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(1) 話すこと・聞くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 目的を意識して,日常生活の中から話題を決め,集めた材料を比較したり分類したりして,伝え合うために必要な事柄を選ぶこと。

イ 相手に伝わるように,理由や事例などを挙げながら,話の中心が明確になるよう話の構成を考えること。

ウ 話の中心や話す場面を意識して,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などを工夫すること。

エ 必要なことを記録したり質問したりしながら聞き,話し手が伝えたいことや自分が聞きたいことの中心を捉え,自分の考えをもつこと。

オ 目的や進め方を確認し,司会などの役割を果たしながら話し合い,互いの意見の共通点や相違点に着目して,考えをまとめること。

(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。

ア 説明や報告など調べたことを話したり,それらを聞いたりする活動。

イ 質問するなどして情報を集めたり,それらを発表したりする活動。

ウ 互いの考えを伝えるなどして,グループや学級全体で話し合う活動。

 
 

(1) 話すこと・聞くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 目的を意識して,日常生活の中から話題を決め,集めた材料を比較したり分類したりして,伝え合うために必要な事柄を選ぶこと。

[第1学年及び第2学年]

ア 身近なことや経験したことなどから話題を決め,伝え合うために必要な事柄を選ぶこと。

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[第3学年及び第4学年]

ア 目的を意識して,日常生活の中から話題を決め,集めた材料を比較したり分類したりして,伝え合うために必要な事柄を選ぶこと。

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[第5学年及び第6学年]

ア 目的や意図に応じて,日常生活の中から話題を決め,集めた材料を分類したり関係付けたりして,伝え合う内容を検討すること。

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[中学校第1学年]

ア 目的や場面に応じて,日常生活の中から話題を決め,集めた材料を整理し,伝え合う内容を検討すること。

ア 目的を意識して,日常生活の中から話題を決め,集めた材料を比較したり分類したりして,伝え合うために必要な事柄を選ぶこと。

 第1学年及び第2学年のアを受けて,目的を意識して,話題を決め,集めた材料を整理し,伝え合うために必要な事柄を選ぶことを示している。

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 話題の設定については,学校や家庭,地域のことなど,児童が日常生活の中で興味や関心をもっていることから話題を決めることを求めている。

 情報の収集については,第1学年及び第2学年では身近なことや経験したことの想起が中心であるが,第3学年及び第4学年では必要に応じて,本や文章を読んだり,人に聞いたりしながら調べることへと広がっていく。

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 目的としては,

 説明や報告をする,
 知りたいことを聞く,
 互いの考えを伝え合うこと
 などが考えられる。

 目的を意識することは,

 「話題の設定,
  情報の収集,
  内容の検討」
 だけでなく,
 話すこと,聞くこと,話し合うこと
 のそれぞれの学習過程において
 必要となる。

 したがって,
 アの指導事項は
 イ,ウ,エ,オの指導事項と
 密接な関わりがある。

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 比較したり分類したりするとは,

 集めた材料を,
 共通点や相違点に着目しながら
 比べたり,
 共通する性質に基づいて
 分けたりする
 ことである。

 第1学年及び第2学年の
 「伝え合うために必要な事柄
  を選ぶこと」
 を発展させ,

 集めたことが
 話したり聞いたり話し合ったりする
 目的に合っているかどうか
 を意識しながら

 確かめ,
 より適切なものを見付けていくこと

 が求められる。

 
 

(1) 話すこと・聞くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

イ 相手に伝わるように,理由や事例などを挙げながら,話の中心が明確になるよう話の構成を考えること。

[第1学年及び第2学年]

イ 相手に伝わるように,行動したことや経験したことに基づいて,話す事柄の順序を考えること。

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[第3学年及び第4学年]

イ 相手に伝わるように,理由や事例などを挙げながら,話の中心が明確になるよう話の構成を考えること。

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[第5学年及び第6学年]

イ 話の内容が明確になるように,事実と感想,意見とを区別するなど,話の構成を考えること。

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[中学校第1学年]

イ 自分の考えや根拠が明確になるように,話の中心的な部分と付加的な部分,事実と意見との関係などに注意して,話の構成をえること。

イ 相手に伝わるように,理由や事例などを挙げながら,話の中心が明確になるよう話の構成を考えること。

 第1学年及び第2学年のイを受けて,話の中心的な部分が明確になるように構成を考えることを示している。

 第3学年及び第4学年においては,具体的な相手や目的を一層強く意識して,話の中心が明確になるように理由や事例などを挙げ,筋道を立てた構成にすることに重点を置いている。

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 相手に伝わるように,理由や事例などを挙げるとは,

 伝えたいことがよく伝わるよう,
 相手のことを踏まえて
 理由や事例を選んでいくことである。

 例えば,
 相手が知らないことについては
 丁寧に理由付けをしたり,
 相手にとって理解しやすい事例を
 挙げたりすること
 が求められる。

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 話の中心が明確になるよう話の構成を考えるとは,

 自分の伝えたいことの中心が
 聞き手に分かりやすくなるよう
 話の構成を考えることである。

 話の中心は,
 話す目的と密接に関連して
 決まってくる。

 話し手はその中心を明確にし,
 話す内容を構成すること
 が求められる。

 例えば,
 冒頭で話の中心を述べ,
 そのことに合わせた理由や事例
 などを挙げたり,
 最初に提示した内容と結論とが
 ずれないようにしたりする
 ことなどが重要である。

 
 

(1) 話すこと・聞くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ウ 話の中心や話す場面を意識して,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などを工夫すること。

[第1学年及び第2学年]

ウ 伝えたい事柄や相手に応じて,声の大きさや速さなどを工夫すること。

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[第3学年及び第4学年]

ウ 話の中心や話す場面を意識して,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などを工夫すること。

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[第5学年及び第6学年]

ウ 資料を活用するなどして,自分の考えが伝わるように表現を工夫すること。

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[中学校第1学年]

ウ 相手の反応を踏まえながら,自分の考えが分かりやすく伝わるように表現を工夫すること。

ウ 話の中心や話す場面を意識して,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などを工夫すること。

 第1学年及び第2学年のウを受けて,表現を工夫することを示している。

 第3学年及び第4学年においては,話の中心的な部分を聞き手に分かりやすく伝えたり,場面を意識して話したりするために,言葉の抑揚や強弱,間の取り方,相手を見る視線など,表現を工夫することに重点を置いている。

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 話の中心や話す場面を意識して話すとは,

 話の中心を明確に捉えて話す
 とともに,

 相手との親疎やその人数,
 目的や場の状況
 などを意識し,

 声の出し方や言葉遣い,視線
 などに気を付けて

 話すことである。

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 言葉の抑揚や強弱,間の取り方などを工夫することは,

 話の中心や話す場面を意識して話す
 際の話し方
 として示しているものである。

 例えば,

 話の中心的な部分において
 自分の感じたことを強く伝えるために,
 抑揚を意識して話したり,

 多人数の聞き手に
 伝えたいことを伝えるために,
 声を張って話したりするなど,

 話の中心や話す場面を意識して
 話し方を工夫すること
 が重要である。

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 また,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などを工夫するためには,〔知識及び技能〕の(1)「イ 相手を見て話したり聞いたりするとともに,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などに注意して話すこと。」との関連を図ることが有効である。

 さらに,場面や相手を意識して話すためには,例えば,〔知識及び技能〕の(1)「キ 丁寧な言葉を使うとともに,敬体と常体との違いに注意しながら書くこと。」における言葉遣いに関する内容との関連を図り,指導の効果を高めることが考えられる。

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 指導に当たっては,様々な場面で話すことを通して,繰り返し表現の工夫を行う場を設けることが有効である。

 また,自分や友達の発表の様子を録画し,観点に沿って振り返るなど,ICT機器を活用することも効果的である。

 
 

(1) 話すこと・聞くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

エ 必要なことを記録したり質問したりしながら聞き,話し手が伝えたいことや自分が聞きたいことの中心を捉え,自分の考えをもつこと。

[第1学年及び第2学年]

エ 話し手が知らせたいことや自分が聞きたいことを落とさないように集中して聞き,話の内容を捉えて感想をもつこと。

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[第3学年及び第4学年]

エ 必要なことを記録したり質問したりしながら聞き,話し手が伝えたいことや自分が聞きたいことの中心を捉え,自分の考えをもつこと。

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[第5学年及び第6学年]

エ 話し手の目的や自分が聞こうとする意図に応じて,話の内容を捉え,話し手の考えと比較しながら,自分の考えをまとめること。

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[中学校第1学年]

エ 必要に応じて記録したり質問したりしながら話の内容を捉え,共通点や相違点などを踏まえて,自分の考えをまとめること。

エ 必要なことを記録したり質問したりしながら聞き,話し手が伝えたいことや自分が聞きたいことの中心を捉え,自分の考えをもつこと。

 第1学年及び第2学年のエを受けて,話の中心を捉え,自分の考えをもつことを示している。

 第3学年及び第4学年においては,記録したり質問したりしながら聞くことや,話し手が伝えたいことや自分が聞きたいことの中心を捉え,自分の考えをもつことに重点を置いている。

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 必要なことを記録したり質問したりしながら聞くとは,

 目的に応じて
 必要な内容を記録したり,

 聞いた事柄を基に
 分からない点や確かめたい点を
 質問したりすることである。

 必要な内容を記録するためには,

 重要な語句は何か判断しながら
 聞いたり,

 聞いた後に
 話の内容を振り返ったりすること

 が大切である。

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 話の中心を捉えることには,

 話し手が伝えたいことの中心
 を捉えることと,

 自分が聞きたいことの中心
 を明確にして聞くこと

 との二つの側面がある。

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 話し手が伝えたいことの中心を捉えるためには,

 話の内容や話し方に関心をもち,
 事柄の順序など,
 話の組立て方を意識しながら,
 話の要点を聞くこと
 が重要である。

 また,
 自分が聞きたいことの中心を明確にして聞くためには,

 どのような目的で聞くのか,
 自分が聞いたことは何か
 などをよく確かめて聞く
 ことが重要である。

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 自分の考えをもつためには,

 話の内容を予想して聞いたり,

 聞いた内容と
 自分が知っていることとを
 比べたりすること

 などが有効である。

 また,
 記録したことや質問したことが
 十分なものだったかどうかは,

 聞いたことを基に
 自分の考えをまとめたり,
 それを表現したりする際に
 確認することができる。

 したがって,
 聞いたことを発表する機会
 などを設けることにより,
 指導の効果を高めること
 が考えられる。

 
 

(1) 話すこと・聞くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

オ 目的や進め方を確認し,司会などの役割を果たしながら話し合い,互いの意見の共通点や相違点に着目して,考えをまとめること。

[第1学年及び第2学年]

オ 互いの話に関心をもち,相手の発言を受けて話をつなぐこと。

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[第3学年及び第4学年]

オ 目的や進め方を確認し,司会などの役割を果たしながら話し合い,互いの意見の共通点や相違点に着目して,考えをまとめること。

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[第5学年及び第6学年]

オ 互いの立場や意図を明確にしながら計画的に話し合い,考えを広げたりまとめたりすること。

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[中学校第1学年]

オ 話題や展開を捉えながら話し合い,互いの発言を結び付けて考えをまとめること。

オ 目的や進め方を確認し,司会などの役割を果たしながら話し合い,互いの意見の共通点や相違点に着目して,考えをまとめること。

 第1学年及び第2学年のオを受けて,目的や進め方を確認して話し合い,考えをまとめることを示している。

 第3学年及び第4学年においては,話し合って考えをまとめるために,司会などの役割を果たしながら,互いの意見の共通点や相違点に着目することに重点を置いている。

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 目的や進め方を確認して話し合うとは,

 話合いの目的や目指す到達点,
 そこに向かう話合いの進め方
 などを確認して,
 話し合う目的や必要性を意識して
 話合いを進めることである。

 司会の役割とは,

 話合いがまとまるように
 進行していくことである。

 最初は
 準備した進行表に沿って進行すること
 そのものを学び,

 徐々に,
 話合いが目的に応じて
 適切に進行するように,
 参加者に発言を促したり,
 発言の共通点や相違点を確認したり,
 話し合った内容をまとめたりする
 ことができるようにする

 ことが求められる。

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 司会者,提案者,参加者などは,それぞれの役割を理解し,話題に沿って発言しているか,その発言は話合いの流れを踏まえているかなどの観点に基づいて適時判断しながら話合いを進めるようにすることが重要である。

 考えが,最終的に一つにまとまらない場合にも,どのような意見が出されたか,どのような点で考えが異なっているか,今後どのように話合いを進めていくとよいかなどを確認することが求められる。

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 互いの意見の共通点や相違点に着目して,考えをまとめるとは,

 互いの意見の共通点や相違点
 に着目し,
 一つの結論を出したり,
 話し合われたことに対する自分の考え
 をまとめたりすることである。

 互いの意見を比較し,
 考えが相違するときには,
 それぞれの考えが
 どのようなことに基づいているのか
 といったことにも目を向ける
 ことが重要である。

 
 

(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。

ア 説明や報告など調べたことを話したり,それらを聞いたりする活動。

イ 質問するなどして情報を集めたり,それらを発表したりする活動。

ウ 互いの考えを伝えるなどして,グループや学級全体で話し合う活動。

[第1学年及び第2学年]

ア 紹介や説明,報告など伝えたいことを話したり,それらを聞いて声に出して確かめたり感想を述べたりする活動。

イ 尋ねたり応答したりするなどして,少人数で話し合う活動。

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[第3学年及び第4学年]

ア 説明や報告など調べたことを話したり,それらを聞いたりする活動。

イ 質問するなどして情報を集めたり,それらを発表したりする活動。

ウ 互いの考えを伝えるなどして,グループや学級全体で話し合う活動。

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[第5学年及び第6学年]

ア 意見や提案など自分の考えを話したり,それらを聞いたりする活動。

イ インタビューなどをして必要な情報を集めたり,それらを発表したりする活動。

ウ それぞれの立場から考えを伝えるなどして話し合う活動。

ア 説明や報告など調べたことを話したり,それらを聞いたりする活動。

 調べたことを話したり,それらを聞いたりする言語活動を例示している。

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 説明や報告など調べたことを話すとは,

 例えば,
 各教科等で行う観察や実験,調査
 などの経過や結論などをまとめて,
 聞き手に分かりやすく
 伝えたり発表したりすることである。

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 また,
 それらを聞いたりするとは,

 必要なことを
 記録したり質問したりしながら
 聞き,
 話の内容を捉えることである。

イ 質問するなどして情報を集めたり,それらを発表したりする活動。

 質問するなどして情報を集めたり,それらを発表したりする言語活動を例示している。

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 情報を集めるために質問するとは,

 事前に自分が知りたいことを考え,
 尋ねることである。

 そのようにして集めた情報について,
 話したり書いたりして
 発表する活動
 についても例示している。

ウ 互いの考えを伝えるなどして,グループや学級全体で話し合う活動。

 互いの考えを伝えるなどして話し合う言語活動を例示している。

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 話合いには,結論を一つにまとめることに重点を置くものや,それぞれの参加者の考えを明確にしたり広げたりすることに重点を置くものなどがある。

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 多人数での話合いは,少人数での話合いに比べ,話し手と聞き手との間に一定の距離があるため,改まった言葉遣いをするなどの配慮が必要である。

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 また,一人一人が発言する機会が少ないため,話合いの進め方や司会の役割が重要となる。

 このため,話合いをする際には,児童一人一人が,司会などの様々な役割を経験できるようにすることが重要である。

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 話し合う言語活動は,他教科等においても取り入れられることが多いため,それらの活動との連携が求められる。

 
 
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