cosnavi.jp

 社会的事象の見方・考え方を働かせ,学習の問題を追究・解決する活動を通して,次のとおり資質・能力を育成することを目指す。

(1) 身近な地域や市区町村の地理的環境,地域の安全を守るための諸活動や地域の産業と消費生活の様子,地域の様子の移り変わりについて,人々の生活との関連を踏まえて理解するとともに,調査活動,地図帳や各種の具体的資料を通して,必要な情報を調べまとめる技能を身に付けるようにする。

(2) 社会的事象の特色や相互の関連,意味を考える力,社会に見られる課題を把握して,その解決に向けて社会への関わり方を選択・判断する力,考えたことや選択・判断したことを表現する力を養う。

(3) 社会的事象について,主体的に学習の問題を解決しようとする態度や,よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとする態度を養うとともに,思考や理解を通して,地域社会に対する誇りと愛情,地域社会の一員としての自覚を養う。

 これは,教科の目標を受け,第3学年の目標を示している。

 第3学年においては,社会的事象の見方・考え方を働かせ,学習問題を追究・解決する活動を通して,次の(1)から(3)までのとおり資質・能力を育成することを目指す。

 
 
(1) 身近な地域や市区町村の地理的環境,地域の安全を守るための諸活動や地域の産業と消費生活の様子,地域の様子の移り変わりについて,人々の生活との関連を踏まえて理解するとともに,調査活動,地図帳や各種の具体的資料を通して,必要な情報を調べまとめる技能を身に付けるようにする。
 これは,第3学年における「知識及び技能」に関する目標を示している。

 身近な地域や市区町村の地理的環境,地域の安全を守るための諸活動や地域の産業と消費生活の様子,地域の様子の移り変わりについて,人々の生活との関連を踏まえて理解するとは,

知識に関する目標を示している。

--------------------------------

 身近な地域や市区町村の地理的環境について理解するとは,

身近な地域や自分たちの市区町村の位置,地形や土地利用,交通の広がり,市役所などの主な公共施設の場所と働き,古くから残る建造物の分布などを基に,身近な地域や市区町村の様子を大まかに理解できるようにすることである。

--------------------------------

 地域の安全を守るための諸活動や地域の産業と消費生活の様子について理解するとは,

消防署や警察署などの関係機関の働きや,地域に見られる生産や販売の仕事の様子などを理解できるようにすることである。

--------------------------------

 地域の様子の移り変わりについて理解するとは,

自分たちの市やそこに住む人々の生活の様子は時間の経過に伴い移り変わってきたことなどを理解できるようにすることである。

--------------------------------

 人々の生活との関連を踏まえて理解するとは,

身近な地域や市区町村の地理的環境,地域の安全を守るための諸活動や地域の産業と消費生活の様子,地域の様子の移り変わりのいずれにおいても,地域の人々の生活との関連を考えることを通して,地域における社会生活について理解できるようにすることである。

 なお,ここでいう「地域」とは,主として自分たちが生活している市区町村の範囲を指している。

 調査活動,地図帳や各種の具体的資料を通して,必要な情報を調べまとめる技能を身に付けるようにするとは,

技能に関する目標を示している。

--------------------------------

 調査活動,地図帳や各種の具体的資料を通してとは,
身近な地域や市区町村の地理的環境,地域の安全を守るための諸活動や地域の産業と消費生活の様子,地域の様子の移り変わりについて,見学や観察,聞き取りなどの調査活動や,地図帳や地域の平面地図や立体地図,写真,実物などの具体的資料を通して調べることである。

 これらの調査活動や資料を通して,必要な情報を集め,読み取り,白地図や年表などにまとめる技能を身に付けるようにすることを示している。

 なお,
ここでいう「必要な情報」とは,
学習問題の追究・解決に必要な情報
であり,
学習計画に沿って集める情報,
予想に基づいて調べる情報
などを指している。

 
 
(2) 社会的事象の特色や相互の関連,意味を考える力,社会に見られる課題を把握して,その解決に向けて社会への関わり方を選択・判断する力,考えたことや選択・判断したことを表現する力を養う。
 これは,第3学年における「思考力,判断力,表現力等」に関する目標を示している。

 社会的事象の特色や相互の関連,意味を考える力を養うとは,
身近な地域や市の場所による違い,生産の仕事と地域の人々の生活の関連や販売の仕事に見られる工夫,人々の安全を守る関係機関の相互の関連やそこに従事する人々の働き,市や人々の生活の様子の変化などを考える力を養うようにすることである。

 社会に見られる課題を把握して,その解決に向けて社会への関わり方を選択・判断する力を養うとは,例えば,
地域や自分自身の安全に関して,地域や生活における課題を見いだし,それらの解決のために自分たちにできることを選択・判断したり,これからの市の発展について考えたりする力を養うようにすることである。

 考えたことや選択・判断したことを表現する力を養うとは,
社会的事象の特色や相互の関連,意味について考えたことや,社会への関わり方について選択・判断したことを文章で記述したり,資料などを用いて説明したり話し合ったりする力を養うようにすることである。

 
 
(3) 社会的事象について,主体的に学習の問題を解決しようとする態度や,よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとする態度を養うとともに,思考や理解を通して,地域社会に対する誇りと愛情,地域社会の一員としての自覚を養う。
 これは,第3学年における「学びに向かう力,人間性等」に関する目標を示している。

 社会的事象について,主体的に学習の問題を解決しようとする態度を養うとは,
学習問題を追究・解決するために,社会的事象について意欲的に調べ,社会的事象の特色や相互の関連,意味について粘り強く考えたり,調べたことや考えたことを表現しようとしたりする主体的な学習態度を養うようにすることである。

 よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとする態度を養うとは,
これまでの学習を振り返り,学習したことを確認するとともに,学習成果を基に,生活の在り方やこれからの地域社会の発展について考えようとする態度を養うようにすることである。

 地域社会に対する誇りと愛情を養うとは,
地域社会についての理解を踏まえて,自分たちの生活している地域社会としての市区町村に対する誇りと愛情を養うようにすることである。

 地域社会の一員としての自覚を養うとは,地域社会についての理解を踏まえて,自分も地域社会の一員であるという自覚や,これからの地域の発展を実現していくために共に努力し,協力しようとする意識などを養うようにすることである。

 思考や理解を通してとは,
これらの誇りや愛情,自覚は,現在及び過去の地域社会の特色やよさ,課題への理解に基づくものであり,学習活動を通して考えたり理解したりしたことを基に涵(かん)養されるものであることを示している。

 
 
→ 小学校社会編 目次
→ 中学校社会編 目次
→ 小学校学習指導要領(2017)目次
→ 学習指導要領ナビ
トップページ