cosnavi.jp

 全体計画とは,指導計画のうち,学校として,総合的な学習の時間の教育活動の基本的な在り方を示すものである。

 今回の改訂で,総合的な学習の時間の目標は,その学校の教育目標と直接つながるものである趣旨が示されたところである。

--------------------------------

 具体的には,各学校において定める目標,及び内容について明記するとともに,学習活動,指導方法,指導体制,学習の評価等についても,その基本的な内容や方針等を概括的・構造的に示すことが考えられる。

 すなわち,
 全体計画に盛り込むべきものとしては,

@ 必須の要件として記すもの,

A 基本的な内容や方針等を
  概括的に示すもの,

B その他,
  各学校が
  全体計画を示す上で
  必要と考えるもの,

 の三つに分けて考えられる。

--------------------------------

@ 必須の要件として記すもの

・ 各学校における教育目標

・ 各学校において定める目標

・ 各学校において定める内容

 (目標を実現するにふさわしい
  探究課題,
  探究課題の解決を通して
  育成を目指す具体的な資質・能力)

--------------------------------

A 基本的な内容や方針等を
  概括的に示すもの

・ 学習活動

・ 指導方法

・ 指導体制
 (環境整備,外部との連携を含む)

・ 学習の評価

--------------------------------

B その他,
  各学校が全体計画を示す上で
  必要と考えるもの。

 具体的には,
 例えば,
 以下のような事項等が考えられる。

・ 年度の重点・地域の実態・学校の実態・生徒の実態・保護者の願い・地域の願い・教職員の願い

・ 各教科等との関連・地域との連携・小学校や高等学校等との連携・近隣の中学校との連携

など

 
 

※当枠の内容は、見やすさのため再掲

@ 必須の要件として記すもの

・ 各学校における教育目標

・ 各学校において定める目標

・ 各学校において定める内容

 (目標を実現するにふさわしい
  探究課題,
  探究課題の解決を通して
  育成を目指す具体的な資質・能力)

 @に示す三つの事項については,本章で述べてきた通りである。


※当枠の内容は、見やすさのため再掲

A 基本的な内容や方針等を
  概括的に示すもの

・ 学習活動

・ 指導方法

・ 指導体制
 (環境整備,外部との連携を含む)

・ 学習の評価

 Aの概括的に示す四つの事項
 については,
 本解説第6章から第9章までを参考に,
 各学校として,
 この時間の教育活動の
 基本的な在り方を示すために
 必要な内容や方針
 に絞って,
 数点を箇条書きにするなど
 簡潔な記述となるよう
 工夫する必要がある。

--------------------------------

 参考として,
 記述の一例を以下に示す。

 あくまで一例であり,
 各学校はこれにとらわれることなく,
 生徒や学校,地域の実態等に応じて
 工夫が求められること
 は言うまでもない。

・ 第1学年は地域,環境,
 第2学年は職業,健康,
 第3学年は福祉,国際理解
 から探究課題を設定

・ 学級ごとに1年間1テーマでの取組を基本として実施

・ 学年合同で行う単元と,学級独自で行う単元を設けて実施

・ 第3学年は個別探究による卒業研究を実施

・ 農業体験は年間を通しての帯単元として実施

・ 10月と2月の発表会を節目とした単元展開の工夫

など

・ 生徒の課題意識を連続発展させる支援

・ 個に応じた指導の工夫

・ 諸感覚を駆使する体験活動の重視

・ 協働的な学習活動の充実

・ 教科等との関連的な指導の重視

・ 対話を中心とした個別支援の徹底

・ 言語活動による体験の意味の自覚化

など

・ 運営委員会における校内の連絡調整と支援体制の確立

・ カリキュラム管理室を拠点とした情報の集積と活用

・ 地域学校協働活動推進員等のコーディネーターとの連携体制

・ 地域教育力の人材バンクへの登録と効果的運用

・ ティーム・ティーチングの日常化

・ ワークショップ研修の重視

・ 担任外の教職員による支援体制の樹立

・ メディアセンターとしての余裕教室の整備・充実

など

・ ポートフォリオを活用した評価の充実

・ 観点別学習状況を把握するための評価規準の設定

・ 個人内評価の重視

・ 指導と評価の一体化の充実

・ 学期末,学年末における指導計画の評価の実施

・ 授業分析による学習指導の評価の重視

・ 学校運営協議会における教育課程に対する評価の実施

など

 
 

※当枠の内容は、見やすさのため再掲

B その他,
  各学校が全体計画を示す上で
  必要と考えるもの。

 具体的には,
 例えば,
 以下のような事項等が考えられる。

・ 年度の重点・地域の実態・学校の実態・生徒の実態・保護者の願い・地域の願い・教職員の願い

・ 各教科等との関連・地域との連携・小学校や高等学校等との連携・近隣の中学校との連携

など

 Bのその他,
 各学校が必要と考える事項については,
 Aの概括的に示す四つの事項と同じく,
 この時間の教育活動の
 基本的な在り方を示すために
 必要な内容や方針
 に絞って,
 箇条書きにするなど
 簡潔な記述となるよう
 工夫する必要がある。

 全体計画の書式については,
 学校として,
 この時間の教育活動の
 基本的な在り方を
 概括的・構造的に示す
 という趣旨から,
 基本的には
 各要素の関係が分かるよう
 簡潔に示すことが求められる。

 また,
 盛り込まれた事項相互の関係が
 容易に把握できるよう,
 記述や表現を工夫することも
 必要である。

 
 
→ 中学校
総合的な学習の時間編
目次
→ 小学校
総合的な学習の時間編
目次
→ 中学校学習指導要領(2017)目次
→ 学習指導要領ナビ
トップページ