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 望ましい生活習慣を身に付け,心身の健康の増進を図り,節度を守り節制に心掛け,安全で調和のある生活をすること。

(小学校)

[節度,節制]

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〔第1学年及び第2学年〕

 健康や安全に気を付け,物や金銭を大切にし,身の回りを整え,わがままをしないで,規則正しい生活をすること。

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〔第3学年及び第4学年〕

 自分でできることは自分でやり,安全に気を付け,よく考えて行動し,節度のある生活をすること。

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〔第5学年及び第6学年〕

 安全に気を付けることや,生活習慣の大切さについて理解し,自分の生活を見直し,節度を守り節制に心掛けること。

 
 

 「望ましい生活習慣を身に付け」るとは,それを行うことで心身の健康の増進を図ることができる行為を,日常の生活において日々繰り返すことによって,殊更意識せずに行うことができるようになることである。

 「習慣は第二の天性」との言葉もあるように,その人の人となりに大きな影響を与えるものである。

 自己を保ち生きていく上で心身が健康であることは大切であり,食事・睡眠・運動の大切さについて改めて学ぶ必要がある。

 現代社会においては環境や生活様式の変化も大きく,情報機器の発達により若者の欲望や衝動を刺激するものも少なくない。

 自らの欲望や衝動の赴くままに行動してしまい,心身の健康を損ねることのないようにしなければならない。

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 そのためには,そうした状況に至らない適度な程度としての「節度」を意識し,その節度を超えないように欲望などを抑え,自己を統御する「節制」が求められる。

 節度と節制は,人間の感覚的な欲望の抑制を説いていると理解されるため,消極的に捉えられがちである。

 しかし,節度を守り節制に心掛けることは,望ましい生活習慣を身に付けることにつながっており,心身の健康を増進し,気力と活力に満ちあふれた充実した人生を送る上で欠くことのできないものであり,積極的に捉えるべき価値であると言うことができる。

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 安全で調和のある生活をすることは,人格形成にも深く関わる。

 災害などの中には人知をはるかに超えたものもあるが,日々の生活において交通事故,犯罪や大きな自然災害などによる危害を受けないよう安全や危機管理に十分配慮し,心身の調和のある生活の実現に努めることは,自己の人生を豊かにし,意義ある生き方につながることを理解できるようにする必要がある。

 
 

 小学校の段階では,特に高学年で,基本的な生活習慣は心身の健康を維持増進し,活力のある生活を支えるものであることへの理解を深め,児童一人一人が自分の生活を振り返り,改善すべき点などについて進んで見直しながら,望ましい生活習慣を積極的に築くとともに,自ら節度を守り節制に心掛けるように指導している。

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 中学校の段階では,入学して間もない時期には,望ましい生活習慣を築いていこうとする気持ちはあるが,しなければならないことが増えて,ついついおろそかになりがちである。

 学年が上がるにつれて,心身ともに著しい発達を見せ,活力にあふれ意欲的に活動できるようになる。

 しかし,心と体の発達が必ずしも均衡しているわけではないため,軽はずみな行動によって健康を損なってしまったり,時間や物の価値を軽視してその活用を誤ったりするなど,衝動にかられた行動に陥ることもある。

 中学生になったという意識も働き,これまで身に付けてきた基本的な生活習慣や防災訓練,交通安全等の安全に関わる活動に対し,ためらったり,軽く考えたりすることも起きてくる。

 また,これまで身に付けてきた基本的な生活習慣に対して,外面的には反発や抵抗を示すこともある。

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 指導に当たっては,まず,小学校段階からの節度,節制の大切さについての理解を一層深めるとともに,生活全般にわたり安全に配慮して,心身の調和のある生活を送ることの意義をしっかりと考えることができるようにすることが大切である。

 そのために,そこでは行動の仕方や物事の処理の問題として捉えさせるだけでは十分ではない。

 心身の健康の増進,生涯にわたって学ぼうとする意欲や習慣,時間や物を大切にすること,常に安全に配慮して生活すること,望ましい生活習慣を身に付けることなどが,充実した人生を送る上で欠くことのできないものであることを,生徒自らが自覚できるようにすることが大切である。

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 さらに,改めて基本的な生活習慣や防災訓練,交通安全等の安全に関わる活動の意義について学ぶ機会を設けることが大切である。

 きまりある生活を通して自らの生き方を正し,節度を守り節制に心掛け,安全で調和のある生活の実現に努めることが,自分自身の将来を豊かにするものであることを自覚できるようにすることが何よりも重要である。

 単に日々の生活だけの問題ではなく,自らの生き方そのものの問題であり,人生をより豊かなものにすることとの関係で学ぶことができるようにすることが必要である。

 
 
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