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 教育基本法をはじめとする我が国の教育の根本理念に鑑みれば,道徳教育は,教育の中核をなすものであり,学校における道徳教育は,学校のあらゆる教育活動を通じて行われるべきものである。

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 同時に,道徳教育においては,これまで受け継がれ,共有されてきたルールやマナー,社会において大切にされてきた様々な道徳的価値などについて,生徒が発達の段階に即し,一定の教育計画に基づいて学び,それらを理解し身に付けたり,様々な角度から考察し自分なりに考えを深めたりする学習の過程が重要である。

 このため,昭和33年に,小・中学校において,道徳の時間が設けられ,各教科等における道徳教育と密接な関連を図りながら,計画的,発展的な指導によってこれを補充,深化,統合し,生徒に道徳的価値の自覚や生き方についての考えを深めさせ,道徳的実践力を育成するものとされてきた。

 こうした道徳の時間を要として学校の教育活動全体を通じて行うという道徳教育の基本的な考え方は,今後も引き継ぐべきである。

 一方で,道徳教育が期待される役割を十分に果たすことができるように改善を図ることが重要である。

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 とりわけ,道徳の時間が道徳教育の要として有効に機能することが不可欠である。

 今回の道徳教育の改善に関する議論の発端となったのは,いじめの問題への対応であり,生徒がこうした現実の困難な問題に主体的に対処することのできる実効性ある力を育成していく上で,道徳教育も大きな役割を果たすことが強く求められた。

 道徳教育を通じて,個人が直面する様々な状況の中で,そこにある事象を深く見つめ,自分はどうすべきか,自分に何ができるかを判断し,そのことを実行する手立てを考え,実践できるようにしていくなどの改善が必要と考えられる。

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 このような状況を踏まえ,
道徳教育の充実を図るため,
学校の教育活動全体を通じて行う
道徳教育と
その要としての道徳の時間の役割
を明確にした上で,

生徒の道徳性を養うために,
適切な教材を用いて確実に指導を行い,
指導の結果を明らかにして
その質的な向上を図ることができるよう,

学校教育法施行規則及び
学習指導要領の一部を改正し,
道徳の時間を
教育課程上
「特別の教科 道徳」
(以下「道徳科」という。)
として新たに位置付け,

その目標,内容,教材や評価,
指導体制の在り方等
を見直した。

 これまでの道徳の時間を要として学校の教育活動全体を通じて行うという道徳教育の基本的な考え方を今後も引き継ぐとともに,道徳科を要として道徳教育の趣旨を踏まえた効果的な指導を学校の教育活動全体を通じてより確実に展開することができるよう,道徳教育の目標等をより分かりやすい表現で示すなど,教育課程の改善を図った。

 
 
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