し,一般的に用いられる「データ」という用語を用いたことや,小・中・高等学校の学習のつながりを考慮したためである。 -------------------------------- また,今回の改訂では,幼児期に育まれた数量・図形への関心・感覚等の基礎の上に,小・中・高等学校教育を通じて育成を目指す資質・能力を明確化することを意識し,引き続き小学校と中学校との関連や連携について配慮した。 この点について,小学校算数科では,第1学年,第2・3学年,第4・5学年,第6学年の四つの段階を設定し,それぞれの学年までに育成を目指す資質・能力と働かせる数学的な見方・考え方を明示した内容構成としており,「A数と計算」,「B図形」,「C測定」(下学年),「C変化と関係」(上学年)及び「Dデータの活用」の五つの領域で示している。 これは,内容の系統性や発展性の全体を,中学校数学科との接続をも視野に入れて整理したものであり,それぞれの領域の関連について理解しておく必要がある。 -------------------------------- ★↑画像をクリックすると拡大します!
上の表は,小学校算数科第6学年の領域と主な内容と中学校数学科の領域を並べたものである。 小学校算数科第6学年では,「A数と計算」,「B図形」,「C変化と関係」及び「Dデータの活用」の四つの領域で構成されており,中学校数学科の「A数と式」,「B図形」,「C関数」及び「Dデータの活用」の各領域は,小学校算数科第6学年の「A数と計算」,「B図形」,「C変化と関係」及び「Dデータの活用」の各領域と対応する。 |
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