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中学校 学習指導要領 【解説】 |
道徳編 |
第3章 道徳科の内容 |
第2節 内容項目の指導の観点 |
C 主として集団や社会との関わりに関すること |
12 社会参画,公共の精神 |
中学校 学習指導要領 【本文】 |
社会参画の意識と社会連帯の自覚を高め,公共の精神をもってよりよい社会の実現に努めること。 |
(小学校) [小学校)[勤労,公共の精神] -------------------------------- 〔第1学年及び第2学年〕 働くことのよさを知り,みんなのために働くこと。 --------------------------------- 〔第3学年及び第4学年〕 働くことの大切さを知り,進んでみんなのために働くこと。 --------------------------------- 〔第5学年及び第6学年〕 働くことや社会に奉仕することの充実感を味わうとともに,その意義を理解し,公共のために役に立つことをすること。 |
中学校 学習指導要領 【解説】 |
12 社会参画,公共の精神 |
(1) 内容項目の概要 |
「社会参画の意識」とは,次の内容項目である「勤労」とも相まって,共同生活を営む人々の集団である社会の一員として,その社会における様々な計画に積極的に関わろうとすることである。 個人が安心・安全によりよく生活するためには,社会の形成を人任せにするのではなく,主体的に参画し,社会的な役割と責任を果たすことが大事になる。 自分が生きている身の回りを含めた社会に関わることの意義の理解の下に,実際に関わっていこうとする態度を育てていくことが求められる。 -------------------------------- 「社会連帯の自覚」とは,社会生活において,一人一人が共に手を携え,協力し,誰もが安心して生活できる社会をつくっていこうとすることである。 この社会の全ての人々が,自分も他人も共によりよく生きようとしていることを自覚することから,互いに助け合い励まし合うという社会連帯の自覚も出てくる。 一人一人の個性を尊重し民主的な社会を築くためには,社会を構成する多くの人々と助け合い励まし合いながら社会連帯を深めることが求められる。 -------------------------------- 「公共の精神」とは,社会全体の利益のために尽くす精神である。 政治や社会に関する豊かな知識や判断力,論理的・批判的精神をもって自ら考え,社会に主体的に参画し,公正なルールを形成し遵守する精神である。 この精神に基づき,社会の発展に寄与する態度を養うことが大切であり,このことは国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質である。 社会全体に目を向けるとき,個人の向上と社会の発展とが,矛盾しないような在り方が求められ,よりよい社会の実現に向けた個々の努力が日々積み重ねられることが必要となる。 |
中学校 学習指導要領 【解説】 |
12 社会参画,公共の精神 |
(2) 指導の要点 |
小学校の段階では,特に高学年で社会に奉仕することの意義を理解し,公共のために役立つことをしようという意欲や態度をもつよう指導している。 -------------------------------- 中学校の段階では,入学して間もない時期には,下級生になったこともあり,学級や学校の生活において人任せにしがちになる生徒も見られる。 他方で,例えば身体の不自由な人をいたわろうとする行動をしたり,地域の清掃活動や行事,社会福祉施設などでボランティア活動に参加したりすることを通して,よりよい社会を協力して築こうとする意欲が強まる生徒も見られる。 学年が上がるにつれて,社会において人間関係が希薄化する傾向が見られ,他者に対する配慮を欠き,公の場で,意識するかしないかにかかわらず自己中心的な言動をとってしまうことも少なくない。 既成のものに対する反発が出てくる年代ではあるが,本来,自己中心的で自分勝手な言動をよくないと思う心が内面には十分あり,誰もが望むよりよい社会の実現については大人より純粋に考えることもできる。 -------------------------------- 現代的な課題等も取り上げ,どのように社会に参画し,どのように連帯すべきかについて,多面的・多角的に考えを深めるよう指導することが大切である。 この学習を通して,公共の精神を育むことが求められる。 また,人間としての生き方や社会の在り方について深く考え,よりよい民主的な社会を実現するためにどのように社会に連帯できるかについて多面的・多角的に話し合うことが大切である。 -------------------------------- 指導に当たっては,まず,学級活動や生徒会活動に積極的に参画するなどの体験を生かして,社会参画や社会連帯についての考えを深めさせ,現実の学校生活に生かすことができるよう公共の精神についての考えを深めさせることが大切である。 生徒一人一人に自分も社会の一員であるという自覚を深めるようにして,互いに積極的に協力し合おうとする意欲を育てるように工夫することが必要である。 -------------------------------- さらに,よりよい社会を実現するためには,社会生活において互いに迷惑をかけることのないような行動の仕方を身に付けるとともに,進んで社会と関わり積極的な生き方を模索しようとする態度を育てる必要がある。 そして,進んで社会的な責任を果たすために,どのような行動を取るべきかを主体的に考えられるようにすることが重要になる。 また,この内容項目を通じて,例えば,生徒が将来,選挙権を付与される年齢に達した際には,自分も社会の一員であるという認識のもと,積極的に権利を行使するという,主体的に社会に参画し,その発展に寄与する態度を養うという視点も重要である。 -------------------------------- また,例えば,社会科の公民的分野での社会参画や社会連帯の在り方や公共の精神の学習など,他教科等と関連付けたり,高等学校段階への発展につなげたりすることも必要である。 |
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