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ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ク) 歌舞伎や浮世絵,国学や蘭学(らんがく)を手掛かりに,町人の文化が栄え新しい学問がおこったことを理解すること。

(シ) 遺跡や文化財,地図や年表などの資料で調べ,まとめること。

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イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 世の中の様子,人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して,我が国の歴史上の主な事象を捉え,我が国の歴史の展開を考えるとともに,歴史を学ぶ意味を考え,表現すること。

 この内容は,江戸幕府が政治を行った頃の学習で身に付ける事項を示している。

 ここでは,歌舞伎や浮世絵,国学や蘭学(らんがく)の二つの事象を取り上げる。

 
 

 アは,「知識及び技能」に関わる事項である。

 アの(ク)は,知識に関わる事項である。

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 歌舞伎や浮世絵については,

近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)などによって生み出された歌舞伎の作品が数多く演じられ,それを人々が楽しんで鑑賞していたことや,歌川広重(うたがわひろしげ)などによって描かれた作品が人々に親しまれたことなどが分かることである。

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 国学や蘭学(らんがく)については,

本居宣長(もとおりのりなが)が我が国の古典を研究し,国学の発展に重要な役割を果たしたこと,杉田玄白(すぎたげんばく)らがオランダ語の医学書を翻訳して『解体新書』を著したこと,伊能忠敬(いのうただたか)が全国を測量して精密な日本地図を作ったことなどが分かることである。

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 これらのことを手掛かりに,江戸幕府が政治を行った頃,町人の文化が栄え新しい学問がおこったことを理解できるようにする。

 アの(シ)は,技能に関わる事項である。

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 例えば,歌舞伎や浮世絵の作品,『解体新書』や日本地図などの学問の成果などを資料で調べ,それらをまとめることが考えられる。

 ここでは,当時の作品などの資料から文化や学問に関する情報を適切に読み取る技能,調べたことをまとめる技能などを身に付けるようにすることが大切である。

 
 

 イの(ア)は,「思考力,判断力,表現力等」に関わる事項である。

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 ここでは,社会的事象の見方・考え方を働かせ,例えば,歌舞伎や浮世絵はどのような人々に親しまれていたか,国学や蘭学(らんがく)はどのような学問だったのか,どのようにして作り上げたのかなどの問いを設けて,歌舞伎や浮世絵が町人の間に広がったことや国学や(らんがく)がおこったことを調べ,これらの事象を関連付けたり総合したりして,この頃に栄えた町人の文化や新しい学問を生み出した人物の業績を考え,文章で記述したり説明したりすることが考えられる。

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 実際の指導に当たっては,例えば,歌舞伎や浮世絵を楽しむ人々の様子から,それらが町人の間に広がったことを調べたり,室町文化と比較してそれらの特色を考えたりする学習,本居宣長(もとおりのりなが),杉田玄白(すぎたげんぱく),伊能忠敬(いのうただたか)の業績が果たした役割などを考える学習などが考えられる。

 
 
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