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 教師や学校の人々を敬愛し,学級や学校の一員としての自覚をもち,協力し合ってよりよい校風をつくるとともに,様々な集団の意義や集団の中での自分の役割と責任を自覚して集団生活の充実に努めること。

(小学校)

[よりよい学校生活,集団生活の充実]

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〔第1学年及び第2学年〕

 先生を敬愛し,学校の人々に親しんで,学級や学校の生活を楽しくすること。

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〔第3学年及び第4学年〕

 先生や学校の人々を敬愛し,みんなで協力し合って楽しい学級や学校をつくること。

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〔第5学年及び第6学年〕

 先生や学校の人々を敬愛し,みんなで協力し合ってよりよい学級や学校をつくるとともに,様々な集団の中での自分の役割を自覚して集団生活の充実に努めること。

 
 

 「教師や学校の人々を敬愛し」とあるのは,生徒が教師や先輩,級友,後輩との信頼関係を築き愛情をもって接することを意味している。

 生徒にとって学級や学校は,生活の大半を過ごす大切な場である。

 学校は,公的な集団生活である点で私的な集団生活の場である家庭とは大きく異なっている。

 教師と生徒一人一人が学級や学校で自分自身の役割と責任を果たすことや,教師や学校の人々に支えられたり指導を受けたりしながら,互いの人間関係を深め,協力して生活することを通して,尊敬や感謝の気持ちが育まれていく。

 また,生徒の生活の場である学校はそれぞれ一様ではなく独自の校風がある。

 これは一朝一夕に築かれたものではなく,これまでの先輩や保護者,地域の人々の長年にわたる努力によって培われたものである。

 これを後輩たちが協力し合って継承し,更に発展させよりよい校風づくりをしていくことが大切である。

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 人間は,他の人間と関係をもち集団をつくり上げ,様々な集団や社会の一員として生活している。

 それぞれ目標や立場が異なる集団に所属しながら,共同して日々の生活を営んでいる。

 人が,それぞれの集団の一員としてよりよく生きていくためには,自分の属する集団の意義や目指す目的を十分に理解し,自分の役割と責任を果たし集団生活の充実に努めることが大切である。

 そのためには集団での規則を守り,互いに協力し励まし合う関係づくりをすることが重要である。

 集団の中で自分の役割や責任を自覚することは,集団生活が充実するだけにとどまらず,自己の資質・能力を高め自分自身の向上につながることになる。

 
 

 小学校の段階では,特に高学年で,先生や学校の人々を敬愛し,みんなで協力し合ってよりよい学級や学校をつくるとともに,様々な集団の中での自分の役割を自覚して集団生活の充実に努めることについて学んできた。

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 中学校の段階では,入学して間もない時期には,学校生活の環境の変化により,教師や学校の人々への敬愛の気持ちや学校に対する愛校心,集団への帰属意識も十分とは言えない傾向がある。

 学年が上がるにつれて,学校生活にも慣れ,集団の一員としての自覚が次第に高まっていく。学級,学校,地域社会などの様々な集団の中で互いに深く関わり合って相互理解を深め,それぞれの集団の中で人間的な成長を遂げるのにはよい時期である。

 一方で,自我意識が高まりつつある中で,自己の思いを先行させてしまったり,集団の一員としての所属感や一体感を強く求め,排他的になってしまったりすることもある。

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 指導に当たっては,まず,生徒は学校や教師などへの関心が十分とは言えない状況の中,学校のよさや校風等を取り上げ,学級や学校の一員であることの自覚を促すことが必要である。

 生徒の立場に立って考え,共感的で確かな生徒理解に努めることにより人間関係を深めていくことも重要なことである。

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 さらに,自らの所属する集団の目的や意義を理解するとともに,個人の力を合わせチームとして取り組んでこそ達成できることなど,集団の在り方について多面的・多角的に考えられるようにすることが大切である。

 自分が所属する集団にのみ関心を寄せ,自分たちの利益のみを追求し,自分と関わりが薄いと思われる集団や成員に対して無関心になってはいないか省みることも必要である。

 利己心や狭い仲間意識を克服し,協力し合って,集団生活の向上に努める態度を育てることが重要である。

 生徒一人一人が集団の中で個性を失うことがないように留意して,それぞれが伸び伸びと自らのよさを発揮できるような集団の在り方を考えられるようにする必要がある。

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 また,例えば,特別活動における学校行事の儀式的行事で学校への所属感を深めた後や,文化・体育的行事において学校や学級での自らの役割や責任を果たした後などに,よりよい校風作りや集団生活の充実について考えるなど,他教科等と関連した指導も積極的に行っていく必要がある。

 
 
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