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ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ケ) 黒船の来航,廃藩置県や四民平等などの改革,文明開化などを手掛かりに,我が国が明治維新を機に欧米の文化を取り入れつつ近代化を進めたことを理解すること。

(シ) 遺跡や文化財,地図や年表などの資料で調べ,まとめること。

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イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 世の中の様子,人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して,我が国の歴史上の主な事象を捉え,我が国の歴史の展開を考えるとともに,歴史を学ぶ意味を考え,表現すること。

 この内容は,幕末から明治の初めの頃の学習で身に付ける事項を示している。

 ここでは,黒船の来航,廃藩置県や四民平等などの改革,文明開化などの事象を取り上げる。

 
 

 アは,「知識及び技能」に関わる事項である。

 アの(ケ)は,知識に関わる事項である。

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 黒船の来航については,

ペリーが率いる米国艦隊の来航をきっかけに我が国が開国したことや江戸幕府の政権返上に伴い勝海舟(かつかいしゅう)と西郷隆盛(さいごうたかもり)の話し合いにより江戸城の明け渡しが行われたことなどが分かることである。

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 廃藩置県や四民平等などの改革については,

西郷隆盛(さいごうたかもり),大久保利通(おおくぼとしみち),木戸孝允(きどたかよし)らの働きによって明治天皇を中心とした新政府がつくられたこと,明治天皇の名による五箇条の御誓文が発布され新政府の方針が示されたこと,明治政府が行った廃藩置県や四民平等などの諸改革によって近代国家としての政治や社会の新たな仕組みが整ったことなどが分かることである。

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 文明開化については,

福沢諭吉(ふくざわゆきち)が欧米の思想を紹介するなど欧米の文化が広く取り入れられたことにより人々の生活が大きく変化したことが分かることである。

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 これらのことを手掛かりに,幕末から明治の初めの頃,我が国が明治維新を機に欧米の文化を取り入れつつ近代化を進めたことを理解できるようにする。

 アの(シ)は,技能に関わる事項である。

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 例えば,黒船の来航の様子や明治政府の諸改革などを写真,絵画,世界地図などの資料で調べたり,明治政府に関わる人物などの業績と主な出来事などの関係を年表や図表などにまとめたりすることなどが考えられる。

 ここでは,写真や絵画などの資料から世の中の様子や人物の業績に関する情報を適切に読み取る技能,調べたことを年表や図表などに適切に整理する技能などを身に付けるようにすることが大切である。

 
 

 イの(ア)は,「思考力,判断力,表現力等」に関わる事項である。

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 ここでは,社会的事象の見方・考え方を働かせ,例えば,どのような背景から黒船が来航したか,黒船の来航を当時の人々はどのように受け止めたか,開国によって人々の生活はどのように変わったか,新政府をつくるために誰がどのように活躍したかなどの問いを設けて,当時の欧米諸国はアジア進出を進めたこと,黒船の来航後に近代化が進み欧米の文化が取り入れられたこと,明治政府は廃藩置県や四民平等など諸改革を行ったことについて調べ,これらの事象を関連付けたり総合したりして,この頃の政治の仕組みや世の中の様子の変化を考え,文章で記述したり説明したりすることが考えられる。

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 実際の指導に当たっては,例えば,ペリーの肖像画や黒船来航の絵画などから江戸幕府や当時の人々への影響を考える学習,西郷隆盛(さいごうたかもり),大久保利通(おおくぼとしみち),木戸孝允(きどたかよし)などの人物のエピソードや資料などを基に明治政府の諸改革について調べる学習,『学問のすゝめ』を手掛かりとして福沢諭吉(ふくざわゆきち)が欧米から新しい文化や考え方を取り入れたことを調べる学習などが考えられる。

 
 
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