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(6) 児童が自ら学習課題や学習活動を選択する機会を設けるなど,児童の興味・関心を生かした自主的,自発的な学習が促されるよう工夫すること。
 本項は,各教科等の指導を通して資質・能力の三つの柱をバランスよく育成していくため,児童が自ら学習課題や学習活動を選択する機会を設けるなど,児童の興味・関心を生かした自主的,自発的な学習が促されるよう,教育課程の実施上の工夫を行うことを示している。

 各教科等の指導においては,基礎的・基本的な知識及び技能の確実な習得に留意しつつ,児童の興味・関心を生かした学習指導を展開することが大切である。

 児童の興味・関心を生かすことは,児童の学習意欲を喚起する上で有効であり,また,それは自主的,自発的な学習を促すことにつながると考えられるからである。

 この意味で各教科等の指導においては,学習することの意味の適切な指導を行いつつ,基礎的・基本的な知識及び技能の確実な習得を図るとともに,自主的,自発的な学習を促すことによって,児童が学習の目的を自覚し,学習における進歩の状況を意識し,進んで学習しようとする態度が育つよう配慮することが大切である。

 具体的には,各教科等の指導において,基礎的・基本的な知識及び技能の確実な定着を図るとともに,これらの活用を図る学習活動を行うに当たって,児童が主体的に自分の生活体験や興味・関心をもとに課題を見付け,自分なりに方法を選択して解決に取り組むことができるように配慮することが考えられる。

 
 

 例えば,

社会科では,「地域の実態を生かし,児童が興味・関心をもって学習に取り組めるようにすること」を,

算数科では数学的活動の配慮事項として「算数の問題を解決する方法を理解するとともに,自ら問題を見いだし,解決するための構想を立て,実践し,その結果を評価・改善する機会を設けること」を,

家庭科では「家庭や地域との連携を図り,児童が身に付けた知識及び技能などを日常生活に活用できるよう配慮すること」を,

体育科では,「運動や健康についての自己の課題を見付け,その解決のための活動を選んだり工夫したりする活動の充実を図ること」を示している。

 また,道徳科では,「児童が自ら道徳性を養う中で,自らを振り返って成長を実感したり,これからの課題や目標を見付けたりすることができるよう工夫すること」が重要である。

 さらに,総合的な学習の時間でも,主体的・対話的で深い学びの実現に向けて授業改善を進めるに当たり,児童の興味・関心等に基づく学習を行うなど創意工夫を生かした教育活動の充実を図ることが重要である。

 なお,これらの指導は,児童の自立心や自律性を育む上で重要であることを踏まえ,その充実に努めるとともに,児童の実態に応じ,きめ細かな相談に応じたり様々な情報を提供することにも配慮する必要がある。

 
 
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