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 社会的事象の見方・考え方を働かせ,学習の問題を追究・解決する活動を通して,次のとおり資質・能力を育成することを目指す。

(1) 我が国の政治の考え方と仕組みや働き,国家及び社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産,我が国と関係の深い国の生活やグローバル化する国際社会における我が国の役割について理解するとともに,地図帳や地球儀,統計や年表などの各種の基礎的資料を通して,情報を適切に調べまとめる技能を身に付けるようにする。

(2) 社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考える力,社会に見られる課題を把握して,その解決に向けて社会への関わり方を選択・判断する力,考えたことや選択・判断したことを説明したり,それらを基に議論したりする力を養う。

(3) 社会的事象について,主体的に学習の問題を解決しようとする態度や,よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとする態度を養うとともに,多角的な思考や理解を通して,我が国の歴史や伝統を大切にして国を愛する心情,我が国の将来を担う国民としての自覚や平和を願う日本人として世界の国々の人々と共に生きることの大切さについての自覚を養う。

 これは,教科の目標を受けて,第6学年の目標を示している。

 第6学年においては,社会的事象の見方・考え方を働かせ,学習問題を追究・解決する活動を通して,次の(1)から(3)までのとおり資質・能力を育成することを目指す。

 
 
(1) 我が国の政治の考え方と仕組みや働き,国家及び社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産,我が国と関係の深い国の生活やグローバル化する国際社会における我が国の役割について理解するとともに,地図帳や地球儀,統計や年表などの各種の基礎的資料を通して,情報を適切に調べまとめる技能を身に付けるようにする。
 これは,第6学年における「知識及び技能」に関する目標を示している。

 我が国の政治の考え方と仕組みや働き,国家及び社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産,我が国と関係の深い国の生活やグローバル化する国際社会における我が国の役割について理解するとは,

知識に関する目標を示している。

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 我が国の政治の考え方と仕組みや働きについて理解するとは,

日本国憲法は国家の理想,天皇の地位,国民としての権利及び義務など国家や国民生活の基本を定めていることや,現在の我が国の民主政治は日本国憲法の基本的な考え方に基づいていること,立法,行政,司法の三権がそれぞれの役割を果たしていること,国や地方公共団体の政治は,国民主権の考え方の下,国民生活の安定と向上を図る大切な働きをしていることなどを理解できるようにすることである。

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 国家及び社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産について理解するとは,

我が国の歴史上の主な事象を手掛かりに,大まかな歴史を理解するとともに,関連する先人の業績,優れた文化遺産の働きなどを理解できるようにすることである。

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 我が国と関係の深い国の生活やグローバル化する国際社会における我が国の役割について理解するとは,

我が国と経済や文化などの面でつながりが深い国の人々の生活は多様であること,スポーツや文化などを通して他国と交流し異なる文化や習慣を尊重し合うことが大切であること,我が国は平和な世界の実現のために国際連合の一員として重要な役割を果たしたり諸外国の発展のために援助や協力を行ったりしていることなどを理解できるようにすることである。

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 地図帳や地球儀,統計や年表などの各種の基礎的資料を通して,情報を適切に調べまとめる技能を身に付けるようにするとは,

技能に関する目標を示している。

 地図帳や地球儀,統計や年表などの各種の基礎的資料を通してとは,

我が国の政治の考え方と仕組みや働き,国家及び社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産,我が国と関係の深い国の生活やグローバル化する国際社会における我が国の役割について,地図帳や地球儀,統計や年表などの基礎的な資料で調べることである。

 これらの活動を通して,適切に情報を集め,読み取り,白地図や年表,図表などにまとめる技能を身に付けるようにすることを示している。

 なお,ここでいう「適切に」とは,情報の出典や作成時期,作成者を確かめたり,聞き取り調査やコンピュータなど集める手段の特性に留意したりして情報を集めること,資料の特性に留意して情報を読み取ること,必要な情報を整理して白地図や年表,図表などに効果的にまとめることなどを指している。

 
 
(2) 社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考える力,社会に見られる課題を把握して,その解決に向けて社会への関わり方を選択・判断する力,考えたことや選択・判断したことを説明したり,それらを基に議論したりする力を養う。

 これは,第6学年における「思考力,判断力,表現力等」に関する目標を示している。

 社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考える力を養うとは,

複数の立場や意見を踏まえて,日本国憲法が国民生活に果たす役割や国会,内閣,裁判所と国民との関わり,国民生活における政治の働き,我が国の歴史の展開,国際交流の果たす役割,国際社会において我が国が果たしている役割などを多角的に考える力を養うようにすることである。

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 社会に見られる課題を把握して,その解決に向けて社会への関わり方を選択・判断する力を養うとは,

世界の人々と共に生きていくことに関して,社会における課題を見いだし,それらの解決のために自分たちにできることを選択・判断したり,これからの我が国が果たすべき役割などを考えたりする力を養うようにすることである。

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 考えたことや選択・判断したことを説明したり,それらを基に議論したりする力を養うとは,

社会的事象の特色や相互の関連,意味について考えたことや,社会への関わり方について選択・判断したことを文章で記述したり,資料などを用いて説明したり,根拠や理由などを明確にして議論したりする力を養うようにすることである。

 
 
(3) 社会的事象について,主体的に学習の問題を解決しようとする態度や,よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとする態度を養うとともに,多角的な思考や理解を通して,我が国の歴史や伝統を大切にして国を愛する心情,我が国の将来を担う国民としての自覚や平和を願う日本人として世界の国々の人々と共に生きることの大切さについての自覚を養う。
 これは,第6学年における「学びに向かう力,人間性等」に関する目標を示している。

 社会的事象について,主体的に学習の問題を解決しようとする態度を養うとは,

学習問題を追究・解決するために,社会的事象について意欲的に調べたり,社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考えたりして,調べたことや考えたことを表現しようとする主体的な学習態度を養うようにすることである。

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 よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとする態度を養うとは,

これまでの学習を振り返り,学習したことを確認するとともに,学習成果を基に生活の在り方やこれからの国家及び社会の発展について考えようとする態度を養うようにすることである。

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 我が国の歴史や伝統を大切にして国を愛する心情を養うとは,

我が国の歴史についての理解を踏まえて,国家及び社会の発展に貢献した先人によってつくり出された歴史や伝統を大切にして国を愛する心情を養うようにすることである。

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 我が国の将来を担う国民としての自覚を養うとは,

我が国の政治についての理解を踏まえて,国家及び社会の一員としての自覚をもつとともに,主権者として将来にわたって我が国の政治に関わろうとする意識や,社会の担い手として平和で民主的な国家及び社会を築き上げようとする意識などを養うようにすることである。

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 平和を願う日本人として世界の国々の人々と共に生きることの大切さについての自覚を養うとは,

国際社会における我が国の役割についての理解を踏まえて,我が国はこれからも国際社会の一員として,平和な国際社会の実現を目指して努力を続けていくことが必要であるという自覚や,そのためには平和を願う日本人として世界の国々の人々と共に生きていくことが大切であるという自覚を養うようにすることである。

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 多角的な思考や理解を通してとは,

これらの愛情や自覚は,現在及び過去の社会の仕組みやよさ,課題への理解に基づくものであり,学習活動を通して複数の立場や意見を踏まえて考え理解したことを基に涵(かん)養されるものであることを示している。

 
 
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