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1 各学校においては,第1の2の(2)に示す道徳教育の目標を踏まえ,道徳教育の全体計画を作成し,校長の方針の下に,道徳教育の推進を主に担当する教師(以下「道徳教育推進教師」という。)を中心に,全教師が協力して道徳教育を展開すること。

ア 校長の方針の明確化

 道徳教育は,第1章総則第1の2(2)に示すように,学校の教育活動全体で行うものであり,学校の教育課程の管理者である校長は,その指導力を発揮し,学校の道徳教育の基本的な方針を全教師に明確に示すことが必要である。校長は道徳教育の改善・充実を視野におきながら,関係法規や社会的な要請,学校や地域社会の実情,児童の道徳性に関わる実態,家庭や地域社会の期待などを踏まえ,学校の教育目標との関わりで,道徳教育の基本的な方針等を明示しなければならない。

 校長が道徳教育の方針を明示することにより,全教師が道徳教育の重要性についての認識を深めるとともに,学校の道徳教育の重点や推進すべき方向について共通に理解し,具体的な指導を行うことができる。

 また,校長の方針は,全教師が協力して学校の道徳教育の諸計画を作成し,展開し,その不断の改善,充実を図っていく上でのよりどころになるものである。

 
 

イ 道徳教育推進教師を中心とした全教師による協力体制の整備

(ア) 道徳教育推進教師の役割

 道徳教育推進教師には,学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育を推進する上での中心となり,全教師の参画,分担,協力の下に,その充実が図られるよう働きかけていくことが望まれる。

 機能的な協力体制を整えるためには,道徳教育推進教師の役割を明確にしておく必要があり,その役割としては,以下に示すような事柄が考えられる。

・ 道徳教育の指導計画の作成に関すること

・ 全教育活動における道徳教育の推進,充実に関すること

・ 道徳科の充実と指導体制に関すること

・ 道徳用教材の整備・充実・活用に関すること

・ 道徳教育の情報提供や情報交換に関すること

・ 道徳科の授業公開など家庭や地域社会との連携に関すること

・ 道徳教育の研修の充実に関すること

・ 道徳教育における評価に関することなど

 各教師がそれぞれの役割を自覚しその役割を進んで果たす上でも,機能的な協力体制を整えることは重要である。

 なお,道徳教育推進教師については,その職務の内容に鑑み,校長が適切に任ずるとともに,学校の実態に応じて人数等に工夫を加えるなどの創意工夫した対応が求められる。さらに,道徳教育推進教師の研修や近隣の学校の道徳教育推進教師との連携等も積極的に進め,道徳教育の充実に努めることが大切である。

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(イ) 協力体制の充実

 学校が組織体として一体となって道徳教育を進めるためには,校長の明確な方針と道徳教育推進教師等の役割の明確化とともに,全教師が指導力を発揮し,協力して道徳教育を展開できる体制を整える必要がある。

 例えば,学校全体の道徳教育を推進するための組織や家庭や地域社会との連携等の推進上の課題にあわせた組織を設けたり,各学年段階や校務分掌ごとに推進するための体制を整えたりするなど,学校の実情に応じて全教師が積極的に関わることができる機能的な協力体制を構築することが大切である。

 
 
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