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 我が国の言語文化に関する事項である。

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 我が国の言語文化とは,

我が国の歴史の中で
創造され,継承されてきた
文化的に価値をもつ言語そのもの,
つまり文化としての言語,

またそれらを
実際の生活で使用することによって
形成されてきた
文化的な言語生活,

さらには,
古代から現代までの
各時代にわたって,
表現し,受容されてきた
多様な言語芸術や芸能など

を幅広く指している。

今回の改訂では,
これらに関わる

「伝統的な言語文化」,
「言葉の由来や変化」,
「書写」,
「読書」

に関する内容を
「我が国の言語文化に関する事項」
として整理した。

 
 

 伝統的な言語文化に親しむことに関する事項である。

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 我が国の言語文化に触れ,親しんだり,楽しんだりするとともに,その豊かさに気付き,理解を深めることに重点を置いて内容を構成している。

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 各学年のアは,

音読するなどして
言葉の響きやリズムに親しむこと
を系統的に示している。

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 イは,

第1学年及び第2学年では
言葉の豊かさに気付くことを,

第3学年及び第4学年では
ことわざや慣用句,故事成語などの
長い間使われてきた言葉
を知り,使うことを,

第5学年及び第6学年では
作品に表れている
昔の人のものの見方や感じ方
を知ること

を示している。

【伝統的な言語文化】

[第1学年及び第2学年]

ア 昔話や神話・伝承などの読み聞かせを聞くなどして,我が国の伝統的な言語文化に親しむこと。

イ 長く親しまれている言葉遊びを通して,言葉の豊かさに気付くこと。

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[第3学年及び第4学年]

ア 易しい文語調の短歌や俳句を音読したり暗唱したりするなどして,言葉の響きやリズムに親しむこと。

イ 長い間使われてきたことわざや慣用句,故事成語などの意味を知り,使うこと。

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[第5学年及び第6学年]

ア 親しみやすい古文や漢文,近代以降の文語調の文章を音読するなどして,言葉の響きやリズムに親しむこと。

イ 古典について解説した文章を読んだり作品の内容の大体を知ったりすることを通して,昔の人のものの見方や感じ方を知ること。

 
 

 言葉の由来や変化に関する事項である。

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第3学年及び第4学年では
部首と他の部分とによって
漢字が構成されること
を知るとともに,
実際の漢字について
その構成を理解すること
を示している。

第5学年及び第6学年では,
時間や場所による言葉の変化,
言葉の由来に関すること
について理解すること
を示している。

【言葉の由来や変化】

[第1学年及び第2学年]

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[第3学年及び第4学年]

ウ 漢字が,へんやつくりなどから構成されていることについて理解すること。

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[第5学年及び第6学年]

ウ 語句の由来などに関心をもつとともに,時間の経過による言葉の変化や世代による言葉の違いに気付き,共通語と方言との違いを理解すること。

 また,仮名及び漢字の由来,特質などについて理解すること。

 
 

 書写に関する事項である。

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 ここに示す内容を理解し使うことを通して,各教科等の学習活動や日常生活に生かすことのできる書写の能力を育成することが重要となる。

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 文字のまとまった学習は,
小学校入学を期に始まる。

 文字を書く基礎となる
「姿勢」,
「筆記具の持ち方」,
「点画や一文字の書き方」,
「筆順」
などの事項から,

「文字の集まりの書き方」
に関する事項へと,
内容を系統的に示している。

 さらに,
文字や文字の集まりの書き方を
基礎として,
筆記具を選択し効果的に使用するなど,
目的や状況に応じて
書き方を判断して書くこと
について示している。

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 なお,「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の2(1)カに示している書写の学習指導の配慮事項を踏まえる必要がある。

【書写】

[第1学年及び第2学年]

ウ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 姿勢や筆記具の持ち方を正しくして書くこと。

(イ) 点画の書き方や文字の形に注意しながら,筆順に従って丁寧に書くこと。

(ウ) 点画相互の接し方や交わり方,長短や方向などに注意して,文字を正しく書くこと。

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[第3学年及び第4学年]

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 文字の組立て方を理解し,形を整えて書くこと。

(イ) 漢字や仮名の大きさ,配列に注意して書くこと。

(ウ) 毛筆を使用して点画の書き方への理解を深め,筆圧などに注意して書くこと。

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[第5学年及び第6学年]

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 用紙全体との関係に注意して,文字の大きさや配列などを決めるとともに,書く速さを意識して書くこと。

(イ) 毛筆を使用して,穂先の動きと点画のつながりを意識して書くこと。

(ウ) 目的に応じて使用する筆記具を選び,その特徴を生かして書くこと。

 
 

 読書の意義や効用などに関する事項である。

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 読書は,国語科で育成を目指す資質・能力をより高める重要な活動の一つである。

 自ら進んで読書をし,読書を通して人生を豊かにしようとする態度を養うために,国語科の学習が読書活動に結び付くよう発達の段階に応じて系統的に指導することが求められる。

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 なお,「読書」とは,本を読むことに加え,新聞,雑誌を読んだり,何かを調べるために関係する資料を読んだりすることを含んでいる。

【読書】

[第1学年及び第2学年]

エ 読書に親しみ,いろいろな本があることを知ること。

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[第3学年及び第4学年]

オ 幅広く読書に親しみ,読書が,必要な知識や情報を得ることに役立つことに気付くこと。

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[第5学年及び第6学年]

オ 日常的に読書に親しみ,読書が,自分の考えを広げることに役立つことに気付くこと。

 
 
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