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2 各学校においては,児童の発達の段階や特性等を踏まえ,指導内容の重点化を図ること。

 その際,各学年を通じて,自立心や自律性,生命を尊重する心や他者を思いやる心を育てることに留意すること。

 また,各学年段階においては,次の事項に留意すること。

(1) 第1学年及び第2学年においては,挨拶などの基本的な生活習慣を身に付けること,善悪を判断し,してはならないことをしないこと,社会生活上のきまりを守ること。

(2) 第3学年及び第4学年においては,善悪を判断し,正しいと判断したことを行うこと,身近な人々と協力し助け合うこと,集団や社会のきまりを守ること。

(3) 第5学年及び第6学年においては,相手の考え方や立場を理解して支え合うこと,法やきまりの意義を理解して進んで守ること,集団生活の充実に努めること,伝統と文化を尊重し,それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに,他国を尊重すること。

 道徳教育を進めるに当たっては,児童の発達の段階や特性等を踏まえるとともに,学校,地域社会等の実態や課題に応じて,学校としての指導の重点に基づき各学年段階の指導内容についての重点化を図ることが大切である。

 どのような内容を重点的に指導するかは,最終的には,各学校が学校の実情や児童の実態などを踏まえ決定するものであるが,その際には社会的な要請や今日的課題についても考慮し,次のような配慮を行うことが求められる。

 
 
 小学校においては,生きる上で基盤となる道徳的価値観の形成を図る指導を徹底するとともに自己の生き方についての指導を充実する観点から,各学年を通じて,自立心や自律性,生命を尊重する心,他者を思いやる心の育成に配慮することが大切である。

 自立心や自律性は,児童がよりよい生き方を目指し,人格を形成していく上で核となるものであり,自己の生き方や人間関係を広げ,社会に参画をしていく上でも基盤となる重要な要素である。

 特に,小学校の段階では,児童が自己を肯定的に受け止め,自分の生活を見直し,将来に向けて夢や希望をもち,よりよい生活や社会をつくり出そうとする態度の育成が求められている。

 その際,児童が自己理解を深め,自己を肯定的に受け止めることと,自己に責任をもち,自律的な態度をもつことの両面を調和のとれた形で身に付けていくことができるようにすることが重要である。

 生命を尊重する心は,生命の尊厳を感得し,生命ある全てのものを尊重しようとする心のことである。

 生命を尊重する心の育成は,道徳教育を進めるに当たって特に留意しなければならないこととして生命に対する畏敬の念を生かすことを示しているように,豊かな心を育むことの根本に置かれる重要な課題の一つである。

 いじめによる自殺などが社会的な問題となっている現在,児童が生きることを喜ぶとともに,生命に関する問題として老いや死などについて考え,他者と共に生命の尊さについて自覚を深めていくことは,特に重要な課題である。

 他を思いやる心は,児童が自立した一人の人間として人生を他者と共に,よりよく生きる人格形成を図る道徳教育の充実を目指す上で不可欠なものである。

 相手の気持ちや立場を推し量り自分の思いを相手に向けることは,よりよい人間関係を築くために重要である。

 
 
 各学年を通じて配慮することに加えて,各学年段階においては,次の事項に留意することが求められる。

 第1学年及び第2学年の段階では,挨拶などの基本的な生活習慣を身に付けることや善悪を判断し,してはならないことをしないこと,社会生活上のきまりを守ることについて配慮して指導に当たることが求められる。

 基本的な生活習慣は,健全な生活を送る上で必要なものであり,健康や安全に関わること,物の活用や整理整頓に関わることなどがあるが,小学校生活の入門期で身に付くような指導をすることが求められる。

 善悪を判断し,してはならないことをしないことは,例えば,うそを言わない,人を傷付けない,人のものを盗まないなど,人としてしてはならないことや善悪について自覚し,その上に立って社会生活上のきまりを守ることができるよう指導することが大切である。

 第1学年及び第2学年の段階では,幼児期の教育との接続に配慮するとともに,家庭と連携しながら,これらの内容を繰り返し指導することが大切である。

 第3学年及び第4学年では,善悪を判断し,正しいと判断したことを行うこと,身近な人々と協力し助け合うこと,集団や社会のきまりを守ることに配慮して指導に当たることが求められる。

 一般に,この段階の児童は,学校生活に慣れ,行動範囲や人間関係が広がり活動的になる。

 他方,社会的認識能力をはじめ思考力が発達し,視野が拡大するとともに,内省する心も育ってくると言われる。

 第1学年及び第2学年の重点を踏まえた指導の充実を基本として,特に身近な人々と協力し助け合うこと,さらには集団や社会のきまりを守ることについて理解し,自ら判断できる力を育てることへの配慮が求められる。

 第5学年及び第6学年では,相手の考え方や立場を理解して支え合うこと,法やきまりの意義を理解して進んで守ること,集団生活の充実に努めること,伝統と文化を尊重し,それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに,他国を尊重することに配慮することが大切になる。

 この段階は,小学校教育の完成期であり高学年段階の児童としての自覚ある行動が求められる。

 第3学年及び第4学年の重点を踏まえた指導の充実を基本として,日本人としての自覚をもって我が国の伝統と文化を理解し,それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに他国の伝統と文化を尊重することなどに関する指導に配慮することが求められる。

 この時期の児童は,知識欲も旺盛で,集団における自己の役割の自覚も大いに進む。

 自己や社会の未来への夢や目標を抱き,理想を求めて主体的に生きていく力の育成が図られるよう,それまでの学年における指導を踏まえ,中学校段階との接続も視野に入れ,特に国家・社会の一員としての自覚を育てることを重視した適切な指導を行う必要がある。

 
 
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