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(5) 体験活動については,第1の目標並びに第2の各学校において定める目標及び内容を踏まえ,探究的な学習の過程に適切に位置付けること。

 総合的な学習の時間では体験活動を重視している。

 しかし,ただ単に体験活動を行えばよいわけではなく,それを探究的な学習の過程に適切に位置付けることが重要である。

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 探究的な学習の過程に適切に位置付けるとは,

 一つには,
 設定した探究課題に迫り,
 課題の解決につながる体験活動
 であること

 が挙げられる。

 予想を立てた上で
 検証する体験活動を行ったり,
 体験活動を通して
 実感的に理解した上で
 課題を再設定したりする
など,

 探究課題の解決に向かう学習
 の過程に
 適切に位置付けること
 が欠かせない。

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 二つには,
 生徒が
 主体的に取り組むことのできる
 体験活動
であること
 が挙げられる。

 そのためには,
 生徒の発達に合った,
 生徒の興味・関心に応じた
 体験活動
であること
 が必要となる。

 生徒にとって
 過度に難しかったり,
 明確な目的をもてなかったりする
 体験活動では
 十分な成果を得ることができない。

 
 

 こうした体験活動を行う際には,
 次の点に配慮したい。

 まずは,
 年間を見通した適切な時数の範囲で
 行われる体験活動であること
 が挙げられる。

 十分な体験活動を位置付けることは
 当然であるが,
 何のための体験活動なのか
 を明らかにし,
 その目的のために必要な時数を
 確保することが大切である。

 

 また,
 生徒の安全に対して,
 十分に配慮した体験活動であること
 も挙げられる。

 体験活動は,
 それ自体が魅力的であり
 生徒の意欲を喚起することが多い。

 また,
 屋外で行ったり,
 機材などを使ったりする
 ダイナミックな活動であることも多い。

 事前の準備や人的な手配などを
 丁寧に行い,
 十分な安全確保の中で
 体験活動の魅力を存分に引き出す
 ようにすることが望まれる。

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 このように
 意図的・計画的に
 体験活動を位置付けることによって,
 探究的な学習の過程は
 一層充実し,
 総合的な学習の時間で育成を目指す
 資質・能力
 が確実に身に付くと考えられる。

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 なお,
 体験活動の具体例としては,
 例えば,
 職場での体験を通して
 実社会を垣間見ることにより
 勤労観・職業観を醸成する
 職場体験活動
 なども考えられる。

 この体験活動は,
 特別活動として実施する
 勤労生産・奉仕的行事
 として行うことも考えられるが,

 総合的な学習の時間に位置付けて
 実施する場合には,
 問題の解決や探究活動に
 適切に位置付く学習活動
 でなければならない。

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 このように
 総合的な学習の時間において,
 学校行事と関連付けて
 体験活動を実施することもあり得る。

 しかし,
 その場合でも,必ず

 総合的な学習の時間の
 目標及び内容を
 踏まえたものであること,

 探究的な学習の過程に
 位置付いていること

 などを満たさなければならない。

 

 その上で
 実際に
 総合的な学習の時間の要件を満たす
 活動の時数だけを
 正確に算出して,
 総合的な学習の時間の時数として
 計上することが求められる。

 
 

 平成20年の
 学習指導要領解説において,

 運動会の準備や応援練習などは
 総合的な学習の時間として
 適切ではないこと

 が明記されたが,
 一方で
 十分な改善が図られていない
 という指摘もある。

 総合的な学習の時間と
 特別活動との
 目標や内容の違いを踏まえ,

 それぞれの時間に相応しい体験活動
 を行わなければならない。

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 総合的な学習の時間と
 特別活動
 との関連を意識し,
 適切に体験活動を位置付ける
 ためには,
 次のような点に十分配慮すべきである。

 

 例えば,
 修学旅行と関連を図る場合は,

 その土地に行かなければ解決し得ない
 学習課題を
 生徒自らが設定していること,

 現地の学習活動の計画を
 生徒が立てること,

 その上で,
 現地では
 見学やインタビューの機会を設けるなど
 生徒の自主的な学習活動を
 保障すること,

 事後は,
 解決できた部分をまとめ,
 解決できなかった部分を
 別の手段で追究する
 学習活動
 を行うことなど,

 一連の学習活動が
 探究的な学習となっていること
 が必要である。

 

 こうしたことに十分配慮した上で,
 総合的な学習の時間と
 特別活動とを関連させて
 実施することが考えられる。

 その際,
 総合的な学習の時間の目標や内容に
 関わらない時間については,
 総合的な学習の時間に該当しないこと
 は当然であり,
 適切な時数が配当されるよう
 十分に注意しなければならない。

 
 
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