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 平成28年12月21日の中央教育審議会答申では,各教科の教科目標や内容等に関する主な改善事項が示されており,この度の小学校算数科の改訂は,これを踏まえて行われたものである。

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 小学校算数科においては,数学的に考える資質・能力の育成を目指す観点から,実社会との関わりと算数・数学を統合的・発展的に構成していくことを意識して,数学的活動の充実等を図った。

 また,社会生活など様々な場面において,必要なデータを収集して分析し,その傾向を踏まえて課題を解決したり意思決定をしたりすることが求められており,そのような能力の育成を目指すため,統計的な内容等の改善・充実を図った。

 
 
 中央教育審議会答申では,算数科・数学科における平成20年改訂の学習指導要領の成果と課題が次のように示されている。

○ 現行の学習指導要領により,PISA2015では,数学的リテラシーの平均得点は国際的に見ると高く,引き続き上位グループに位置しているなどの成果が見られるが,学力の上位層の割合はトップレベルの国・地域よりも低い結果となっている。

 また,TIMSS2015では,小・中学生の算数・数学の平均得点は平成7年(1995年)以降の調査において最も良好な結果になっているとともに,中学生は数学を学ぶ楽しさや,実社会との関連に対して肯定的な回答をする割合も改善が見られる一方で,いまだ諸外国と比べると低い状況にあるなど学習意欲面で課題がある。

 さらに,小学校と中学校の間で算数・数学の勉強に対する意識に差があり,小学校から中学校に移行すると,数学の学習に対し肯定的な回答をする生徒の割合が低下する傾向にある。 

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○ さらに,全国学力・学習状況調査等の結果からは,小学校では,「基準量,比較量,割合の関係を正しく捉えること」や「事柄が成り立つことを図形の性質に関連付けること」,中学校では,「数学的な表現を用いた理由の説明」に課題が見られた。

 また,高等学校では,「数学の学習に対する意欲が高くないこと」や「事象を式で数学的に表現したり論理的に説明したりすること」が課題として指摘されている。

 今回の改訂においては,これらの課題に適切に対応できるよう改善を図った。
 
 
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