cosnavi.jp

(1) 我が国の国土の様子と国民生活について,学習の問題を追究・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 世界における我が国の国土の位置,国土の構成,領土の範囲などを大まかに理解すること。

(イ) 我が国の国土の地形や気候の概要を理解するとともに,人々は自然環境に適応して生活していることを理解すること。

(ウ) 地図帳や地球儀,各種の資料で調べ,まとめること。

--------------------------------

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 世界の大陸と主な海洋,主な国の位置,海洋に囲まれ多数の島からなる国土の構成などに着目して,我が国の国土の様子を捉え,その特色を考え,表現すること。

(イ) 地形や気候などに着目して,国土の自然などの様子や自然条件から見て特色ある地域の人々の生活を捉え,国土の自然環境の特色やそれらと国民生活との関連を考え,表現すること。

 この内容は,主として「地理的環境と人々の生活」に区分されるものであり,我が国の国土の様子と国民生活についての学習で身に付ける事項を示している。

 我が国の国土の様子と国民生活とは,世界における我が国の地理的位置や国土の構成,我が国の国土の自然環境やこれに適応している人々の生活を指している。

--------------------------------

 ここでは,我が国の国土の概要に関する内容と国土の自然環境に関する内容から構成されている。

--------------------------------

 我が国の国土の概要に関する内容については,アの(ア)及び(ウ)とイの(ア)を関連付けて指導する。

 例えば,

世界の大陸と主な海洋,主な国
の位置,
海洋に囲まれ多数の島からなる
国土の構成などに着目して,
地図帳や地球儀,各種の資料で調べ,
まとめ,
我が国の国土の様子を捉え,
その特色を考え,
表現することを通して,

世界の中における
我が国の国土の位置,
国土の構成,
領土の範囲
などを大まかに理解
できるようにすることである。

 その際,領土とは,我が国の法律が及ぶ地理的な範囲であることなど,小学校の段階に応じた指導を行うようにする。

--------------------------------

 また,我が国の国土の自然環境に関する内容については,アの(イ)及び(ウ)とイの(イ)を関連付けて指導する。

 例えば,

地形や気候などに着目して,
地図帳や地球儀,各種の資料で調べ,
まとめ,
国土の自然などの様子や
自然条件から見て特色ある地域
の人々の生活を捉え,
国土の自然環境の特色や
それらと国民生活との関連を
考え,表現することを通して,

我が国の国土の地形や気候の概要を
理解するとともに,

人々は
自然環境に適応して生活していること
を理解できるようにすることである。

 
 

 アは,「知識及び技能」に関わる事項である。

 アの(ア)及び(イ)は,知識に関わる事項である。

 アの(ア)の世界における我が国の国土の位置,国土の構成,領土の範囲などを大まかに理解することとは,

世界の大陸と主な海洋
の位置や広がりと
主な国の位置,

それらと我が国との位置関係,

我が国の国土を構成する主な島
の名称と位置,

我が国の北端,南端,東端,西端の島
などを含めた6,800以上の島を含む
我が国の領土の範囲

などを基に,
我が国の国土の概要や特色について
理解することである。

 アの(イ)の我が国の国土の地形や気候の概要を理解するとは,

我が国の地形は
全体としてみると
山がちで平野が少ないこと,

我が国の気候には
四季の変化が見られること,

国土の南と北,
太平洋側と日本海側では
気候が異なること

などを基に,
我が国の国土の自然環境について
理解することである。

 

 また,人々は自然環境に適応して生活していることを理解することとは,

我が国には
地形や気候などの自然条件から見て
特色ある地域があること,

人々は自然条件の中で
工夫しながら生活していること,

人々は自然条件を生かして
野菜や果物,花卉(かき)の栽培,
酪農,観光
などの産業を営んでいること

などを基に,
我が国の国土の様子と
国民生活について
理解することである。

 アの(ウ)は,技能に関わる事項である。

--------------------------------

 地図帳や地球儀,各種の資料で調べ,まとめることとは,

我が国の国土の様子と
国民生活について,

地図帳や地球儀,衛星写真
などの資料で
国土の位置や構成,
領土の範囲
などを調べたり,

立体模型,統計,写真などの資料で
地形や気候の概要,
自然条件から見て特色ある地域の様子
を調べたりして,
まとめることである。


 ここでは,
地図帳や地球儀などを用いて,
方位や位置関係,範囲などを
読み取る技能,

調べたことを適切にまとめる技能

などを身に付けるようにする
ことが大切である。

 
 
 イは,「思考力,判断力,表現力等」に関わる事項である。

 イの(ア)の世界の大陸と主な海洋,主な国の位置,海洋に囲まれ多数の島からなる国土の構成などに着目して,我が国の国土の様子を捉え,その特色を考え,表現することとは,

社会的事象の見方・考え方を働かせ,
我が国の国土の様子について,
例えば,

我が国は世界のどこに位置しているか,

国土は
どのような島々から成り立っているか,

我が国の領土はどの範囲か

などの問いを設けて調べたり,

調べたことを総合して
我が国の国土の特色を考えたりして,
調べたことや考えたことを
表現することである。

--------------------------------

 世界の大陸と主な海洋に着目するとは,

ユーラシア大陸,
北アメリカ大陸,
南アメリカ大陸,
アフリカ大陸,
オーストラリア大陸,
南極大陸
の六大陸と,

太平洋,大西洋,インド洋の三海洋
の名称と位置や広がり

について調べることである。


 主な国の位置に着目するとは,

各大陸における主な国の位置を調べることである。


 海洋に囲まれ多数の島からなる国土の構成に着目するとは,

北海道,本州,四国,九州,
沖縄島,北方領土
などの主な島や
その周囲の海洋,
6,800を超える大小多数の島々
から成る我が国の国土の構成や
弧状に連なっている国土の様子
について調べることである。

 このようにして調べたことを手掛かりに,我が国の国土の様子を捉えることができるようにする。

 その際,世界の主な大陸と海洋,主な国を我が国の国土との位置関係に着目して捉えることができるようにすることが大切である。

--------------------------------

 その(我が国の国土の)特色を考え,表現するとは,例えば,

我が国の国土の位置や形状,面積
などの情報を総合して,

我が国は北半球にあり,
ユーラシア大陸の東方に
位置していることや,

大韓民国,
中華人民共和国,
ロシア連邦と隣り合っていること,

太平洋や日本海,オホーツク海な
どに囲まれ,

大小の島々が
弧状に連なって構成されていることなど

我が国の国土の特色を
地図帳や地球儀などを用いて
説明することである。

 イの(イ)の地形や気候などに着目して,国土の自然などの様子や自然条件から見て特色ある地域の人々の生活を捉え,国土の自然環境の特色やそれらと国民生活との関連を考え,表現することとは,

社会的事象の見方・考え方を働かせ,
国土の自然などの様子や
自然条件から見て特色ある地域
の人々の生活について,
例えば,

我が国の地形や気候には
どのような特色があるか,

人々は地形条件や気候条件を
どのように生かしているか

などの問いを設けて調べたり,
国土の位置と地形や気候を関連付けて
国土の特色を考えたり,
国土の自然環境と国民生活の関連
を考えたりして,

調べたことや考えたことを
表現することである。

--------------------------------

 地形や気候に着目するとは,

国土の環境について,

主な山地や山脈,平野,川や湖,
主な島や半島
などの地形の概要や特色,

地域や時期によって
気温や降水量が変わる
など気候の違いや変化

について調べることである。

 自然条件から見て特色ある地域
については,
地形や気候に合わせた生活や産業
の様子について
調べることである。

 このようにして調べたことを手掛かりに,国土の自然などの様子や自然条件から見て特色ある地域の人々の生活を捉えることができるようにする。

--------------------------------

 国土の自然環境の特色やそれらと国民生活との関連を考え,表現するとは,

例えば,

我が国の位置や地形,気候の側面から,
我が国の国土の自然環境の特色
を考えたり,

特色ある地域の
自然条件と人々の生活や産業
を関連付けて
考えたりしたこと

を基に,
文章で記述したり,
説明したりすることである。

 実際の指導に当たっては,

地図帳や地球儀などを活用して,
位置や方位を確かめ言い表したり,

調べたことを
白地図などにまとめたりする
活動が考えられる。

 
 

(内容の取扱い)

(1) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。

ア アの(ア)の「領土の範囲」については,竹島や北方領土,尖閣諸島が我が国の固有の領土であることに触れること。

イ アの(ウ)については,地図帳や地球儀を用いて,方位,緯度や経度などによる位置の表し方について取り扱うこと。

ウ イの(ア)の「主な国」については,名称についても扱うようにし,近隣の諸国を含めて取り上げること。

 その際,我が国や諸外国には国旗があることを理解し,それを尊重する態度を養うよう配慮すること。

エ イの(イ)の「自然条件から見て特色ある地域」については,地形条件や気候条件から見て特色ある地域を取り上げること。

 内容の取扱いの(1)のアは,内容の(1)のアの「領土の範囲」について指導する際の配慮事項を示したものである。

--------------------------------

 領土の範囲について指導する際には,竹島や北方領土(歯舞(はぼまい)群島,色丹(しこたん)島,国後(くなしり)島,択捉(えとろふ)島),尖閣諸島は一度も他の国の領土になったことがない領土という意味で我が国の固有の領土であることなどに触れて説明することが大切である。

--------------------------------

 また,竹島や北方領土の問題については,我が国の固有の領土であるが現在大韓民国やロシア連邦によって不法に占拠されていることや,我が国は竹島について大韓民国に対し繰り返し抗議を行っていること,北方領土についてロシア連邦にその返還を求めていることなどについて触れるようにする。

--------------------------------

 さらに,尖閣諸島については,我が国が現に有効に支配する固有の領土であり,領土問題は存在しないことに触れるようにする。

--------------------------------

 その際,これら我が国の立場は,歴史的にも国際法上も正当であることを踏まえて指導するようにする。

内容の取扱いの(1)のイは,内容の(1)のアの(ウ)の「地図帳」や「地球儀」を扱う際の配慮事項を示したものである。

--------------------------------

 地球儀の特徴や使い方については,具体的な活動を通して丁寧に指導する必要がある。

 例えば,地球儀を用いて2点間の方位や距離を確かめたり,緯度や経度等を使って位置を説明したりする活動が考えられる。

 内容の取扱いの(1)のウは,内容の(1)のイのアの「主な国」についての指導において取り上げる国の範囲と,それを取り扱う際の配慮事項を示したものである。

--------------------------------

 主な国の取り上げ方としては,近隣諸国を含めてユーラシア大陸やその周りに位置する国々の中から10か国程度,北アメリカ大陸,南アメリカ大陸,アフリカ大陸,オーストラリア大陸やその周りに位置する国々の中からそれぞれ2か国程度選択することが考えられる。

 その際,それらの国の名称や我が国との位置関係を世界地図や地球儀で確認させ,産業に関する学習などにおける基礎的な情報となるよう指導することが大切である。

--------------------------------

 指導に当たっては,地図帳や地球儀などを用いて,取り上げた国の正式な名称と位置を確認するようにする。

 また,我が国や諸外国には国旗があることやいずれの国でも国旗を大切にしていることが分かり,我が国の国旗を尊重するとともに,外国の国旗を尊重する態度を養うようにすることが大切である。

 内容の取扱いの(1)のエは,内容の(1)のイの(イ)の「自然条件から見て特色ある地域」についての指導における配慮事項を示したものである。

--------------------------------

 事例地の選定に当たっては,自分たちの住んでいる地域の自然条件と異なる地域を選択するよう配慮する必要がある。

 例えば,山地や低地など特色ある地形条件の地域と,温暖多雨や寒冷多雪など特色ある気候条件の地域の中からそれぞれ一つ取り上げ,自然環境に適応しながら工夫して生活したり,自然条件を生かしながら産業を営んだりしていることを具体的に学習できるようにすることが考えられる。

 例えば,山地としては,山に囲まれた盆地や平らな地形の山地である高原などが,また低地としては,河口に近い地域や海沿いの平地が,それぞれ考えられる。

 温暖多雨の地域としては,日本列島の南に位置する地域や台風などが多く上陸する地域が,寒冷多雪の地域としては,日本列島の北に位置する地域や降雪量の多い地域などが,それぞれ考えられる。

 
 
→ 小学校社会編 目次
→ 中学校社会編 目次
→ 小学校学習指導要領(2017)目次
→ 学習指導要領ナビ
トップページ