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 道徳的価値とは,よりよく生きるために必要とされるものであり,人間としての在り方や生き方の礎となるものである。

 学校教育においては,これらのうち発達の段階を考慮して,生徒一人一人が道徳的価値観を形成する上で必要なものを内容項目として取り上げている。

 生徒が今後,様々な問題場面に出会った際に,その状況に応じて自己の生き方を考え,主体的な判断に基づいて道徳的実践を行うためには,道徳的価値の意義及びその大切さの理解が必要になる。

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 道徳的価値について理解するとは,発達の段階に応じて多様に考えられるが,一般的には,道徳的価値の意味を捉えること,またその意味を明確にしていくことである。

 思春期にかかる中学生の発達の段階においては,ふだんの生活においては分かっていると信じて疑わない様々な道徳的価値について,学校や家庭,地域社会における様々な体験,道徳科における教材との出会いやそれに基づく他者との対話などを手掛かりとして自己との関わりを問い直すことによって,そこから本当の理解が始まるのである。

 また,時には複数の道徳的価値が対立する場面にも直面する。

 その際,生徒は,時と場合,場所などに応じて,複数の道徳的価値の中から,どの価値を優先するのかの判断を迫られることになる。

 その際の心の葛藤や揺れ,また選択した結果などから,道徳的諸価値への理解が始まることもある。

 このようなことを通して,道徳的諸価値が人間としてのよさを表すものであることに気付き,人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念に根ざした自己理解や他者理解,人間理解,自然理解へとつながっていくようにすることが求められる。

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 道徳科の中で道徳的価値の理解のための指導をどのように行うのかは,授業者の意図や工夫によるが,自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を養うには,道徳的価値について理解する学習を欠くことはできない。

 また,指導の際には,特定の道徳的価値を絶対的なものとして指導したり,本来実感を伴って理解すべき道徳的価値のよさや大切さを観念的に理解させたりする学習に終始することのないように配慮することが大切である。

 
 
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