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 勤労の尊さや意義を理解し,将来の生き方について考えを深め,勤労を通じて社会に貢献すること。

(小学校)

[勤労,公共の精神]

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〔第1学年及び第2学年〕

 働くことのよさを知り,みんなのために働くこと。

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〔第3学年及び第4学年〕

 働くことの大切さを知り,進んでみんなのために働くこと。

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〔第5学年及び第6学年〕

 働くことや社会に奉仕することの充実感を味わうとともに,その意義を理解し,公共のために役に立つことをすること。

 
 

 勤労は,人間生活を成立させる上で大変重要なものであり,一人一人がその尊さやその意義を理解し,将来の生き方について考えを深め,社会生活の発展・向上に貢献することが求められている。

 「勤労」とは,自分の務めとして心身を労して働くことである。

 中学生が将来の生き方について考えるとき,自分の務めとは何か,将来就きたい職業について考えることになる。

 職業には,自分の幸福を追求するため収入を得て個人や家庭の生活を維持するという面と,分業化の進んだ社会の中で一定の役割を果たして社会を支えるという面があり,共に重要である。

 また同時に,人は職業に意味を求め,自分の能力や個性を生かして自らの内面にある目的を実現するために働くという職業を使命として捉える考え方もある。

 職業は,一人一人の人生において重要な位置を占めており,人は働くことの喜びを通じて生きがいを感じ,社会とのつながりを実感することができる。

 現代社会は巨大で複雑な産業社会となり,自分のしている仕事の意義が見えにくく,自らの目的をもちづらくなっている。

 これまであった仕事が姿を消し,新しい仕事が創出されていく社会の中で,職業とは何かについて考えることは大切である。

 現代においては,転職を余儀なくされた場合でも,やり直しが可能となるよう必要な専門知識や技能を学び続けることが求められるようになっている。

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 また今日,職業や勤労に対する価値観が多様化する中にあっても,勤労を支える道徳的価値として重視すべきなのは,勤勉である。

 勤勉とは,自己の精神を集中させようと努力することであり,一つの仕事に没頭することである。

 勤労を通して社会に貢献するということを自覚し,充実した生き方を追求し実現していくことが,一人一人の真の幸福につながっていくことにもなる。

 
 

 小学校の段階では,特に高学年で,働くことや社会に奉仕することの充実感を味わうとともに,その意義を理解し,公共のために役に立つことをすることについて学んできている。

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 中学校の段階では,入学して間もない時期には,将来の生き方について漠然としか想像できていない生徒や,将来の夢や希望を描けないでいる生徒も少なくない。

 また,自分の職業選択においては,個人の好みや経済性を優先させ,勤労を通して社会貢献する中で得られる成就感や充実感にまで考えが及ばない生徒も多い。

 学年が上がるにつれて,社会の一員としての自分の役割や責任の自覚が芽生えるとともに,他者と関わり,様々な葛藤や経験の中で,自らの人生や生き方への関心が高まり,自分の生き方を模索し,夢や理想をもつようになる。

 一方で,現実的に進路の選択を迫られる時期でもある。

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 指導に当たっては,まず,勤労の尊さを重んじる生き方を基に,社会における自らの役割や将来の生き方等についてしっかり考えさせることが大切である。

 保護者や地域の方に外部講師として,働くことの意味や大切さについて語ってもらう機会を設けることも効果的である。

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 さらに,体験的な学習を生かして,働くことの重要性について理解を深めさせることが重要である。

 そのためには,キャリア教育と関連させて,職場体験活動やボランティア活動,福祉体験活動などの体験活動を生かすなど指導の工夫が求められる。

 勤労の尊さや意義についての考えを深めるとともに,働くことについての理解を通して職業についての正しい考え方を育てることが大切である。

 勤労を通して,社会貢献に伴う喜びが自らの充実感として生徒一人一人に体得され,心から満足でき,生きがいのある人生を実現しようとする意欲にまで高めたい。

 
 
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