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(8) 職業や自己の将来に関する学習を行う際には,探究的な学習に取り組むことを通して,自己を理解し,将来の生き方を考えるなどの学習活動が行われるようにすること。

 「職業や自己の将来に関する学習」とは,

 成長とともに大人に近づいていること
 を実感すること,

 自らの将来を展望すること,

 実社会に出て働くことの意味
 を考えること,

 どのような職業があるのかを知り,
 どのような職業に就きたいのか,
 そのためにはどうすればよいのか
 を考えること

 などである。

 

 このように,
 職業や自己の将来に関する学習を
 行うことは,
 中学生にとって,
 とても関心の高いことであり,
 中学生の発達にふさわしいものである。

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 中学生は,
 未熟ながらも
 大人に近い心身の力をもつようになる。

 大人の社会と関わる中で,
 大人もそれぞれ
 自分の世界をもちつつ,
 社会で責任を果たしていること
 に気付いていく。

 また,
 義務教育修了段階において,
 進路選択を迫られる場面にも出会う。

 

 こうした時期に,

 働くことや職業を
 自分との関わりで考えることや,

 自己の将来を展望しようとすることは,

 自己の生き方を考えることに
 直接つながる重要な学習である。

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 その際,
 問題の解決や探究活動
 を通して行うことが欠かせない。

 生徒が自ら
 職業や自己の将来に関わる課題を
 設定し,
 自らの力で解決に取り組み,
 その結果として
 生徒一人一人が
 自己の生き方を真剣に考える
 学習活動

 が展開されることが求められる。

 

 例えば,
 職場体験活動を
 問題の解決や探究活動の過程に
 位置付ける場合においても,

 事前に様々な職業などについて調べ,
 そこから生徒が
 課題を見付け,
 体験する職場を探すなどして,
 職場体験に臨むことが考えられる。

 

 さらに,
 職場での体験活動においても,
 そこで働く人と直接関わったり,
 目的と照らし合わせて考えたりする
 ことなども大切になる。

 また,
 職場体験を終えた後も,
 単に感想を発表するだけでなく,
 課題や目的に照らして
 何を考えたのか,
 更に
 どのような課題が生まれてきたのか
 などについて,
 レポートにまとめたり
 発表したりして,
 問題の解決や探究活動が連続すること
 が重要である。

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 このような学習活動を通して,
 生徒が自分自身の特徴を
 内省的に捉えたり,
 周囲との関係で理解したりして,

 学ぶ意味や
 自分の将来,人生について
 考えることが期待される。

 
 

 なお,
 総合的な学習の時間における
 職場体験活動と
 特別活動との関係が
 問題となる場合がある。

 これについては,
 学習指導要領の
 第1章総則の第2の3の(2)のエに

 「総合的な学習の時間における
  学習活動により,
  特別活動の学校行事に掲げる
  各行事の実施と同様の成果が
  期待できる場合においては,

  総合的な学習の時間における
  学習活動をもって
  相当する特別活動の学校行事
  に掲げる各行事
  の実施に替えることができる。」

 との記述がある。

 

 この記述は,

 総合的な学習の時間として,
 問題の解決や探究活動の過程に
 適切に位置付けて
 職場体験活動を実施した結果,

 勤労の尊さや職業
 に関わる啓発的な体験
 が得られるようにする
 という特別活動の学校行事の成果が
 期待できる場合には,

 特別活動の勤労生産・奉仕的行事の
 実施に替えてもよいこと
 を示しているものである。

 

 特別活動の学校行事の実施が,
 そのまま
 総合的な学習の時間の実施
 とみなされるものではないことに,
 留意する必要がある。

 
 
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