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 生命の尊さについて,その連続性や有限性なども含めて理解し,かけがえのない生命を尊重すること。

(小学校)

[生命の尊さ]

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〔第1学年及び第2学年〕

 生きることのすばらしさを知り,生命を大切にすること。

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〔第3学年及び第4学年〕

 生命の尊さを知り,生命あるものを大切にすること。

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〔第5学年及び第6学年〕

 生命が多くの生命のつながりの中にあるかけがえのないものであることを理解し,生命を尊重すること。

 
 

 生命を尊ぶことは,かけがえのない生命をいとおしみ,自らもまた多くの生命によって生かされていることに素直に応えようとする心の現れと言える。

 ここで言う生命は,連続性や有限性を有する生物的・身体的生命に限ることではなく,その関係性や精神性においての社会的・文化的生命,さらには人間の力を超えた畏敬されるべき生命として捉えている。

 そうした生命のもつ侵し難い尊さが認識されることにより,生命はかけがえのない大切なものであって,決して軽々しく扱われてはならないとする態度が育まれるのである。

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 生命を尊ぶためには,まず自己の生命の尊厳,尊さを深く考えることが重要である。生きていることの有り難さに深く思いを寄せることから,自己以外のあらゆる生命の尊さへの理解につながるように指導することが求められる。

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 近年,生徒の生活様式も変化し,自然や人間との関わりの希薄さから,生命あるものとの接触が少なくなり,生命の尊さについて考える機会を失いつつある。

 「生命の尊さ」という価値についての理解には,「生命」そのものに対する理解が前提であり,しかもその豊かさと深まりが重要となる。

 また,中学生の時期は,比較的健康に毎日を過ごせる場合が多いため,自己の生命に対する有り難みを感じている生徒は決して多いとは言えない。

 身近な人の死に接したり,人間の生命の有限さやかけがえのなさに心を揺り動かされたりする経験をもつことも少なくなっている。

 このことが,生命軽視の軽はずみな言動につながり,いじめなどの社会的な問題となることもある。

 
 

 小学校の段階では,特に高学年で,個々の生命が互いを尊重し,つながりの中にあるすばらしさを考え,生命のかけがえのなさについて理解を深めるとともに,生命に対する畏敬の念を育てられるよう指導している。

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 中学校の段階では,入学して間もない時期には,小学校段階からの生命のかけがえのなさについての理解を一層深めるとともに,人間の生命の有限性だけでなく連続性を考えることができるようになっている。

 学年が上がるにつれて,生命について,連続性や有限性だけでなく,自分が今ここにいることの不思議(偶然性),社会的関係性や自然界における他の生命との関係性などの側面からより多面的・多角的に捉え,考えさせ,生命の尊さを理解できるようになり,かけがえのない生命を尊重することについてより深く学ぶことができるようになる。

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 指導に当たっては,まず,

 人間の生命のみならず
 身近な動植物をはじめ
 生きとし生けるものの生命
 の尊さに気付かせ,

 生命あるものは
 互いに支え合って生き,
 生かされていること

 に感謝の念をもつよう
 指導することが重要な課題となる。

 例えば,

 それぞれの生命体が
 唯一無二の存在であること,

 しかもそれらは
 全て生きているということにおいて
 共通であるということ,

 自分が今ここにいることの
 不思議(偶然性),

 生命にいつか終わりがあること,

 その消滅は
 不可逆的で取り返しがつかないこと
 (有限性),

 生命はずっとつながっているとともに
 関わり合っていること(連続性),

 生命体の組織や生命維持の仕組み
 の不思議

 などを手掛かりに
 改めて考えさせることができる。

 そうした学習を通して,
 自らの生命の大切さを
 深く自覚させるとともに,
 他の生命を尊重する態度を
 身に付けさせる
 ことが大切である。

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 さらに,理科や保健体育,技術・家庭などの他教科等での学習も踏まえつつ,生命倫理に関わる現代的な課題を取り上げ,話し合い,多様な考えを交流することにより,生命とは何か,その尊さを守るためにはどのように考えていったらよいかなど,生命尊重への学びをより深めることもできる。

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 この内容項目は,道徳科の内容全体に関わる項目であり,他の内容項目の指導においても,生命尊重に関連する事項を扱う場合には,この内容項目との関連を意識した指導に留意したい。

 また,教育活動全体の取組を通じて,自己肯定感や自己有用感の高まりから,生徒一人一人の自尊感情を高めることにもつながるような指導の工夫も大切である。

 
 
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