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 各教科等の指導は一定の時間内で行われるものであり,これらに対する授業時数の配当は,教育課程編成の上で重要な要素である。

 各教科等の授業時数については,学校教育法施行規則において各教科等の年間授業時数の標準を定め,学習指導要領において年間の授業週数などを定めている。

 また,学習指導要領では,特別活動のうち,児童会活動,クラブ活動及び学校行事については,それらの内容に応じ,適切な授業時数を充てるものとし,また,給食,休憩などの時間については,学校において工夫を加え,適切に定めるものとしている。

  各学校においては,これらを踏まえ,学校の教育課程全体のバランスを図りながら,児童や学校及び地域の実態等を考慮し,学習指導要領に基づいて各教科等の教育活動を適切に実施するための授業時数を具体的に定め,適切に配当する必要がある。

 その際,授業時数の確保を単に形式的に行うのではなく,個に応じた指導などの指導方法・指導体制や教材等の工夫改善を行うなど授業等の質的な改善を図ることにより各教科等の指導に必要な時間を実質的に確保する必要がある。

 各学年における各教科,道徳科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動の年間の授業時数並びに各学年の年間の総授業時数は,学校教育法施行規則第51条において次のように定めている。

 この年間の総授業時数は,学校週5日制を前提として定めたものである。

学校教育法施行規則
第51条

 小学校(第52条の2第2項に規定する中学校連携型小学校及び第79条の9第2項に規定する中学校併設型小学校を除く。)の各学年における各教科,道徳,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの授業時数並びに各学年におけるこれらの総授業時数は,別表第1に定める授業時数を標準とする。

別表第1(第51条関係)

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備考

1 この表の授業時数の1単位時間は,45分とする。

2 特別活動の授業時数は,小学校学習指導要領で定める学級活動(学校給食に係るものを除く。)に充てるものとする。

3 第50条第2項の場合において,特別の教科である道徳のほかに宗教を加えるときは,宗教の授業時数をもつてこの表の特別の教科である道徳の授業時数の一部に代えることができる。

(別表第2から別表第2の3まで及び別表第4の場合においても同様とする。)

 第1章総則第2の3(1)アのとおり,学習指導要領第2章以下に示す各教科,道徳科,外国語活動及び特別活動の内容に関する事項は,特に示す場合を除き,いずれの学校においても取り扱わなければならないものである。

 別表第1に定めている授業時数は,学習指導要領で示している各教科等の内容を指導するのに要する時数を基礎とし,学校運営の実態などの条件も十分考慮しながら定めたものであり,各学校において年度当初の計画段階から別表第1に定めている授業時数を下回って教育課程を編成することは,上記のような学習指導要領の基準性の観点から適当とは考えられない。

 しかしながら,このことは単に別表第1に示されている各教科等の授業時数を形式的に確保すればよいということを意味するものではない。

 各学校において,この別表第1に示されている授業時数を踏まえ,児童及び学校や地域の実態を考慮しつつ,さらには個に応じた指導などの指導方法・指導体制や,教材等の工夫改善など授業等の質的な改善を図りながら,学習指導要領に基づき教育課程を適切に実施し指導するために必要な時間を実質的に確保するという視点が重要である。

 なお,その際,学校において適切に授業時数を配当する必要がある特別活動の児童会活動,クラブ活動,学校行事や給食,休憩の時間等を含む教育課程全体のバランスを図ることが必要であるのは言うまでもない。

 なお,学校教育法施行規則第51条において,別表第1に定めている授業時数が標準授業時数と規定されているのは,

@指導に必要な時間を実質的に確保するという考え方を踏まえ,各学校においては,児童や地域の実態を十分に考慮して,児童の負担過重にならない限度で別表第1に定めている授業時数を上回って教育課程を編成し,実際に上回った授業時数で指導することが可能であること,

A別表第1に定めている授業時数を踏まえて教育課程を編成したものの災害や流行性疾患による学級閉鎖等の不測の事態により当該授業時数を下回った場合,その確保に努力することは当然であるが,下回ったことのみをもって学校教育法施行規則第51条及び別表第1に反するものとはしない

といった趣旨を制度上明確にしたものである。

 特に,@については,学習指導要領のねらいが十分実現されていないと判断される場合には,指導方法・指導体制の工夫改善を図りながら,標準を上回る適切な指導時間を確保するなど,指導内容の確実な定着を図ることに努めることが必要である。

 その際,年間の行事予定や各教科等の年間指導計画,その実施,改善の状況等について,保護者をはじめ地域住民等に対して積極的に情報提供することも重要である。

 なお,別表第1は,各教科等のそれぞれの授業時数だけでなく,各学年の総授業時数も標準として定めている。したがって,個々の教科等の授業時数と同様に総授業時数についてもその確保を図ることが求められる。

 各学校においては,このような考え方に立って,授業時数を適切に配当した教育課程を編成するとともに,その実施に当たっても,実際に必要な指導時間を確保するよう,学年や学期,月ごと等に授業時数の実績の管理や学習の状況の把握を行うなど,その状況等について自ら点検及び評価を行い,改善に努める必要がある。

 このほか,授業時数の確保に当たっては,各学校において,教師が教材研究,指導の打合せ,地域との連絡調整等に充てる時間を可能な限り確保するため,会議等の持ち方や時間割の工夫など時間の効果的・効率的な利用等に配慮することなどに留意することが求められる。

 
 

ア 各教科等の授業は,年間35週(第1学年については34週)以上にわたって行うよう計画し,週当たりの授業時数が児童の負担過重にならないようにするものとする。

 ただし,各教科等や学習活動の特質に応じ効果的な場合には,夏季,冬季,学年末等の休業日の期間に授業日を設定する場合を含め,これらの授業を特定の期間に行うことができる。

 各教科等の授業時数を年間35週(第1学年については34週)以上にわたって行うように計画することとしているのは,各教科等の授業時数を年間35週以上にわたって配当すれば,学校教育法施行規則別表第1において定めている年間の授業時数について児童の負担過重にならない程度に,週当たり,1日当たりの授業時数を平均化することができることを考慮したものである。

 したがって,各教科等の授業時数を35週にわたって平均的に配当するほか,児童の実態や教科等の特性を考慮して週当たりの授業時数の配当に工夫を加えることも考えられる。

 各学校においてはこの規定を踏まえ,地域や学校及び児童の実態等を考慮し,必要な指導時間を確保するため,適切な週にわたって各教科等の授業を計画することが必要である。

 前回の改訂においては,各教科等や学習活動の特質に応じ効果的な場合には,「夏季,冬季,学年末等の休業日の期間に授業日を設定する場合を含め,」これらの授業を特定の期間に行うことができることを示した。

 これは,教科等や学習活動によっては年間を通ずることなく,夏季,冬季,学年末,農繁期等の休業日の期間に授業日を設定することも含め,特定の期間に集中して行った方が効果的な場合もあることを考慮したものであり,今回の改訂においても引き続き同様の規定としている。

 
 

イ 特別活動の授業のうち,児童会活動,クラブ活動及び学校行事については,それらの内容に応じ,年間,学期ごと,月ごとなどに適切な授業時数を充てるものとする。

 特別活動のうち,児童会活動,クラブ活動及び学校行事の授業時数については,学校教育法施行規則では定められていないが,第1章総則第2の3(2)イにおいて,児童会活動,クラブ活動及び学校行事の授業時数については,それらの内容に応じ,年間,学期ごと,月ごとなどに適切な授業時数を充てることとしている。

 これは,これらの活動の性質上学校ごとの特色ある実施が望まれるものであり,その授業時数を全国一律に標準として定めることは必ずしも適切でないことによるものである。

 クラブ活動については,年間35週以上にわたって実施するものと規定されていた時期もあったが,平成10年の改訂において,学校や地域の実情等を考慮しつつ,児童の興味・関心を踏まえて計画し実施できるよう,学校において適切な授業時数を充てることにした。

 したがって,児童会活動,クラブ活動及び学校行事については,各学校において地域や学校の実態を考慮して実施する活動内容との関わりにおいて授業時数を定める必要がある。

 なお,学校行事については,第6章特別活動において,「児童や学校,地域の実態に応じて,2に示す行事の種類ごとに,行事及びその内容を重点化するとともに,各行事の趣旨を生かした上で,行事間の関連や統合を図るなど精選して実施すること。」としており,学校においてはそのことに留意して授業時数を定めることが大切である。

 
 

(ア) 各教科等のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において,各教科等の年間授業時数を確保しつつ,児童の発達の段階及び各教科等や学習活動の特質を考慮して適切に定めること。

 授業の1単位時間すなわち日常の授業の1コマを何分にするかについては,児童の学習についての集中力や持続力,指導内容のまとまり,学習活動の内容等を考慮して,どの程度が最も指導の効果を上げ得るかという観点から決定する必要がある。

 このため,各教科等の授業の1単位時間は,各学年及び各教科等の年間授業時数を確保しつつ,児童の発達の段階及び各教科等や学習活動の特質を考慮して,各学校において定めることとしている。

 各授業時数の1単位時間を定めるに当たっては,学校教育法施行規則第51条別表第1に定める授業時数の1単位時間は45分とするとの規定は従前どおりとしており,総則でいう「年間授業時数を確保しつつ」という意味は,あくまでも授業時数の1単位時間を45分として計算した学校教育法施行規則第51条別表第1に定める授業時数を確保するという意味であることに留意する必要がある。

 すなわち,各教科等の年間授業時数は各教科等の内容を指導するのに実質的に必要な時間であり,これを確保することは前提条件として考慮されなければならないということである。

 また,具体的な授業の1単位時間は,指導内容のまとまりや学習活動の内容を考慮して教育効果を高める観点に立って,教育的な配慮に基づき定められなければならない。

 さらに,授業の1単位時間の運用については,学校の管理運営上支障をきたさないよう教育課程全体にわたって検討を加える必要がある。

 児童会活動,クラブ活動及び学校行事については,前項で述べたように学校教育法施行規則で年間授業時数が定められていないことから,この規定は適用されないが,これらについても,各学校において,指導内容や児童の発達の段階,さらには児童の学習負担などに十分配慮して適切な時間を定めることになるのは言うまでもない。

 
 

(イ) 各教科等の特質に応じ,10分から15分程度の短い時間を活用して特定の教科等の指導を行う場合において,教師が,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通した中で,その指導内容の決定や指導の成果の把握と活用等を責任をもって行う体制が整備されているときは,その時間を当該教科等の年間授業時数に含めることができること。

 本項では,各教科等の特質に応じ,10分から15分程度の短い時間を活用して特定の教科等の指導を行う際の配慮事項を示している。

 具体的には,例えば15分の短時間を活用した授業や,45分と15分の組み合わせによる60分授業など,児童の発達の段階及び学習内容に応じて特定の教科等の指導を行う場合には,教師が単元や題材など内容や時間のまとまりを見通した中で,その指導内容の決定や指導の成果の把握と活用等を行う校内体制が整備されているときは,当該時間を当該教科等の年間授業時数に含めることができることとするものである。

 このうち特に10分から15分程度の短い時間により特定の教科等の指導を行う場合については,当該教科や学習活動の特質に照らし妥当かどうかの教育的な配慮に基づいた判断が必要であり,例えば,道徳科や特別活動(学級活動)の授業を毎日10分から15分程度の短い時間を活用して行うことは,通常考えられない。

 また,外国語学習の特質を踏まえ,短時間の授業を行う際は,まとまりのある授業時間を確保した上で,両者の関連性を明確にする必要がある。

 このため,年間35単位時間,週当たり1単位時間の外国語活動を短時間で実施することは,上記のようなまとまりのある授業時間を確保する観点から困難である。

 なお,10分から15分程度の短い時間を活用して児童が自らの興味や関心に応じて選んだ図書について読書活動を実施するなど指導計画に位置付けることなく行われる活動は,授業時数外の教育活動となることは言うまでもない。

 なお,各教科等における短時間を活用した授業時間の設定に際しての留意点を示すと次のとおりとなる。

 

【授業時間設定に際しての留意点】

・ 各教科等の特質を踏まえた検討を行うこと

・ 単元や題材など内容や時間のまとまりの中に適切に位置付けることにより,バランスの取れた資質・能力の育成に努めること

・ 授業のねらいを明確にして実施すること

・ 教科書や,教科書と関連づけた教材を開発するなど,適切な教材を用いること

 
 

(ウ) 給食,休憩などの時間については,各学校において工夫を加え,適切に定めること。

 給食,休憩などの時間については,各学校において工夫を加え,適切に定めることとしている。

 学校全体の生活時間や日課について工夫を加えるとともに,地域や学校の実態に応じ,給食,休憩の時間の設定を工夫する必要がある。

 
 

(エ) 各学校において,児童や学校,地域の実態,各教科等や学習活動の特質等に応じて,創意工夫を生かした時間割を弾力的に編成できること。

 本項は,各学校においては,時間割を年間で固定するのではなく,児童や学校,地域の実態,各教科等や学習活動の特質等に応じ,弾力的に組み替えることに配慮する必要があることを示している。

 また,「年間の授業週数」については年間35週以上にわたって行うことなく特定の期間に行うことができること(第1章総則第2の3(2)ア),「授業の1単位時間」については各学校において定めること(第1章第2の3(2)ウ(ア))をそれぞれ規定しており,各学校においては児童や学校,地域の実態及び各教科等や学習活動の特質等に応じ,弾力的な教育課程を編成し,実施することができる。

 なお,平成20年1月の中央教育審議会の答申において,「各教科の年間の標準授業時数を定めるに当たっては,子どもの学習や生活のリズムの形成や学校の教育課程編成上の利便の観点から,週単位で固定した時間割で教育課程を編成し学習する方がより効果的・効率的であることを踏まえ,可能な限り35の倍数にすることが望ましい」との提言がなされた。

 この答申を踏まえ,前回の改訂より,例外はあるものの,各教科等の年間の標準授業時数を35の倍数にすることを基本とした。

 
 

 年間の授業日数は,各教科等の授業時数が適切に確保されるとともに,週当たりの授業時数が児童の負担にならないよう配慮して定めるべきものである。

 ところで,年間授業日数については,国の基準では直接定めていないが,通常は休業日を除いた日が授業日として考えられている。

 休業日については,学校教育法施行令及び学校教育法施行規則で次のように定められている。

学校教育法施行令

第29条

 公立の学校(大学を除く。以下この条において同じ。)の学期並びに夏季,冬季,学年末,農繁期等における休業日又は家庭及び地域における体験的な学習活動その他の学習活動のための休業日(次項において「体験的学習活動等休業日」という。)は,市町村又は都道府県の設置する学校にあつては当該市町村又は都道府県の教育委員会が,公立大学法人の設置する高等専門学校にあつては当該公立大学法人の理事長が定める。

2 市町村又は都道府県の教育委員会は,体験的学習活動等休業日を定めるに当たつては,家庭及び地域における幼児,児童,生徒又は学生の体験的な学習活動その他の学習活動の体験的学習活動等休業日における円滑な実施及び充実を図るため,休業日の時期を適切に分散させて定めることその他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

学校教育法施行規則

第61条 公立小学校における休業日は,次のとおりとする。ただし,第3号に掲げる日を除き,当該学校を設置する地方公共団体の教育委員会が必要と認める場合は,この限りでない。

一 国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する日

二 日曜日及び土曜日

三 学校教育法施行令第29条第1項の規定により教育委員会が定める日

第62条 私立小学校における学期及び休業日は,当該学校の学則で定める。

 各教育委員会及び各学校においては,これらの規定等を踏まえて休業日を定める必要がある。

 また,年間授業日数については,学習指導要領で示している各教科等の内容の指導に支障のないよう,適切な日数を確保する必要がある。

 なお,休業日の設定に当たっては,必要な授業時数の確保及び児童への効果的な指導の実現の観点はもとより,児童や学校,地域の実態を踏まえつつ,地域の年中行事その他の様々な学習や体験の機会の確保等に配慮することも大切である。

 
 

エ 総合的な学習の時間における学習活動により,特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合においては,総合的な学習の時間における学習活動をもって相当する特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施に替えることができる。

 総合的な学習の時間においては,児童や学校,地域の実態等に応じて,教科等の枠を超えた横断的・総合的な学習や児童の興味・関心等に基づく学習を行うなど創意工夫を生かした教育活動を行うこととしている。

 今回の改訂においては,各学校で定める総合的な学習の時間の目標について,「各学校における教育目標を踏まえ,総合的な学習の時間を通して育成を目指す資質・能力を示す」とともに,「他教科等の目標及び内容との違いに留意しつつ,他教科等で育成を目指す資質・能力との関連を重視する」こととしており(第5章総合的な学習の時間第2の3(1)及び(2)),各学校の教育目標と直接つながる重要な役割を位置付けている。

 また,特に他教科等との関係について,「他教科等の目標及び内容との違いに留意しつつ,第1の目標並びに第2の各学校において定める目標及び内容を踏まえた適切な学習活動を行うこと」と規定し(第5章総合的な学習の時間第3の1(4)),他教科等と連携しながら,問題の解決や探究活動を行うという総合的な学習の時間の特質を十分に踏まえた活動を展開する必要を示した。

 同様に,言語活動の充実との関係では,「探究的な学習の過程においては,他者と協働して課題を解決しようとする学習活動や,言語により分析し,まとめたり表現したりするなどの学習活動が行われるようにすること。」と規定している(第5章総合的な学習の時間第3の2(2))。

 これらを前提として,総合的な学習の時間においては,自然体験やボランティア活動などの社会体験,ものづくり,生産活動などの体験活動,観察・実験,見学や調査,発表や討論などの学習活動を積極的に取り入れることの必要性を明らかにし,その際は,体験活動を探究的な学習の過程に適切に位置付けることを求めている。

 総合的な学習の時間において,例えば,自然体験活動やボランティア活動を行う場合において,これらの活動は集団活動の形態をとる場合が多く,よりよい人間関係の形成や公共の精神の育成など,特別活動の趣旨も踏まえた活動とすることが考えられる。

すなわち,

・ 総合的な学習の時間に行われる自然体験活動は,環境や自然を課題とした問題の解決や探究活動として行われると同時に,「自然の中での集団宿泊活動などの平素と異なる生活環境にあって,見聞を広め,自然や文化などに親しむとともに,よりよい人間関係を築くなどの集団生活の在り方や公衆道徳などについての体験を積むことができる」遠足・集団宿泊的行事と,

・ 総合的な学習の時間に行われるボランティア活動は,社会との関わりを考える学習活動として行われると同時に,「勤労の尊さや生産の喜びを体得するとともに,ボランティア活動などの社会奉仕の精神を養う体験が得られる」勤労生産・奉仕的行事と,

それぞれ同様の成果も期待できると考えられる。

 このような場合,総合的な学習の時間とは別に,特別活動として改めてこれらの体験活動を行わないとすることも考えられる。このため,本項により,総合的な学習の時間の実施による特別活動の代替を認めている。

 なお,本項の記述は,総合的な学習の時間において,総合的な学習の時間と特別活動の両方の趣旨を踏まえた体験活動を実施した場合に特別活動の代替を認めるものであって,特別活動において体験活動を実施したことをもって総合的な学習の時間の代替を認めるものではない。

 また,総合的な学習の時間において体験活動を行ったことのみをもって特別活動の代替を認めるものでもなく,よりよい人間関係の形成や公共の精神の育成といった特別活動の趣旨を踏まえる必要があることは言うまでもない。

 このほか,例えば,補充学習のような専ら特定の教科等の知識及び技能の習得を図る学習活動や運動会のような特別活動の健康安全・体育的行事の準備などを総合的な学習の時間に行うことは,総合的な学習の時間の趣旨になじまないことは第5章総合的な学習の時間に示すとおりである。

 
 
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