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ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(コ) 大日本帝国憲法の発布,日清(にっしん)・日露の戦争,条約改正,科学の発展などを手掛かりに,我が国の国力が充実し国際的地位が向上したことを理解すること。

(シ) 遺跡や文化財,地図や年表などの資料で調べ,まとめること。

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イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 世の中の様子,人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して,我が国の歴史上の主な事象を捉え,我が国の歴史の展開を考えるとともに,歴史を学ぶ意味を考え,表現すること。

 この内容は,明治中・後期から大正期までの学習で身に付ける事項を示している。

 ここでは,大日本帝国憲法の発布,日清(にっしん)・日露の戦争,条約改正,科学の発展などの事象を取り上げる。

 
 

 アは,「知識及び技能」に関わる事項である。

 アの(コ)は,知識に関わる事項である。

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 大日本帝国憲法の発布については,

国会の開設に備えて板垣退助(いたがきたいすけ)や大隈重信(おおくましげのぶ)が政党をつくったこと,伊藤博文(いとうひろぶみ)が憲法制定に重要な役割を果たしたこと,明治政府が発足後20年ほどで憲法を制定したことなどが分かることである。

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 日清(にっしん)・日露の戦争については,

日清戦争の講和条約の締結で陸奥宗光(むつむねみつ)が大きな働きをしたこと,日露戦争において東郷平八郎(とうごうへいはちろう)が活躍したこと,講和条約の締結において小村寿太郎(こむらじゅたろう)が大きな働きをしたこと,そして,我が国が厳しい国際社会の環境に置かれた状況において,これらの戦争に勝利を収め,講和条約を結ぶことによって,国の安全を確保することができたことなどが分かることである。

 その際,これらの戦争では,戦場となった朝鮮半島及び中国において大きな損害を与えたことに触れることが大切である。

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 条約改正については,

幕末に欧米諸国との間で結ばれた不平等な条約を対等なものに改める交渉において,外務大臣であった陸奥宗光(むつむねみつ)や小村寿太郎(こむらじゅたろう)が大きな働きをし,条約改正に成功したことなどが分かることである。

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 科学の発展については,

野口英世(のぐちひでよ)が黄熱病について世界的に注目された研究を行ったことなどが分かることである。

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 これらのことを手掛かりに,我が国の国力が充実し国際的地位が向上したことを理解できるようにする。

 アの(シ)は,技能に関わる事項である。

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 例えば,明治政府に関わる人物の業績や当時の人々の生活の様子,当時の国際関係などを写真や絵画,世界地図などの資料で調べて,年表などにまとめることが考えられる。

 ここでは,写真や絵画などの資料から世の中の様子や人物の業績などに関する情報を適切に読み取る技能,調べたことを年表や図表などに適切に整理する技能などを身に付けるようにすることが大切である。

 
 

 イの(ア)は,「思考力,判断力,表現力等」に関わる事項である。

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 ここでは,社会的事象の見方・考え方を働かせ,例えば,どのようにして国力を充実させたか,どのような人物が活躍したかなどの問いを設けて,自由民権運動の進展,大日本帝国憲法の発布や帝国議会の開設,日清(にっしん)・日露の戦争や不平等な条約の改正の経過,科学の分野で優れた業績を上げた人物について調べ,これらの事象を関連付けたり総合したりして,明治政府の意図や世の中の様子の変化を考え,文章で記述したり説明したりすることが考えられる。

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 実際の指導に当たっては,例えば,伊藤博文(いとうひろぶみ)が中心となって行った大日本帝国憲法の制定のための取組を調べる学習,日清(にっしん)・日露の戦争や条約改正に関わる主な出来事を年表に整理する学習,陸奥宗光(むつむねみつ)や小村寿太郎(こむらじゅたろう)の外交努力について調べる学習などが考えられる。

 
 
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