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ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(イ) 大陸文化の摂取,大化の改新,大仏造営の様子を手掛かりに,天皇を中心とした政治が確立されたことを理解すること。

(シ) 遺跡や文化財,地図や年表などの資料で調べ,まとめること。

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イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 世の中の様子,人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して,我が国の歴史上の主な事象を捉え,我が国の歴史の展開を考えるとともに,歴史を学ぶ意味を考え,表現すること。

 この内容は,聖徳太子(しょうとくたいし)が政治を行った頃から聖武(しょうむ)天皇が国を治めた頃までの学習で身に付ける事項を示している。

 ここでは,大陸文化の摂取,大化の改新,大仏造営の様子の三つの事象を取り上げる。

 
 

 アは,「知識及び技能」に関わる事項である。

 アの(イ)は,知識に関わる事項である。

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 大陸文化の摂取については,

聖徳太子(しょうとくたいし)が法隆寺を建立し,小野妹子(おののいもこ)らを遣隋使(けんずいし)として隋(ずい)(中国)に派遣することにより,政治の仕組みなど大陸文化を積極的に摂取しようとしたことなどが分かることである。

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 大化の改新については,

中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)や中臣鎌足(なかとみのかまたり)によって政治の改革が行われたことや,天皇中心の新しい国づくりを目指したことなどが分かることである。

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 大仏造営については,

聖武天皇(しょうむてんのう)の発案の下,行基(ぎょうき)らの協力により国家的な大事業として東大寺の大仏が造られ,天皇を中心とする政治が都だけでなく広く全国に及んだことや,聖武天皇(しょうむてんのう)の願いにより鑑真(がんじん)が来日し,仏教の発展に大きな働きをしたことなどが分かることである。

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 これらのことを手掛かりに,天皇を中心とした政治が確立されたことを理解できるようにする。

 アの(シ)は,技能に関わる事項である。

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 例えば,遣隋使(けんずいし)の航路や正倉院の宝物が渡来した経路を世界地図などの資料で調べてまとめたり,大化の改新や大仏造営の様子などを資料で調べて年表などにまとめたりすることが考えられる。

 ここでは,地図などの資料で歴史上の出来事の位置や広がりなどを読み取る技能,調べたことを白地図や年表などに適切に整理する技能などを身に付けるようにすることが大切である。

 
 

 イの(ア)は,「思考力,判断力,表現力等」に関わる事項である。

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 ここでは,社会的事象の見方・考え方を働かせ,例えば,聖徳太子(しょうとくたいし)はどのような国づくりを進めたか,国づくりには聖武天皇(しょうむてんのう)のどのような願いが込められていたかなどの問いを設けて,大陸文化を取り入れた政治の様子,大化の改新を経て進められた天皇中心の政治の様子,大仏造営に込められた聖武天皇(しょうむてんのう)の願いや造営の様子について調べ,これらの事象を関連付けたり総合したりして,この頃の世の中の様子を考え,文章で記述したり説明したりすることが考えられる。

 実際の指導に当たっては,例えば,聖徳太子(しょうとくたいし)の肖像画やエピソードなどからその人となりを想像する学習,大仏の大きさから天皇の力を考えたり,大仏造営を命じた詔から聖武天皇(しょうむてんのう)の願いを考えたりする学習などが考えられる。
 
 
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