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 数学的活動のうち,特に中学校数学科において重視するものとして,日常の事象や社会の事象から問題を見いだし解決することや,数学の事象から問題を見いだし解決すること,またその過程で数学的な表現を用いて説明し伝え合うことを内容の〔数学的活動〕に位置付けている。

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 数学科において,数学的活動における問題発見・解決の過程には,主として日常生活や社会の事象に関わる過程と,数学の事象に関わる過程の二つがある。

 数学的活動は,これら二つの過程において,基本的に問題解決の形で遂行される。

 すなわち,疑問や問いの発生,その定式化による問題設定,問題の理解,解決の計画,実行,検討及び新たな疑問や問い,推測などの発生と問題の定式化と続く。

 これら一連の活動を実体験することは,数学を学ぶことの面白さや考えることの楽しさ,数学の必要性や有用性を実感する機会をもたらし,そこでは粘り強く考え抜くことが必要になり,成就感や達成感などを基にして自信を高め自尊感情を育む機会も生まれる。

 また,異なる考えを相互に取り入れ深めていくなど,互いに理解し合うことにもつながる。

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 したがって,数学的活動は,生徒にとって数学を学ぶための方法である。

 また,数学的活動に取り組むこと自体が,知識及び技能を身に付け,思考力,判断力,表現力等を養うために必要であることから,数学的活動は指導の内容でもある。

 さらに,その後の学習や日常生活,社会生活において,数学に関わり自ら学び自ら考える活動ができるようにすることを目指しているという意味で,数学的活動は数学を学ぶ目標でもある。

 それらのバランスをとりつつ,各領域の学習やそれらを相互に関連付けた学習において,数学的活動の楽しさを実感できるようにし,数学的に考える資質・能力を確かに育むことが期待されている。

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 教育及び学習指導が,願いや目的を実現するための意図的,計画的な営みであることに配慮すれば,教師の関わりは必要であり,生徒の自立への誘いである。

 したがって,教師の関わりは,時に積極的であり,次第にあるいは状況に応じて個別的,間接的になり,最終的には生徒自身が自力でする営みの機会を設けることが必要である。

 
 
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