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中学校 学習指導要領 【解説】 |
総合的な学習の時間編 |
第2章 総合的な学習の時間の目標 |
第2節 目標の趣旨 |
2 総合的な学習の時間で育成することを目指す資質・能力 |
総合的な学習の時間で育成することを目指す資質・能力については,他教科等と同様に,総則に示された「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」という三つの柱から明示された。 |
目標(1) |
※知識及び技能 |
中学校 学習指導要領 【本文】 |
(1) 探究的な学習の過程において,課題の解決に必要な知識及び技能を身に付け,課題に関わる概念を形成し,探究的な学習のよさを理解するようにする。 |
中学校 学習指導要領 【解説】 |
総合的な学習の時間の内容は,後述のように各学校において定めるものである。 このため,従来は,総合的な学習の時間において身に付ける資質・能力として,どのような知識を身に付けることが必要かということについては,具体的に示されてこなかった。 しかし,この時間の学習を通して生徒が身に付ける知識は質・量ともに大きな意味をもつ。 探究的な見方・考え方を働かせて,教科等横断的・総合的な学習に取り組むという総合的な学習の時間だからこそ獲得できる知識は何かということに着目することが必要である。 総合的な学習の時間における探究の過程では,生徒は,教科等の枠組みを超えて,長時間じっくり課題に取り組む中で,様々な事柄を知り,様々な人の考えに出会う。 その中で,具体的・個別的な事実だけでなく,それらが複雑に絡み合っている状況についても理解するようになる。 その知識は,教科書や資料集に整然と整理されているものを取り込んで獲得するものではなく,探究の過程を通して,自分自身で取捨・選択し,整理し,既にもっている知識や体験と結び付けながら,構造化し,身に付けていくものである。 こうした過程を経ることにより,獲得された知識は,実社会・実生活における様々な課題の解決に活用可能な生きて働く知識,すなわち概念が形成されるのである。 -------------------------------- 各教科等においても,「主体的・対話的で深い学び」を通して,事実的な知識から概念を獲得することを目指すものである。 総合的な学習の時間では,各教科等で習得した概念を実生活の課題解決に活用することを通して,それらが統合され,より一般化されることにより,汎用的に活用できる概念を形成することができる。 -------------------------------- 技能についても同様である。 課題の解決に必要な技能は,例えば,インタビューのときには,聞くべきことを場合分けしながら計画する技能,資料を読み取るときには,大事なことを読み取ってまとめる技能,稲刈りなどの農業体験をするときには,安全に気を付けて体を動かす技能などが考えられる。 こうした技能は,各教科等の学習を通して,事前にある程度は習得されていることを前提として行われつつ,探究を進める中でより高度な技能が求められるようになる。 このような必要感の中で,注意深く体験を積んで,徐々に自らの力でできるようになり身体化されていく。 技能と技能が関連付けられて構造化され,統合的に活用されるようにもなる。 -------------------------------- 探究的な学習のよさを理解するということは,探究的な学習はよいものだとい うようなことを生徒が観念的に説明できるようになることを目指すものではない。 総合的な学習の時間だけではなく,様々な場面で生徒自らが探究的に学習を進めるようになることが,そのよさを理解した証となる。 そのためには,この時間で行う探究的な学習が,学習全般や生活と深く関わっていることや学びという営みの本質であることへの気付きを大事にすることが欠かせない。 -------------------------------- 一方で,身に付けた知識及び技能や思考力,判断力,表現力等が総合的に活用,発揮されることが,探究的な学習のよさでもある。 学んだことの有用性を実感するためにも,他教科等とこの時間との資質・能力の関連を,生徒自身が見通せるようにする必要がある。 そのためにも,学習を進める中で,その関連を明示していくことや,学習においてどのような関連が実現されたのかを振り返ることなどが考えられる。 |
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