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中学校 学習指導要領 【解説】 |
道徳編 |
第4章 指導計画の作成と内容の取扱い |
第3節 指導の配慮事項 |
3 生徒が主体的に道徳性を育むための指導 |
中学校 学習指導要領 【本文】 |
「第3章 特別の教科 道徳」の 「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の2 |
(3) 生徒が自ら道徳性を養う中で,自らを振り返って成長を実感したり,これからの課題や目標を見付けたりすることができるよう工夫すること。 その際,道徳性を養うことの意義について,生徒自らが考え,理解し,主体的に学習に取り組むことができるようにすること。 また,発達の段階を考慮し,人間としての弱さを認めながら,それを乗り越えてよりよく生きようとすることのよさについて,教師が生徒と共に考える姿勢を大切にすること。 |
中学校 学習指導要領 【解説】 |
道徳教育の本来の使命に鑑みれば,特定の価値観を押し付けたり,主体性をもたず言われるままに行動するように指導したりすることは,道徳教育が目指す方向の対極にあるものと言わなければならない。 むしろ,多様な価値観の,時に対立がある場合を含めて,人間としてよりよく生きるために道徳的価値に向き合い,いかに生きるべきかを自ら考え続ける姿勢こそ道徳教育が求めるものと言える。 |
(1) 自らの成長を実感したり,課題や目標を見付けたりする工夫 |
授業では,学習の始めに生徒自らが学びたいという課題意識や課題追究への意欲を高め,学習の見通しなどをもたせることが大切である。 道徳科においても,それらを踏まえ,教材や生徒の生活体験などを生かしながら,一定の道徳的価値に関わる物事を多面的・多角的に捉えることができるようにする必要がある。 さらに,理解した道徳的価値から自分の生活を振り返り,自らの成長を実感したり,これからの課題や目標を見付けたりできるようにすることが望まれる。 -------------------------------- そのため,道徳的価値や生徒自身の生活について多様な観点から捉え直し,生徒が納得できる考えを自ら導き出す上で効果的な教材を選択したり,その教材の特質を生かすとともに,一人一人が意欲的で主体的に取り組むことができる表現活動や話合い活動を仕組んだり,学んだ道徳的価値に照らして,自らの生活や考えを見つめるための具体的な振り返り活動を工夫したりすることが必要である。 さらに,必要に応じて,授業開始時と終了時における考えがどのように変容したのかが分かるような活動を工夫することも効果的である。 -------------------------------- また,特定の価値観の押し付けにならないよう,道徳科における主体的かつ効果的な学び方を生徒自らが考えることができるような工夫をすることも大切である。 そして,生徒の発達の段階に応じて,生徒自らが道徳的価値を実現するための課題や目標,道徳性を養うことのよさや意義について考えることができるような指導を工夫することも大切である。 -------------------------------- なお,年度当初に,道徳科の年間35単位時間以上の学習全体を見通し,学年の始めの自分の有様やこれからの自らの課題や目標を捉えるための学習を行うことも効果的である。 そして,その望ましい自分の在り方を求めて,年度途中や年度末に,それまでの学習や自分自身を適宜振り返ることで,自らの道徳的成長を実感したり,新たな課題や目標をもったりする学習を工夫することも考えられる。 そのことによって,道徳的価値や人間としての生き方について引き続き考え続ける態度を養い,長い期間の中で,主体的で意欲的に生き方を学ぶ道徳科の学習とすることができる。 -------------------------------- そのためにも,教師自らが生徒と共に自らの道徳性を養い,よりよく生きようという姿勢を大切にし,日々の授業の中で愛情をもった生徒への指導をすることが重要となる。 |
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