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 年間指導計画は,道徳科の指導が,道徳教育の全体計画に基づき,各教科等の年間指導計画との関連をもちながら,生徒の発達の段階に即して計画的,発展的に行われるように組織された全学年にわたる年間の指導計画である。

 具体的には,道徳科において指導しようとする内容について,学校独自の重点内容項目や生徒の実態や多様な指導方法等を考慮して,学年ごとに主題を構成し,この主題を年間にわたって適切に位置付け,配列し,学習指導過程等を示すなど授業を円滑に行うことができるように示したものである。

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 なお,道徳科の主題は,指導を行うに当たって,何をねらいとし,どのように教材を活用するかを構想する指導のまとまりを示すものであり,「ねらい」とそれを達成するための教材によって構成される。

 このような年間指導計画は,特に次の諸点において重要な意義をもっている。

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ア 3学年間を見通した計画的,発展的な指導を可能にする生徒,学校及び地域の実態に応じて,年間にわたり,また3学年間を見通した重点的な指導や内容項目間の関連を図った指導を可能にする。

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イ 個々の学級において,道徳科の学習指導案を立案するよりどころとなる道徳科の授業は年間指導計画に基づいて実施することが基本であり,個々の学級の生徒の実態に合わせて,年間指導計画における主題の構想を具体化し,学習指導案を具体的に考える際のよりどころとなる。

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ウ 学級相互,学年相互の教師間の研修などの手掛かりとなる年間指導計画を踏まえて授業前に指導方法等を検討したり,情報を交換したり,授業を実際に参観し合ったりするときの基本的な情報として生かすことができる。

 
 

 年間指導計画は,各学校において道徳科の授業を計画的,発展的に行うための指針となるものであり,各学校が創意工夫をして作成されるものであるが,上記の意義に基づいて,特に次の内容を明記しておくことが必要である。

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ア 各学年の基本方針

 全体計画に示されている道徳教育の目標に基づき,道徳科における指導について学年ごとの基本方針を具体的に示す。

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イ 各学年の年間にわたる指導の概要

 具備することが求められる事項としては,次のものがある。

(ア)指導の時期

 学年又は学級ごとの実施予定の時期を記載する。

(イ)主題名

 ねらいと教材で構成した主題を,授業の内容が概観できるように端的に表したものを記述する。

(ウ)ねらい

 道徳科の内容項目を基に,ねらいとする道徳的価値や道徳性の様相を端的に表したものを記述する。

(エ)教材

 教科用図書やその他,授業において用いる副読本等の中から,指導で用いる教材の題名を記述する。なお,出典等を併記する。

(オ)主題構成の理由

 ねらいを達成するために教材を選定した理由を簡略に示す。

(カ)学習指導過程と指導の方法

 ねらいを踏まえて,教材をどのように活用し,どのような学習指導過程や指導方法で学習を進めるのかについて簡潔に示す。

(キ)他の教育活動等における道徳教育との関連

 他の教育活動において授業で取り上げる道徳的価値に関わってどのような指導が行われるのか,日常の学級経営においてどのような配慮がなされるのかなどを示す。

(ク)その他

 例えば,校長や教頭などの参加,他の教師の協力的な指導の計画,保護者や地域の人々の参加・協力の計画,複数の時間で取り上げる内容項目の場合は各時間の相互の指導の関連などの構想,年間指導計画の改善に関わる事項を記述する備考欄などを示すことが考えられる。

 なお,指導の時期,主題名,ねらい及び教材を一覧にした配列表だけでは年間指導計画としては機能しにくい。

 そのような一覧表を示す場合においても,学習指導過程等を含むものなど,各時間の指導の概要が分かるようなものを加えることが求められる。

 
 
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