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 小学校算数科における領域「B図形」と「C測定」(下学年)では,数学的活動を通して,次の内容が取り扱われている。

ア 第3学年までに,図形として,三角形,四角形,正方形,長方形,直角三角形,二等辺三角形,正三角形,円,球について学習している。

 また,図形の構成要素として,直線,直角,頂点,辺,面,角,中心,半径,直径を学習している。

 また,長さの単位(o,p,m,q),かさの単位(mL,dL,L),重さの単位(g,s)などについて理解するとともに,図形を構成したり,長さや重さなどを測定したりすることについての技能を身に付けている。

 さらに,平面図形の特徴を図形を構成する要素に着目して捉えたり,身の回りの事象を図形の性質から考察したりする力を養っている。

イ 第4学年では,図形として,平行四辺形,ひし形,台形,立方体,直方体について学習している。

 また,図形の構成要素として,対角線,平面を学習している。

 さらに,図形の構成要素の関係として,直線の平行や垂直,直線や平面の平行や垂直を学習している。

 また,見取図,展開図をかくこと,ものの位置の表し方などについて学習している。

 さらに,面積の単位(cm2,u,km2)について知り,正方形及び長方形の面積の計算による求め方について理解することや,角の大きさの単位(度(゚))について知り,角の大きさを測定することなどについて学習している。

 さらに,図形を構成する要素及びそれらの位置関係に着目し,図形の性質や図形の計量について考察する力を養っている。

ウ 第5学年では,図形として,多角形や正多角形,基本的な角柱や円柱について学習している。

 また,図形の構成要素の関係として,図形の合同,三角形や四角形など多角形についての簡単な性質,正多角形の基本的な性質,円周率を学習している。

 さらに,三角形,平行四辺形,ひし形,台形の面積の計算による求め方について理解することや,体積の単位(cm3,m3)について知り,立方体及び直方体の体積の計算による求め方について理解することなどについて学習をしている。

 さらに,図形を構成する要素や図形間の関係などに着目し,図形の性質や図形の計量について考察する力を養っている。

エ 第6学年では,縮図や拡大図,対称な図形について学習している。

 また,身の回りにある形について,その概形を捉え,およその面積などを求めること,円の面積の計算による求め方について理解すること,基本的な角柱及び円柱の体積の計算による求め方について理解することなどについて学習している。

 さらに,第5学年と同様に,図形の性質や図形の計量について考察する力を養っている。

 
 
 各学年の主な内容は次のとおりである。

 第1学年では,図形の構成要素や構成の仕方に着目し,図形の性質や関係を直観的に捉え論理的に考察する力を養っていく。

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 まず,小学校算数科において学習した平面図形の対称性に着目して,角の二等分線,線分の垂直二等分線,垂線など基本的な作図をする。

 図形の対称性に着目したり,図形を決定する要素に着目したりして作図の方法を考察し表現する。

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 また,図形の移動(平行移動,対称移動及び回転移動)について理解する。

 その際,図形の移動に着目し,二つの図形の関係について考察し表現することや図形の移動を具体的な場面で活用することを通して,図形に対する見方を一層豊かにする。

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 さらに,空間における直線や平面の位置関係を知ったり,直線や平面図形の運動によって空間図形を構成したり,空間図形を平面上に表したり,平面上の表現から空間図形の性質を読み取ったりすることを学習する。

 また,図形の計量に関して,扇形の弧の長さと面積,基本的な柱体,錐(すい)体及び球の表面積と体積を扱う。

 第2学年では,数学的な推論の過程に着目し,図形の性質や関係を論理的に考察し表現する力を養っていく。

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 この学年から,本格的に図形の性質を演繹(えき)的に確かめ,論理的に考察し表現することが取り扱われるようになる。

 ここでは,主として基本的な平面図形を扱う。観察や操作,実験などの活動を通して,三角形や多角形についての角の性質を見いだし,平行線の性質を基にしてそれらを確かめる。

 また,平面図形の合同の意味を理解し,三角形や平行四辺形の性質を三角形の合同条件などを基にして証明する。

 さらに,図形の性質の証明を読んで新たな性質を見いだすことや学んだ図形の性質を具体的な場面で活用することも学習する。

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 なお,第2学年では,命題の逆について取り扱うとともに,推測や命題が常に成り立つとは限らないことを示すために,反例について取り扱う。

 第3学年では,図形の構成要素の関係に着目し,図形の性質や計量について論理的に考察し表現する力を養っていく。

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 この学年では,観察や操作,実験などの活動を通して,三角形の相似条件などを基にして図形の基本的な性質を論理的に確かめたり,平行線と線分の比についての性質や円周角と中心角の関係,三平方の定理を見いだし,それらを確かめたりする。

 また,それらの性質や関係を具体的な場面で活用することも学習する。

 「B図形」領域の指導事項について,前回の学習指導要領との相違点は,第2学年において,用語として反例を取り扱うこととしたことである。
 
 
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