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(1) 書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 目的や意図に応じて,感じたことや考えたことなどから書くことを選び,集めた材料を分類したり関係付けたりして,伝えたいことを明確にすること。

イ 筋道の通った文章となるように,文章全体の構成や展開を考えること。

ウ 目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりするとともに,事実と感想,意見とを区別して書いたりするなど,自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫すること。

エ 引用したり,図表やグラフなどを用いたりして,自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫すること。

オ 文章全体の構成や書き表し方などに着目して,文や文章を整えること。

カ 文章全体の構成や展開が明確になっているかなど,文章に対する感想や意見を伝え合い,自分の文章のよいところを見付けること。

(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。

ア 事象を説明したり意見を述べたりするなど,考えたことや伝えたいことを書く活動。

イ 短歌や俳句をつくるなど,感じたことや想像したことを書く活動。

ウ 事実や経験を基に,感じたり考えたりしたことや自分にとっての意味について文章に書く活動。

 
 

(1) 書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 目的や意図に応じて,感じたことや考えたことなどから書くことを選び,集めた材料を分類したり関係付けたりして,伝えたいことを明確にすること。

[第1学年及び第2学年]

ア 経験したことや想像したことなどから書くことを見付け,必要な事柄を集めたり確かめたりして,伝えたいことを明確にすること。

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[第3学年及び第4学年]

ア 相手や目的を意識して,経験したことや想像したことなどから書くことを選び,集めた材料を比較したり分類したりして,伝えたいことを明確にすること。

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[第5学年及び第6学年]

ア 目的や意図に応じて,感じたことや考えたことなどから書くことを選び,集めた材料を分類したり関係付けたりして,伝えたいことを明確にすること。

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[中学校第1学年]

ア 目的や意図に応じて,日常生活の中から題材を決め,集めた材料を整理し,伝えたいことを明確にすること。

ア 目的や意図に応じて,感じたことや考えたことなどから書くことを選び,集めた材料を分類したり関係付けたりして,伝えたいことを明確にすること。

 第3学年及び第4学年のアを受けて,目的や意図に応じて,書くことを選び,集めた材料を整理し,伝えたいことを明確にすることを示している。

 第5学年及び第6学年では,目的や意図に応じて,集めた材料を分類したり関係付けたりして整理することに重点を置いている。

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 目的や意図に応じて書くとは,

 第3学年及び第4学年で意識してきた
 相手や目的
 に加え,
 場面や状況を考慮すること
 なども含んだものである。

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 感じたことや考えたことなどから書くことを選ぶとは,

 家庭や地域,
 学校生活での学習などで
 感じたり考えたりしたことから
 選択して
 書く題材を決めることである。

 目的や意図が明確になっていて,
 それに基づいて題材を考える
 こともあれば,

 以前から
 疑問や問題意識をもっており,
 そこから題材を選んだ上で,
 目的や意図を設定していく
 ことも考えられる。

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 集めた材料を分類したり関係付けたりするとは,

 集めた材料を
 書く目的や意図に応じて
 内容ごとにまとめたり,
 それらを互いに結び付けて
 関係を明確にしたりすることである。

 例えば,
 集めた材料を,
 目的や意図,相手に応じて,
 主張の理由,事例として
 適切なものを選んだり,
 優先順位を考えて
 並べたりすること
 である。

 その際,
 こうした整理が,
 伝えたいことを明確にすることや
 書き表し方を工夫することに,
 どのようにつながるか
 を見いだすこと
 が重要である。

 また,
 賛成の立場から集めた材料と
 反対の立場から集めた材料
 とに分類することで,
 一方の立場からの材料の不足
 に気付き,
 更なる情報収集の必要性を感じること
 も考えられる。

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 集めた材料相互の関係が
 整理されることによって,
 示すべき理由や事例などの事実が
 絞られ,
 伝えたいことを明確にすることができる。

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 なお,情報を収集する対象や手段としては,本や文章,パンフレットやリーフレット,雑誌や新聞,音声や映像,インタビューやアンケートなど様々なものが考えられる。

 
 

(1) 書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

イ 筋道の通った文章となるように,文章全体の構成や展開を考えること。

[第1学年及び第2学年]

イ 自分の思いや考えが明確になるように,事柄の順序に沿って簡単な構成を考えること。

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[第3学年及び第4学年]

イ 書く内容の中心を明確にし,内容のまとまりで段落をつくったり,段落相互の関係に注意したりして,文章の構成を考えること。

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[第5学年及び第6学年]

イ 筋道の通った文章となるように,文章全体の構成や展開を考えること。

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[中学校第1学年]

イ 書く内容の中心が明確になるように,段落の役割などを意識して文章の構成や展開を考えること。

イ 話の内容が明確になるように,事実と感想,意見とを区別するなど,話の構成を考えること。

 第3学年及び第4学年のイを受けて,文章の構成を考えることを示している。

 第5学年及び第6学年においては,伝えたいことを筋道の通った文章で伝えるために,文章全体の構成や展開を考えることに重点を置いている。

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 筋道の通った文章とは,

 相手に分かりやすく伝わるように,
 伝えたいことや知らせたいこと
 を明確にし,
 首尾一貫した展開となるよう,
 論の進め方に注意して
 組み立てた文章のことである。

 筋道の通った文章にするためには,
 第1学年及び第2学年で取り上げた
 「事柄の順序」に沿った構成や,
 第3学年及び第4学年で取り上げた
 「書く内容の中心を明確に」した構成を
 工夫することに加え,

 例えば,
 「考えと理由や事例」,
 「原因と結果」,
 「疑問と解決」
 などのつながりや配列
 を意識して
 文章全体の筋道を整えていくこと
 が大切である。

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 文章全体の構成や展開には,

 例えば,
 基本的なものとして
 「序論−本論−結論」
 などが挙げられる。

 また,
 統括する内容を位置付ける箇所
 によって,
 「頭括型」,
 「尾括型」,
 「双括型」
 がある。

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 文章全体の構成を考える際には,それぞれの段落の内容としてどのようなことを書けばよいのかを考えたり,自分の考えを一貫して述べたりすることなどに注意したりすることが大切である。

 また,書き出しに読み手の関心を喚起する事例や全体の概略を配置したり,終結部に全体のまとめを書いたりして,読み手が考えを理解しやすいように書き方を工夫することも考えられる。

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 その際,例えば,〔知識及び技能〕の(1)カの「話や文章の構成や展開,話や文章の種類とその特徴」と関連付けて指導することも有効である。

 
 

(1) 書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ウ 目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりするとともに,事実と感想,意見とを区別して書いたりするなど,自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫すること。

エ 引用したり,図表やグラフなどを用いたりして,自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫すること。

[第1学年及び第2学年]

ウ 語と語や文と文との続き方に注意しながら,内容のまとまりが分かるように書き表し方を工夫すること。

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[第3学年及び第4学年]

ウ 自分の考えとそれを支える理由や事例との関係を明確にして,書き表し方を工夫すること。

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[第5学年及び第6学年]

ウ 目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりするとともに,事実と感想,意見とを区別して書いたりするなど,自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫すること。

エ 引用したり,図表やグラフなどを用いたりして,自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫すること。

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[中学校第1学年]

ウ 根拠を明確にしながら,自分の考えが伝わる文章になるように工夫すること。

ウ 目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりするとともに,事実と感想,意見とを区別して書いたりするなど,自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫すること。

 第3学年及び第4学年のウを受けて,簡単に書いたり詳しく書いたり,事実と感想,意見とを区別して書いたりするなど,自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫することを示している。

 第5学年及び第6学年においては,目的や意図に応じて簡単に書く部分と詳しく書く部分を決めたり,事実と感想,意見とを区別して書いたりするなど,書き表し方を工夫することに重点を置いている。

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 目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりするとは,

 書く目的や意図を明確にした上で,
 詳しく書く必要のある場合や
 簡単に書いた方が効果的である場合
 などを判断しながら
 書き表し方を工夫することである。

 イの指導事項の
 「構成や展開を考える」過程において,
 文章のどこを詳しく,
 どこを簡単に書けば効果的かを
 あらかじめ検討しておくこと
 も考えられる。

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 事実と感想,意見とを区別して書いたりするには,

 事実を客観的に書くこととともに,
 その事実と感想や意見との関係を
 十分捉えて書くこと
 が重要である。

 それは,
 自分の考えたことなどが
 客観的な事象に裏付けられたもの
 になっているかどうか
 を振り返り,
 自分の考えをより深めていくこと
 につながるからである。

 また,
 事実と感想,
 意見とを明確に区別して書くためには,
 文末表現に注意すること
 も重要である。

エ 引用したり,図表やグラフなどを用いたりして,自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫すること。

 引用したり,図表やグラフなどを用いたりして,自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫することを示している。

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 引用して書くとは,

 本や文章などから
 必要な語句や文を
 抜き出して書くことである。

 引用する場合は,
 まず何のために引用するのか
 という目的を明確にすること
 が必要である。

 原文に正確に引用することや,
 引用した部分と
 自分の考えとの関係
 などを明確にすること
 などに注意することも必要である。

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 図表やグラフなどを用いるのは,

  示すべき事実が,
 図解したり,
 表形式やグラフ形式で示したり
 した方が
 分かりやすい場合である。

 観察や実験,調査の結果などの
 事実の記述は,
 このような図表やグラフを用いる方が
 自分にとっても考えを深めやすく,
 相手にとっても
 よく理解できるものとなる。

 なお,用いる図表やグラフは,本や文章から引用する場合のほか,自分で作成する場合もある。

 ただし,自分で作成する場合には,国語科の学習であることに鑑み,図表やグラフを作成する活動に過度に偏らないよう留意する必要がある。

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 なお,引用した文章や図表等の出典については必ず明記するとともに,引用部分が適切な量になるようにする必要がある。このことは,著作権を尊重し,保護するために必要なことであり,指導に当たっては十分留意することが求められる。

 また,文章を引用する場合には,引用する部分をかぎ(「 」)でくくることや,図表を用いる場合には,本文に「図1は,〜」,「表1は,〜」といった表現を用いて本文との関連を示すことなども必要である。

 
 

(1) 書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

オ 文章全体の構成や書き表し方などに着目して,文や文章を整えること。

[第1学年及び第2学年]

エ 文章を読み返す習慣を付けるとともに,間違いを正したり,語と語や文と文との続き方を確かめたりすること。

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[第3学年及び第4学年]

エ 間違いを正したり,相手や目的を意識した表現になっているかを確かめたりして,文や文章を整えること。

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[第5学年及び第6学年]

オ 文章全体の構成や書き表し方などに着目して,文や文章を整えること。

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[中学校第1学年]

エ 読み手の立場に立って,表記や語句の用法,叙述の仕方などを確かめて,文章を整えること。

オ 文章全体の構成や書き表し方などに着目して,文や文章を整えること。

 第3学年及び第4学年のエを受けて,文や文章を整えることを示している。

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 文章全体の構成や書き表し方などに着目して,文や文章を整えるとは,

 ア,イ,ウ,エの指導事項を観点に,
 文や文章を推敲することである。


 第5学年及び第6学年においては,

 文章全体を見たときに,
 内容や表現に一貫性があるか,

 目的や意図に照らして
 適切な構成や記述になっているか,

 事実と感想,意見とが
 区別して書かれているか,

 引用の仕方,
 図表やグラフなどの用い方は適切か

 といったことなどが推敲の観点となる。

 
 

(1) 書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

カ 文章全体の構成や展開が明確になっているかなど,文章に対する感想や意見を伝え合い,自分の文章のよいところを見付けること。

[第1学年及び第2学年]

オ 文章に対する感想を伝え合い,自分の文章の内容や表現のよいところを見付けること。

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[第3学年及び第4学年]

オ 書こうとしたことが明確になっているかなど,文章に対する感想や意見を伝え合い,自分の文章のよいところを見付けること。

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[第5学年及び第6学年]

カ 文章全体の構成や展開が明確になっているかなど,文章に対する感想や意見を伝え合い,自分の文章のよいところを見付けること。

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[中学校第1学年]

オ 根拠の明確さなどについて,読み手からの助言などを踏まえ,自分の文章のよい点や改善点を見いだすこと。

カ 文章全体の構成や展開が明確になっているかなど,文章に対する感想や意見を伝え合い,自分の文章のよいところを見付けること。

 第3学年及び第4学年のオを受けて,感想や意見を伝え合い,文章の内容や表現のよいところを見付けることを示している。

 第5学年及び第6学年においては,文章全体の構成や展開が明確になっているかなどの観点から,自分の文章のよいところを見付けることに重点を置いている。

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 文章全体の構成や展開が明確になっているかなど,文章に対する感想や意見を伝え合うとは,

 互いの書いた文章を読み合い,
 目的や意図に応じた
 文章の構成や展開になっているか
 などについて,
 具体的に感想や意見を述べ合うこと
 である。

 このことを通して,
 自分の文章のよいところを見付ける
 こととなる。

 また,
 互いの文章のよいところを見付けて
 伝え合うことを通して,
 それらを
 自分の表現に生かそうとすること
 が大切である。

 
 

(2) (1)に示す事項については,例えば,次のような言語活動を通して指導するものとする。

ア 事象を説明したり意見を述べたりするなど,考えたことや伝えたいことを書く活動。

イ 短歌や俳句をつくるなど,感じたことや想像したことを書く活動。

ウ 事実や経験を基に,感じたり考えたりしたことや自分にとっての意味について文章に書く活動。

[第1学年及び第2学年]

ア 身近なことや経験したことを報告したり,観察したことを記録したりするなど,見聞きしたことを書く活動。

イ 日記や手紙を書くなど,思ったことや伝えたいことを書く活動。

ウ 簡単な物語をつくるなど,感じたことや想像したことを書く活動。

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[第3学年及び第4学年]

ア 調べたことをまとめて報告するなど,事実やそれを基に考えたことを書く活動。

イ 行事の案内やお礼の文章を書くなど,伝えたいことを手紙に書く活動。

ウ 詩や物語をつくるなど,感じたことや想像したことを書く活動。

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[第5学年及び第6学年]

ア 事象を説明したり意見を述べたりするなど,考えたことや伝えたいことを書く活動。

イ 短歌や俳句をつくるなど,感じたことや想像したことを書く活動。

ウ 事実や経験を基に,感じたり考えたりしたことや自分にとっての意味について文章に書く活動。

ア 事象を説明したり意見を述べたりするなど,考えたことや伝えたいことを書く活動。

 考えたことや伝えたいことを文章に書く言語活動を例示している。

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 事象を説明する文章を書くとは,

 対象となる事象について,
 表面に表れている事実を説明する
 のみならず,
 その事実が生起した背景や
 原因,経過など
 を整理して書き表すことである。

 例えば,
 調査などを通して明らかになったこと
 を解説する文章などが考えられる。

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 意見を述べる文章を書くとは,

 理由や事例を明確にしながら,
 筋道を立てて
 自分の考えを述べることである。


 例えば,

 自分の考えを,
 異なる立場の読み手に向けて
 主張する文章や,

 自分たちの生活を
 より良いものにするために
 提案する文章,

 事物のよさを
 多くの人に推薦する文章

 などを書くことが考えられる。

イ 短歌や俳句をつくるなど,感じたことや想像したことを書く活動。

 感じたことや想像したことを書く言語活動を例示している。

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 短歌や俳句については,

 第3学年及び第4学年の
〔知識及び技能〕の(3)
「ア 易しい文語調の短歌や俳句を音読したり暗唱したりするなどして,言葉の響きやリズムに親しむこと。」
において取り上げている。

 これを踏まえ,第5学年及び第6学年においては,伝統的な定型詩の特徴を生かした創作を行うことによって,七音五音を中心とする言葉の調子やリズムに親しみ,凝縮した表現によって創作する活動として例示している。

ウ 事実や経験を基に,感じたり考えたりしたことや自分にとっての意味について文章に書く活動。

 事実や経験を基に,感じたり考えたりしたことや自分にとっての意味について文章に書く言語活動を例示している。

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 身近に起こったこと,見たことや聞いたこと,経験したことなどを描写しながら,感想や自分にとっての意味などをまとめて書く言語活動である。

 この言語活動は,中学校第1学年の随筆を書く言語活動につながるものである。

 
 
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