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(3) 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 易しい文語調の短歌や俳句を音読したり暗唱したりするなどして,言葉の響きやリズムに親しむこと。

イ 長い間使われてきたことわざや慣用句,故事成語などの意味を知り,使うこと。

ウ 漢字が,へんやつくりなどから構成されていることについて理解すること。

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 文字の組立て方を理解し,形を整えて書くこと。

(イ) 漢字や仮名の大きさ,配列に注意して書くこと。

(ウ) 毛筆を使用して点画の書き方への理解を深め,筆圧などに注意して書くこと。

オ 幅広く読書に親しみ,読書が,必要な知識や情報を得ることに役立つことに気付くこと。

 
 

(3) 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 易しい文語調の短歌や俳句を音読したり暗唱したりするなどして,言葉の響きやリズムに親しむこと。

イ 長い間使われてきたことわざや慣用句,故事成語などの意味を知り,使うこと。

[第1学年及び第2学年]

ア 昔話や神話・伝承などの読み聞かせを聞くなどして,我が国の伝統的な言語文化に親しむこと。

イ 長く親しまれている言葉遊びを通して,言葉の豊かさに気付くこと。

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[第3学年及び第4学年]

ア 易しい文語調の短歌や俳句を音読したり暗唱したりするなどして,言葉の響きやリズムに親しむこと。

イ 長い間使われてきたことわざや慣用句,故事成語などの意味を知り,使うこと。

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[第5学年及び第6学年]

ア 親しみやすい古文や漢文,近代以降の文語調の文章を音読するなどして,言葉の響きやリズムに親しむこと。

イ 古典について解説した文章を読んだり作品の内容の大体を知ったりすることを通して,昔の人のものの見方や感じ方を知ること。

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[中学校第1学年]

ア 音読に必要な文語のきまりや訓読の仕方を知り,古文や漢文を音読し,古典特有のリズムを通して,古典の世界に親しむこと。

イ 古典には様々な種類の作品があることを知ること。

ア 易しい文語調の短歌や俳句を音読したり暗唱したりするなどして,言葉の響きやリズムに親しむこと。

 易しい文語調の短歌や俳句の音読や暗唱を通して,言葉の響きやリズムに親しむことを示している。

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 短歌の五・七・五・七・七の三十一音,俳句の五・七・五の十七音のリズムから国語の美しい響きを感じ取りながら音読したり暗唱したりして,文語の調子に親しむ態度を育成するようにすることが重要である。

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 易しいとは,

 意味内容が容易に理解できるということ
 である。

 文語調とは,
 日常の話し言葉とは異なった特色
 をもつ言語体系
 で書かれた文章の調子
 のことである。

 文語調の短歌や俳句では,
 歴史的仮名遣いや
 古典の語句
 などが用いられている。

 教材としては,響きやリズムを体感できるような作品や親しみやすい作者の作品を選んだり,代表的な歌集などから内容の理解しやすい歌を選んだりすることが考えられる。

 また,各地域に縁のある歌人や俳人,地域の景色を詠んだ歌や句を教材にすることで,地域の文化を理解することができるようにすることなども考えられる。

イ 長い間使われてきたことわざや慣用句,故事成語などの意味を知り,使うこと。

 長い間使われてきたことわざや慣用句,故事成語などの意味を知り,日常生活でも使うようにすることに関する内容を示している。

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 ことわざは,

 生活経験などにおいてありがちなこと
 を述べたり,
 教訓を述べたりするものである。

 例えば,
 「塵(ちり)も積もれば山となる」,
 「善は急げ」,
 「石橋をたたいて渡る」
 などがある。

 慣用句は,

 「水に流す」,
 「羽を伸ばす」などのように,
 二つ以上の語が結び付いて
 元の意味とは違った
 特定の意味を表すものである。

 故事成語は,

 「矛盾」,「推敲」,「五十歩百歩」
 などのように
 中国の故事に由来する熟語である。

 これらによって,
 先人の知恵や教訓,機知
 に触れることができる。

 これらの言葉の意味を知り,
 日常生活で用いるようにする
 ことが大切である。

 
 

(3) 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ウ 漢字が,へんやつくりなどから構成されていることについて理解すること。

[第1学年及び第2学年]

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[第3学年及び第4学年]

ウ 漢字が,へんやつくりなどから構成されていることについて理解すること。

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[第5学年及び第6学年]

ウ 語句の由来などに関心をもつとともに,時間の経過による言葉の変化や世代による言葉の違いに気付き,共通語と方言との違いを理解すること。

 また,仮名及び漢字の由来,特質などについて理解すること。

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[中学校第1学年]

ウ 共通語と方言の果たす役割について理解すること。

ウ 漢字が,へんやつくりなどから構成されていることについて理解すること。

 文字文化に関する内容として,第3学年及び第4学年では,「へん」,「つくり」,「かんむり」,「あし」,「たれ」,「かまえ」,「にょう」などの部首と他の部分とによって漢字が構成されることを知るとともに,実際の漢字についてその構成を理解することを示している。

 指導に当たっては,漢字のへんやつくりなどから,漢字を調べたり,漢字の字義や読み方を推測したりすることも有効である。

 
 

(3) 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 文字の組立て方を理解し,形を整えて書くこと。

(イ) 漢字や仮名の大きさ,配列に注意して書くこと。

(ウ) 毛筆を使用して点画の書き方への理解を深め,筆圧などに注意して書くこと。

[第1学年及び第2学年]

ウ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 姿勢や筆記具の持ち方を正しくして書くこと。

(イ) 点画の書き方や文字の形に注意しながら,筆順に従って丁寧に書くこと。

(ウ) 点画相互の接し方や交わり方,長短や方向などに注意して,文字を正しく書くこと。

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[第3学年及び第4学年]

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 文字の組立て方を理解し,形を整えて書くこと。

(イ) 漢字や仮名の大きさ,配列に注意して書くこと。

(ウ) 毛筆を使用して点画の書き方への理解を深め,筆圧などに注意して書くこと。

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[第5学年及び第6学年]

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 用紙全体との関係に注意して,文字の大きさや配列などを決めるとともに,書く速さを意識して書くこと。

(イ) 毛筆を使用して,穂先の動きと点画のつながりを意識して書くこと。

(ウ) 目的に応じて使用する筆記具を選び,その特徴を生かして書くこと。

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[中学校第1学年]

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

(ア) 字形を整え,文字の大きさ,配列などについて理解して,楷書で書くこと。

(イ) 漢字の行書の基礎的な書き方を理解して,身近な文字を行書で書くこと。

エ 書写に関する次の事項を理解し使うこと。

 第1学年及び第2学年のウを受けて,書写に関する(ア),(イ),(ウ)の事項を理解し使うことを示している。

(ア) 文字の組立て方を理解し,形を整えて書くこと。

 第1学年及び第2学年のウ(イ)及び(ウ)を受けて,一つの文字の組立て方を身に付けることを示している。

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 文字の組立て方とは,

 点画の組立て方から
 部首や部分相互の組立て方まで
 を指すが,
 ここでは主に後者に重点を置いている。

 組立て方が簡単なものが多かった第1学年及び第2学年の漢字に比べて,第3学年及び第4学年では,組立て方が複雑な漢字が多くなる。

 そこで,部首と他の部分の組立て方,すなわち左と右,上と下,内と外などの関係において一つの文字が組み立てられるという仕組みを理解することを重視する。

 このため,「ウ 漢字が,へんやつくりなどから構成されていることについて理解すること。」との関連を図りながら指導することが必要である。

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 形を整えて書くとは,

 第1学年及び第2学年で指導した文字
 のおおよその形(概形)
 を意識するとともに,

 一つの文字の構成要素となる
 部分相互が

 等間隔であること,
 左右対称であること,
 同一方向であること

 などを考えて書くことである。

(イ) 漢字や仮名の大きさ,配列に注意して書くこと。

 語句,文,文章などの文字の集まりにおける漢字や仮名の大きさや配列に注意して書くことを示している。

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 漢字や仮名の大きさとは,

 漢字と漢字,
 漢字と仮名,
 仮名と仮名
 との相互のつり合い
 から生じる
 相対的な大きさのことである。

 画数の多い文字ほど
 大きく書き,
 画数の少ない文字ほど
 小さく書くと,
 並べたときに読みやすい
 文字列になる。

 一般的に,
 仮名は漢字よりも小さく書くとよい
 と言われるのは,
 仮名が漢字よりも
 構成要素が少ないこと
 によるものである。

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 配列に注意してとは,

 行の中心や
 行と行との間,
 文字と文字との間
 がそろっているかなど
 文字列及び複数の文字列に注意して
 ということである。

 読みやすい文や文章を書くには,
 一文字一文字を整えることに加え,
 文字の集まりという面から整える
 ことが重要である。

 したがって,
 書き出しの位置を決めること,
 行の中心に文字の中心をそろえる
 ように書くこと
 などが求められる。

 字間,行間,行の中心を扱う
 配列の学習において,
 児童は,
 文や文章など
 文字数の多い教材で学習する
 ことになるため,

 毛筆を使用する場合は,
 小筆の使用にも配慮する必要がある。

(ウ) 毛筆を使用して点画の書き方への理解を深め,筆圧などに注意して書くこと。

 第1学年及び第2学年のウ(イ)を受けて,毛筆を使用して点画の書き方への理解を深め,筆圧などに注意しながら書くことを示している。

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 「横画,縦画,左払い,右払い,折れ,曲がり,そり,点」などの点画の種類や「始筆,送筆,終筆」などの書き方については,第1学年及び第2学年で硬筆等を使用して基礎的な学習をしている。

 ここでは,点画やその書き方が毛筆を使用する中で定式化してきたという点に着目し,毛筆による学習を通して点画や点画の書き方への理解を一層深めて書けるようにする。

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 筆圧とは,

 筆記具から用紙に加わる力
 のことである。

 点画には,左右の払いのように筆圧を変化させて書くものや,横画のようにほぼ等しい筆圧で書くものがある。

 その意味で点画の種類を理解することと呼応しており,点画の書き方と筆圧とを関連付けることを重視する必要がある。

 例えば,送筆については,筆圧のかけ方に変化が少ない場合(横画,縦画など),徐々に筆圧を弱めていく場合(左払い,右払い,はねの部分など),穂先の位置が移動する場合(折れ,曲がり,そりなど)などがある。

 終筆については,止めの形で終わる場合(横画,縦画など),払いの形で終わる場合(左払い,右払いなど),はねの形で終わる場合(そり,曲がり,縦画など)などがある。

 なお,筆圧は,筆記具を握る力と連動することが多いので,第1学年及び第2学年の「姿勢や筆記具の持ち方」に関する事項ウ(ア)との関連を図りながら指導を進める配慮も必要である。

 
 

(3) 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

オ 幅広く読書に親しみ,読書が,必要な知識や情報を得ることに役立つことに気付くこと。

[第1学年及び第2学年]

エ 読書に親しみ,いろいろな本があることを知ること。

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[第3学年及び第4学年]

オ 幅広く読書に親しみ,読書が,必要な知識や情報を得ることに役立つことに気付くこと。

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[第5学年及び第6学年]

オ 日常的に読書に親しみ,読書が,自分の考えを広げることに役立つことに気付くこと。

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[中学校第1学年]

オ 読書が,知識や情報を得たり,自分の考えを広げたりすることに役立つことを理解すること。

オ 幅広く読書に親しみ,読書が,必要な知識や情報を得ることに役立つことに気付くこと。

 第1学年及び第2学年のエを受けて,幅広く読書に親しみ,読書が知識や情報を得ることに役立つことに気付くことを示している。

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 幅広く読書に親しむとは,

 多様な本や文章があることを知り,
 読書する本や文章の
 種類,分野,活用の仕方など,
 自分の読書の幅を広げていくことである。

 読書が,必要な知識や情報を得ることに役立つことに気付くためには,

 読書によって,
 疑問に思っていたことが解決したり,
 新しい世界に触れて
 自分の興味が広がったりする
 楽しさを味わうこと
 が大切である。

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 また,読書によって知識や情報を得るための基盤として,学校図書館などの施設の利用方法や,必要な本などの選び方を身に付けることも大切である。

 
 
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