cosnavi.jp

 内容の(1)は,学習過程に沿って,
次のように構成している。

○話題の設定,情報の収集,内容の検討

○構成の検討,考えの形成(話すこと)

○表現,共有(話すこと)

○構造と内容の把握,精査・解釈,考えの形成,共有(聞くこと)

○話合いの進め方の検討,考えの形成,共有(話し合うこと)

「A 話すこと・聞くこと」領域の構成

 上表のとおり,今回の改訂では,学習過程を一層明確にし,各指導事項を位置付けた。

 なお,ここに示す学習過程は指導の順序性を示すものではないため,アからオまでの指導事項を必ずしも順番に指導する必要はない。

 また,「話題の設定,情報の収集,内容の検討」に関する指導事項は,「話すこと」,「聞くこと」,「話し合うこと」に共通する指導事項である。

--------------------------------

 なお,「A 話すこと・聞くこと」の学習は,話し手と聞き手との関わりの下で成立する学習であるため,「話すこと」,「聞くこと」,「話し合うこと」の各指導事項は相互に密接な関連がある。

 
 

  日常生活の中から話題を決め,集めた材料から必要な事柄を選んだり,その内容を検討したりすることを示している。

 「話すこと」,「聞くこと」,「話し合うこと」に共通し,また,その他の指導事項と密接に関わるものである。

[第1学年及び第2学年]

ア 身近なことや経験したことなどから話題を決め,伝え合うために必要な事柄を選ぶこと。

---------------------------------

[第3学年及び第4学年]

ア 目的を意識して,日常生活の中から話題を決め,集めた材料を比較したり分類したりして,伝え合うために必要な事柄を選ぶこと。

---------------------------------

[第5学年及び第6学年]

ア 目的や意図に応じて,日常生活の中から話題を決め,集めた材料を分類したり関係付けたりして,伝え合う内容を検討すること。

 
 

 話の内容が明確になるように,構成を考えることを通して,自分の考えを形成することを示している。

--------------------------------

第1学年及び第2学年では,
事柄の順序を,

第3学年及び第4学年では,
理由や事例などを挙げながら,
話の中心が明確になるよう

第5学年及び第6学年では,
事実と感想,意見とを
区別する
などして,

話の構成を考えること
を示している。

--------------------------------

 なお,構成を考えながら改めて材料を集めたり内容を検討したりするなど,必要に応じて柔軟に学習を展開することも重要である。

[第1学年及び第2学年]

イ 相手に伝わるように,行動したことや経験したことに基づいて,話す事柄の順序を考えること。

---------------------------------

[第3学年及び第4学年]

イ 相手に伝わるように,理由や事例などを挙げながら,話の中心が明確になるよう話の構成を考えること。

---------------------------------

[第5学年及び第6学年]

イ 話の内容が明確になるように,事実と感想,意見とを区別するなど,話の構成を考えること。

 
 

 適切に内容を伝えるために,
音声表現を工夫したり,
資料を活用したりすること
を示している。

 音声表現は
そのままでは形に残らないもの
であるため,
伝えたいことが明確になるような
表現の工夫を重視している。

[第1学年及び第2学年]

ウ 伝えたい事柄や相手に応じて,声の大きさや速さなどを工夫すること。

---------------------------------

[第3学年及び第4学年]

ウ 話の中心や話す場面を意識して,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などを工夫すること。

---------------------------------

[第5学年及び第6学年]

ウ 資料を活用するなどして,自分の考えが伝わるように表現を工夫すること。

 
 

話し手が伝えたいことと
自分が聞く必要のあること
の両面を意識しながら聞き,
感想や考えを形成すること
を示している。

[第1学年及び第2学年]

エ 話し手が知らせたいことや自分が聞きたいことを落とさないように集中して聞き,話の内容を捉えて感想をもつこと。

---------------------------------

[第3学年及び第4学年]

エ 必要なことを記録したり質問したりしながら聞き,話し手が伝えたいことや自分が聞きたいことの中心を捉え,自分の考えをもつこと。

---------------------------------

[第5学年及び第6学年]

エ 話し手の目的や自分が聞こうとする意図に応じて,話の内容を捉え,話し手の考えと比較しながら,自分の考えをまとめること。

 
 

 進行を意識して話し合い,互いの意見や考えなどを関わらせながら,考えをまとめたり広げたりすることを示している。

--------------------------------

 話合いは,話すことと聞くこととが交互に行われる言語活動であり,それぞれの児童が話し手でもあり聞き手でもある。

 話合いの過程では,「話すこと」と「聞くこと」に関する資質・能力が一体となって働くため,指導に当たっては,「話すこと」に関する指導事項と「聞くこと」に関する指導事項との関連を図ることが重要である。

[第1学年及び第2学年]

オ 互いの話に関心をもち,相手の発言を受けて話をつなぐこと。

---------------------------------

[第3学年及び第4学年]

オ 目的や進め方を確認し,司会などの役割を果たしながら話し合い,互いの意見の共通点や相違点に着目して,考えをまとめること。

---------------------------------

[第5学年及び第6学年]

オ 互いの立場や意図を明確にしながら計画的に話し合い,考えを広げたりまとめたりすること。

 
 

 内容の(2)には,(1)の指導事項を指導する際の言語活動を例示している。

--------------------------------

 各学年のアには,話し手がある程度まとまった話をし,それを聞いて,聞き手が感想や意見を述べる言語活動を例示している。第3学年及び第4学年,第5学年及び第6学年のイには,情報を収集したり,それらを発信したりする言語活動を例示している。

 第1学年及び第2学年のイ,第3学年及び第4学年,第5学年及び第6学年のウには,目的に沿って話し合うことを通して互いの考えを共有したり,生かし合ったりする言語活動を例示している。

--------------------------------

 各学年の言語活動例は,次のとおりである。

 なお,これらの言語活動は例示であるため,これらの全てを行わなければならないものではなく,これ以外の言語活動を取り上げることも考えられる。

[第1学年及び第2学年]

ア 紹介や説明,報告など伝えたいことを話したり,それらを聞いて声に出して確かめたり感想を述べたりする活動。

イ 尋ねたり応答したりするなどして,少人数で話し合う活動。

---------------------------------

[第3学年及び第4学年]

ア 説明や報告など調べたことを話したり,それらを聞いたりする活動。

イ 質問するなどして情報を集めたり,それらを発表したりする活動。

ウ 互いの考えを伝えるなどして,グループや学級全体で話し合う活動。

---------------------------------

[第5学年及び第6学年]

ア 意見や提案など自分の考えを話したり,それらを聞いたりする活動。

イ インタビューなどをして必要な情報を集めたり,それらを発表したりする活動。

ウ それぞれの立場から考えを伝えるなどして話し合う活動。

 
 
→ 小学校国語編 目次
→ 中学校国語編 目次
→ 小学校学習指導要領(2017)目次
→ 学習指導要領ナビ
トップページ