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 父母,祖父母を敬愛し,家族の一員としての自覚をもって充実した家庭生活を築くこと。

(小学校)

[家族愛,家庭生活の充実]

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〔第1学年及び第2学年〕

 父母,祖父母を敬愛し,進んで家の手伝いなどをして,家族の役に立つこと。

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〔第3学年及び第4学年〕

 父母,祖父母を敬愛し,家族みんなで協力し合って楽しい家庭をつくること。

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〔第5学年及び第6学年〕

 父母,祖父母を敬愛し,家族の幸せを求めて,進んで役に立つことをすること。

 
 

 「父母,祖父母を敬愛し」とあるのは,子供である生徒が父母,祖父母を尊敬し愛情をもって接することを意味している。

 家族は,親子及び兄弟姉妹という関係により一般的に成り立ち,その一人一人が,誰かと取り替えることができないかけがえのない価値を有する存在である。

 人間は,過去から受け継がれてきた生命の流れの中で生きている。

 祖父母や父母が在ること,そして自分は,そのかけがえのない子供として深い愛情をもって育てられていることに気付かせることが大切である。

 そのことを通して,自分の成長を願い無私の愛情をもって育ててくれた父母や祖父母に対して敬愛の気持ちを深めることが必要である。

 父母,祖父母に敬愛の気持ちを深めていくことや家族の中で自分の役割や責任を果たすことを通して,家族の一員であることの自覚が高まっていく。

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 多くの人はいずれかの家族の内に出生し,幼児期までは家庭を生活の場の中心として大半をそこで過ごす。

 家庭は,その後もそこから出かけていき,そこへと戻る安心できるよりどころとなる場所であり,子供を守り育てる教育の場所である。

 家庭は,家族と共同して生活しながら,社会の一員として正しく行動し得るための準備が行われる場所でもある。

 しかし家庭は,人間関係の緊密さなどを発端として生じるいさかいやトラブルなどによって,子供がゆがめられる危険性が潜む場所でもある。

 今日,家庭を取り巻く状況も様々であり,その姿は一様でないが,その家族を構成する成員相互の温かい信頼関係や愛情によって互いが深い絆(きずな)で結ばれていることが大切である。

 こうした自覚をもつことが,より充実した家庭生活を築くことにつながるのである。

 
 

 小学校の段階では,特に高学年で,父母,祖父母を敬愛し,家族の幸せを求めて,進んで役に立とうとすることについて学んできた。

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 中学校の段階では,入学して間もない時期には,自立心も十分に育っておらず依存的な部分も見受けられる。

 学年が上がるにつれて,次第に自我意識が強くなり,自分の判断や意志で生きていこうとする自律への意欲が高まっていく。

 そのため,自分を支えてくれる父母や祖父母の言動やしつけに反抗的になりがちである。

 ちょっとした忠告や叱責が,あたかも自分の全てを否定するかのように思えて,時として,父母の意向に反した行動や,父母の意向を無視した行動となって現れることもある。

 しかも,かつてのような大家族の人間関係の中でしつけられ,喜怒哀楽を共にし,生活の苦労を分かち合いながら,人間関係の機微を学んだり,家族の連帯を自覚したりする機会も少なくなってきている。

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 指導に当たっては,まず,父母や祖父母を敬愛する気持ちをより一層深めることが大切である。

 そして,自我意識が強まりつつある中で,家族関係を子供の視点だけでなく,家族のそれぞれの立場になって考えられるよう,多面的・多角的に捉えることができるよう指導することが大切である。

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 さらに,自分と家族との関わり,家庭生活の在り方が人間としての生き方の基礎であることを十分に理解し,家族の在り方について考えることも大切なことである。

 その際,自分が家族の中でどのような立場にあるのか,家庭生活を営む上で,自分はどのような役割を果たせばよいのかを考え,家族の一員としての自覚をもって積極的に協力していくことが,自分の課題であることに気付くことができるようにすることが大切である。

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 また,例えば,技術・家庭科の家庭分野で家族・家庭と子供の成長を学習した後に改めて家庭生活や家族の有様について考えるなど,他教科等と関連した指導も積極的に行っていく必要がある。

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 なお,指導に当たっては,多様な家族構成や家庭状況があることを踏まえ,一人一人の生徒の実態を把握し十分な配慮を欠かさないようにすることが重要である。

 
 
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