cosnavi.jp

(1) 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 言葉には,考えたことや思ったことを表す働きがあることに気付くこと。

イ 相手を見て話したり聞いたりするとともに,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などに注意して話すこと。

ウ 漢字と仮名を用いた表記,送り仮名の付け方,改行の仕方を理解して文や文章の中で使うとともに,句読点を適切に打つこと。

 また,第3学年においては,日常使われている簡単な単語について,ローマ字で表記されたものを読み,ローマ字で書くこと。

エ 第3学年及び第4学年の各学年においては,学年別漢字配当表の当該学年までに配当されている漢字を読むこと。

 また,当該学年の前の学年までに配当されている漢字を書き,文や文章の中で使うとともに,当該学年に配当されている漢字を漸次書き,文や文章の中で使うこと。

オ 様子や行動,気持ちや性格を表す語句の量を増し,話や文章の中で使うとともに,言葉には性質や役割による語句のまとまりがあることを理解し,語彙を豊かにすること。

カ 主語と述語との関係,修飾と被修飾との関係,指示する語句と接続する語句の役割,段落の役割について理解すること。

キ 丁寧な言葉を使うとともに,敬体と常体との違いに注意しながら書くこと。

ク 文章全体の構成や内容の大体を意識しながら音読すること。

 
 

(1) 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 言葉には,考えたことや思ったことを表す働きがあることに気付くこと。

[第1学年及び第2学年]

ア 言葉には,事物の内容を表す働きや,経験したことを伝える働きがあることに気付くこと。

---------------------------------

[第3学年及び第4学年]

ア 言葉には,考えたことや思ったことを表す働きがあることに気付くこと。

---------------------------------

[第5学年及び第6学年]

ア 言葉には,相手とのつながりをつくる働きがあることに気付くこと。

---------------------------------

[中学校第1学年]

ア 言葉には,考えたことや思ったことを表す働きがあることに気付くこと。

 第1学年及び第2学年のアを受けて,日常的に用いている言葉には,思考や感情を表す働きがあるということに気付くことを示している。

--------------------------------

 考えたことや思ったことを表す働きとは,

 思考や感情を表出する働きと
 他者に伝える働き
 の両方を含むものである。

 思考や感情を言葉に表す働き
 によって,
 一層明確に
 筋道を立てて物事を考えたり,
 思いを意識化したりする
 ことができる。

 このような言葉の働きに気付くためには,第1学年及び第2学年での「事物の内容を表す働き」や「経験したことを伝える働き」への気付きが基盤となる。

--------------------------------

 この指導事項は〔知識及び技能〕や〔思考力,判断力,表現力等〕に示す様々な内容に関連するが,例えば,考えたことや思ったことを正確に表現するという観点から,〔知識及び技能〕の(1)オの「様子や行動,気持ちや性格を表す語句の量を増し,話や文章の中で使う」こととの関連を図り,指導の効果を高めることが考えられる。

 
 

(1) 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

イ 相手を見て話したり聞いたりするとともに,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などに注意して話すこと。

ウ 漢字と仮名を用いた表記,送り仮名の付け方,改行の仕方を理解して文や文章の中で使うとともに,句読点を適切に打つこと。

 また,第3学年においては,日常使われている簡単な単語について,ローマ字で表記されたものを読み,ローマ字で書くこと。

[第1学年及び第2学年]

イ 音節と文字との関係,アクセントによる語の意味の違いなどに気付くとともに,姿勢や口形,発声や発音に注意して話すこと。

ウ 長音,拗(よう)音,促音,撥(はつ)音などの表記,助詞の「は」,「へ」及び「を」の使い方,句読点の打ち方,かぎ(「 」)の使い方を理解して文や文章の中で使うこと。

 また,平仮名及び片仮名を読み,書くとともに,片仮名で書く語の種類を知り,文や文章の中で使うこと。

---------------------------------

[第3学年及び第4学年]

イ 相手を見て話したり聞いたりするとともに,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などに注意して話すこと。

ウ 漢字と仮名を用いた表記,送り仮名の付け方,改行の仕方を理解して文や文章の中で使うとともに,句読点を適切に打つこと。

 また,第3学年においては,日常使われている簡単な単語について,ローマ字で表記されたものを読み,ローマ字で書くこと。

---------------------------------

[第5学年及び第6学年]

イ 話し言葉と書き言葉との違いに気付くこと。

ウ 文や文章の中で漢字と仮名を適切に使い分けるとともに,送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書くこと。

---------------------------------

[中学校第1学年]

ア 音声の働きや仕組みについて,理解を深めること。

イ 相手を見て話したり聞いたりするとともに,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などに注意して話すこと。

 話したり聞いたりする際に視線を意識することや,言葉の抑揚,強弱,間の取り方などの話し方に注意することを示している。

 この事項は,平成20年告示の学習指導要領では「話すこと・聞くこと」の指導事項として示していたが,今回の改訂では,話し言葉に関する〔知識及び技能〕の内容として位置付けた。

--------------------------------

 相手を見て話すことによって,
 聞き手の注意を喚起したり,
 話したことが
 聞き手に十分伝わっているか
 を判断したり,
 聞き手の反応を見ながら
 話したりすることができる。

 また,
 相手を見て聞くことによって,
 話を聞こうとする意志を示したり,
 同意や共感,疑問など,
 話に対する反応を
 話し手に示したりする
 ことができる。

 第3学年及び第4学年では,
 こうしたことの基盤として,
 相手を見て話したり聞いたりすること
 を示している。

--------------------------------

 言葉の抑揚や強弱とは,

 話す際の声の調子の
 上げ下げや強弱のことである。

 身振りや表情などとともに,
 話の伝わり方に大きな影響を与える
 要素である。

 不自然な強調は
 避けなければならないが,

 話す内容に応じて,
 声の上げ下げに注意したり,
 特定の語や表現の一部を
 他よりも強調したりして,
 話の内容が相手に伝わるようにする
 ことが大切である。

--------------------------------

 間の取り方は,
 話し手と聞き手の双方にとって
 重要である。

 話し手にとっての間とは,
 発音・発声のための息継ぎである
 と同時に,
 自らが伝えたい内容を
 聞き手に理解してもらうために
 意図的に取る,
 構文や語句の上での間でもある。

 一方,
 聞き手にとっての間は,
 話し手の意図を理解したり,
 思いや考えの大事な箇所を
 感じ取ったりするなど,
 自分の理解を深める時間となる。

ウ 漢字と仮名を用いた表記,送り仮名の付け方,改行の仕方を理解して文や文章の中で使うとともに,句読点を適切に打つこと。

 また,第3学年においては,日常使われている簡単な単語について,ローマ字で表記されたものを読み,ローマ字で書くこと。

 漢字と仮名の表記,送り仮名の付け方,改行の仕方,句読点の打ち方,ローマ字の読み書きに関する国語の表記を理解し,使うことを示している。

--------------------------------

 漢字と仮名とでは,音節との関係や書き表す語の種類など,文字としての性質や役割が異なっている。

 漢字と仮名を用いた表記を理解するとは,
 そのような
 性質や役割の異なる漢字や仮名
 を交ぜて書く
 「漢字仮名交じり文」
 という日本語の表記の仕方や
 その利点
 を理解することである。

--------------------------------

 送り仮名の付け方について理解する際には,

 個々の具体的な語の
 送り仮名の付け方だけでなく,
 活用語尾を送るという
 送り仮名の原則的な付け方
 についても理解を促し,
 活用についての意識をもたせる
 ようにすることが重要である。

--------------------------------

 改行の仕方を理解して文や文章の中で使うとは,

 段落の始め,会話部分などの
 必要な箇所について
 行を改めて書くことを示している。

 また,
 第1学年及び第2学年のウの
 「かぎ(「 」)の使い方」
 を受けて,
 会話の部分などを改行して書くことが
 習慣となるようにすること
 も大切である。

--------------------------------

 句読点を適切に打つことは,

 第1学年及び第2学年のウの
 「句読点の打ち方」を理解して
 文や文章の中で使うこと
 の発展である。

 句読点は,文の構成と関係している。

 特に読点は,
 意味を明確に伝えるために,
 文頭の接続詞などの後,
 主語の後,
 従属節の後,
 並列する語の後
 などに適切に打つことが求められる。

 第3学年及び第4学年では,それらに加え,文を読みやすくまた分かりやすくするために,文脈に合わせて適切に打つことができるようにすることが求められる。

 その際,「カ 主語と述語との関係,修飾と被修飾との関係,指示する語句と接続する語句の役割,段落の役割について理解すること。」と関連付けて指導することが有効である。

--------------------------------

 ローマ字で表記されたものを読み,ローマ字で書くことは,

 ローマ字での読み書き
 について示したものである。

 ローマ字表記が添えられた案内板やパンフレットを見たり,コンピュータを使ったりする機会が増えるなど,ローマ字は児童の生活に身近なものになっていることなどを踏まえ,第3学年で指導するものとする。

--------------------------------

 日常使われている簡単な単語とは,

 地名や人名などの固有名詞
 を含めた,
 児童が日常目にする簡単な単語
 のことである。

--------------------------------

 ローマ字の表記に当たっては,「ローマ字のつづり方」(昭和29年内閣告示)を踏まえることとなる。

 ここでは,「一般に国語を書き表す際には第1表に掲げたつづり方によるものと」し,「従来の慣例をにわかに改めがたい事情にある場合に限り,第2表に掲げたつづり方によっても差し支えない」こととされている。

 第1表(いわゆる訓令式)による表記の指導に当たっては,日本語の音が子音と母音の組み合わせで成り立っていることを理解することが重要である。

 第2表(いわゆるヘボン式と日本式)による表記の指導に当たっては,例えば,パスポートに記載される氏名の表記など,外国の人たちとコミュニケーションをとる際に用いられることが多い表記の仕方を理解することが重要である。

 
 

(1) 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

エ 第3学年及び第4学年の各学年においては,学年別漢字配当表の当該学年までに配当されている漢字を読むこと。

 また,当該学年の前の学年までに配当されている漢字を書き,文や文章の中で使うとともに,当該学年に配当されている漢字を漸次書き,文や文章の中で使うこと。

[第1学年及び第2学年]

エ 第1学年においては,別表の学年別漢字配当表(以下「学年別漢字配当表」という。)の第1学年に配当されている漢字を読み,漸次書き,文や文章の中で使うこと。

 第2学年においては,学年別漢字配当表の第2学年までに配当されている漢字を読むこと。

 また,第1学年に配当されている漢字を書き,文や文章の中で使うとともに,第2学年に配当されている漢字を漸次書き,文や文章の中で使うこと。

---------------------------------

[第3学年及び第4学年]

エ 第3学年及び第4学年の各学年においては,学年別漢字配当表の当該学年までに配当されている漢字を読むこと。

 また,当該学年の前の学年までに配当されている漢字を書き,文や文章の中で使うとともに,当該学年に配当されている漢字を漸次書き,文や文章の中で使うこと。

---------------------------------

[第5学年及び第6学年]

エ 第5学年及び第6学年の各学年においては,学年別漢字配当表の当該学年までに配当されている漢字を読むこと。

 また,当該学年の前の学年までに配当されている漢字を書き,文や文章の中で使うとともに,当該学年に配当されている漢字を漸次書き,文や文章の中で使うこと。

---------------------------------

[中学校第1学年]

イ 小学校学習指導要領第2章第1節国語の学年別漢字配当表(以下「学年別漢字配当表」という。)に示されている漢字に加え,その他の常用漢字のうち300字程度から400字程度までの漢字を読むこと。

 また,学年別漢字配当表の漢字のうち900字程度の漢字を書き,文や文章の中で使うこと。

エ 第3学年及び第4学年の各学年においては,学年別漢字配当表の当該学年までに配当されている漢字を読むこと。

 また,当該学年の前の学年までに配当されている漢字を書き,文や文章の中で使うとともに,当該学年に配当されている漢字を漸次書き,文や文章の中で使うこと。

 第3学年及び第4学年においては,漢字を読むことについて,学年別漢字配当表の当該学年までに配当されている漢字を読むことを示している。

 また,漢字を書くことについては,当該学年の前の学年に配当されている漢字を書き,文や文章の中で使おうとする習慣を身に付けるようにするとともに,当該学年に配当されている漢字を漸次書き,文や文章の中で使うようにすることを示している。

--------------------------------

 指導に当たっては,〔知識及び技能〕の(3)「ウ 漢字が,へんやつくりなどから構成されていることについて理解すること。」との関連を図ることが有効である。

--------------------------------

 第3学年及び第4学年は,漢字による熟語などの語句の使用が増えてくる時期である。

 「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の2(1)「イ 理解したり表現したりするために必要な文字や語句については,辞書や事典を利用して調べる活動を取り入れるなど,調べる習慣が身に付くようにすること。」を踏まえ,漢字辞典を使って漢字の読みや意味などを自分で調べる活動を積極的に取り入れ,習慣として定着するようにすることが大切である。

--------------------------------

 また,文や文章を書く際には,学習した漢字を使う習慣が身に付くようにすることが重要である。

 
 

(1) 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

オ 様子や行動,気持ちや性格を表す語句の量を増し,話や文章の中で使うとともに,言葉には性質や役割による語句のまとまりがあることを理解し,語彙を豊かにすること。

[第1学年及び第2学年]

オ 身近なことを表す語句の量を増し,話や文章の中で使うとともに,言葉には意味による語句のまとまりがあることに気付き,語彙を豊かにすること。

---------------------------------

[第3学年及び第4学年]

オ 様子や行動,気持ちや性格を表す語句の量を増し,話や文章の中で使うとともに,言葉には性質や役割による語句のまとまりがあることを理解し,語彙を豊かにすること。

---------------------------------

[第5学年及び第6学年]

オ 思考に関わる語句の量を増し,話や文章の中で使うとともに,語句と語句との関係,語句の構成や変化について理解し,語彙を豊かにすること。

 また,語感や言葉の使い方に対する感覚を意識して,語や語句を使うこと。

---------------------------------

[中学校第1学年]

ウ 事象や行為,心情を表す語句の量を増すとともに,語句の辞書的な意味と文脈上の意味との関係に注意して話や文章の中で使うことを通して,語感を磨き語彙を豊かにすること。

オ 様子や行動,気持ちや性格を表す語句の量を増し,話や文章の中で使うとともに,言葉には性質や役割による語句のまとまりがあることを理解し,語彙を豊かにすること。

 第1学年及び第2学年のオを受けて,様子や行動,気持ちや性格を表す語句の量を増したり,言葉の性質や役割によるまとまりを理解したりすることを通して語彙を豊かにすることを示している。

--------------------------------

 第3学年及び第4学年では,様子や行動,気持ちや性格を表す語句の量を増し,話や文章の中で使うことに重点を置いている。

 平成20年告示の学習指導要領では,「表現したり理解したりするために必要な語句を増」すことを示していたが,今回の改訂では,語彙に関する指導を充実させる観点から,各学年の重点を明示し,系統的に示している。

 なお,
 様子や行動,気持ちや性格を表す語句とは,

 事柄や人物などの
 様子や特徴を表す語句,

 人物などの行動や気持ち,性格
 を表す語句

 などを指す。

 これらを
 話や文章の中で使うこと
 を通して,
 自分の語彙として
 身に付けていくことが
 重要である。

--------------------------------

 性質や役割による語句のまとまりがあることを理解するとは,

 様々な語句を,
 その特徴や使い方によって
 類別して捉える
 ということである。

 性質による語句のまとまりとは,

 物の名前を表す語句や,
 動きを表す語句,
 様子を表す語句
 などのまとまりのことである。

 役割による語句のまとまりとは,

 文の主語になる語句,
 述語になる語句,
 修飾する語句
 などのまとまりのことである。

--------------------------------

 語彙を豊かにするとは,

 自分の語彙の量と質を
 両面から充実させることである。

 性質や役割による語句のまとまりがあることを理解することを通して,語句の量を増し,使い方の範囲を広げ,語彙を豊かにすることが大切である。

 例えば,「C 読むこと」において文学的な文章を読む際に,「様子や行動,気持ちや性格を表す語句」を捉えることや,「B 書くこと」において語句を「役割」によって捉え,書き表し方を工夫したりすることも考えられる。

 
 

(1) 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

カ 主語と述語との関係,修飾と被修飾との関係,指示する語句と接続する語句の役割,段落の役割について理解すること。

[第1学年及び第2学年]

カ 文の中における主語と述語との関係に気付くこと。

---------------------------------

[第3学年及び第4学年]

カ 主語と述語との関係,修飾と被修飾との関係,指示する語句と接続する語句の役割,段落の役割について理解すること。

---------------------------------

[第5学年及び第6学年]

カ 文の中での語句の係り方や語順,文と文との接続の関係,話や文章の構成や展開,話や文章の種類とその特徴について理解すること。

---------------------------------

[中学校第1学年]

エ 単語の類別について理解するとともに,指示する語句と接続する語句の役割について理解を深めること。

カ 主語と述語との関係,修飾と被修飾との関係,指示する語句と接続する語句の役割,段落の役割について理解すること。

 第1学年及び第2学年のカを受けて,主語と述語の関係,修飾と被修飾の関係,指示語や接続語の役割,段落の役割について理解することを示している。

--------------------------------

 主語と述語との関係,修飾と被修飾との関係は,文の構成に関して理解を図る内容を示したものである。

 文章の内容を
 理解する場合だけでなく
 表現する場合にも,

 それぞれの文の中での
 語句の役割や,
 語句相互の関係
 に気を付けて,
 文がどのように組み立てられているか
 を理解すること
 が重要である。

 第1学年及び第2学年では主語と述語が照応することが大切であることを取り上げている。これについての理解を深めるとともに,修飾語がどこに係るのかという修飾と被修飾との関係にも気を付けて,文の構成を理解することが大切である。

--------------------------------

 指示する語句と接続する語句の役割は,文や文章のつながりや関係性に関して理解を図る内容を示したものである。

 指示する語句とは,

 物事を指し示す役割をもつ語句
 のことである。

 具体的には,いわゆる
 「こ・そ・あ・ど言葉」
 と言われるもの
 がこれに当たる。

 指示する語句を適切に使うことで,
 文や文章をより簡潔に表現したり,
 文と文との内容のつながりなどを
 明瞭に表したりすることができる。

--------------------------------

 接続する語句とは,

 前後の文節や文などをつなぐ
 働きをもつ語句
 のことである。

 具体的には,いわゆる
 「つなぎ言葉」
 と言われるもの
 がこれに当たる。

 接続する語句を適切に使うことで,
 文や文章などが,
 相互にどのように関わるのか
 を明確にし,
 文相互の関係,段落相互の関係
 などをつかんだり,
 端的に示したりすることができる。

--------------------------------

 なお,「このようなことから」,「なぜかというと」など,複数の語から構成される語句の中にも指示語,接続語と同様の役割をするものがあることから指示する語句,接続する語句という示し方をしている。

--------------------------------

 段落は,

 改行によって示される
 いくつかの文のまとまり
 である形式段落と,

 その形式段落のいくつかが
 意味のつながりの上で
 ひとまとまりになった
 意味段落とがある。

 段落には
 問題を提示したり,
 具体例を示したり,
 理由を述べたり,
 結論を述べたりする
 などの役割がある。

 これらの段落相互の関係
 を理解することで,
 内容を把握したり
 必要な情報を的確に見付けたりする
 ことができる。

 また,
 段落や段落相互の関係を
 明確にして表現することで,
 自分の思いや考えを
 より適切に表すことができる。

 
 

(1) 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

キ 丁寧な言葉を使うとともに,敬体と常体との違いに注意しながら書くこと。

[第1学年及び第2学年]

キ 丁寧な言葉と普通の言葉との違いに気を付けて使うとともに,敬体で書かれた文章に慣れること。

---------------------------------

[第3学年及び第4学年]

キ 丁寧な言葉を使うとともに,敬体と常体との違いに注意しながら書くこと。

---------------------------------

[第5学年及び第6学年]

キ 日常よく使われる敬語を理解し使い慣れること。

---------------------------------

[中学校第1学年]

キ 丁寧な言葉を使うとともに,敬体と常体との違いに注意しながら書くこと。

 第1学年及び第2学年のキを受けて,相手や目的を意識して表現する際などに,丁寧な言葉を使うとともに,敬体と常体との違いに注意しながら書くことを示している。

--------------------------------

 常体とは,

 文末が
 「である」,「だ」又は
 「であった」,「だった」
 などのようになる文体である。

 文章を記述する際には,
 相手や目的に応じて
 敬体と常体のいずれかを使用して
 書くことが多い。

 それを意識的に使い分けることや,
 「です」,「ます」,「である」,「だ」
 などの文末表現に注意して
 書くことが求められる。

 
 

(1) 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ク 文章全体の構成や内容の大体を意識しながら音読すること。

[第1学年及び第2学年]

ク 語のまとまりや言葉の響きなどに気を付けて音読すること。

---------------------------------

[第3学年及び第4学年]

ク 文章全体の構成や内容の大体を意識しながら音読すること。

---------------------------------

[第5学年及び第6学年]

ケ 文章を音読したり朗読したりすること。

---------------------------------

[中学校第1学年]

ク 文章全体の構成や内容の大体を意識しながら音読すること。

 第1学年及び第2学年のクを受けて,文章の構成や内容を意識して音読することを示している。

 第3学年及び第4学年では,一文一文などの表現だけでなく,文章全体を意識して音読することを求めている。

--------------------------------

 文章全体として何が書かれているのかを大づかみに捉えたり,登場人物の行動や気持ちの変化などを大筋で捉えたりしながら,音読することを示している。

 なお,黙読を活用し,文章の内容の理解を深めることも重要である。

--------------------------------

 指導に当たっては,例えば,〔思考力,判断力,表現力等〕の「B 書くこと」の「推敲」に関する指導事項のエと関わらせたり,「C 読むこと」の「構成と内容の把握」に関する指導事項のアやイと関わらせたりすることが考えられる。

 
 
→ 小学校国語編 目次
→ 中学校国語編 目次
→ 小学校学習指導要領(2017)目次
→ 学習指導要領ナビ
トップページ